Apple Musicのロスレス/ハイレゾ音源について知っておきたいこと(月額は980円~)

Apple Music ハイレゾ?

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WWDC2021が開催された2021年6月8日、ついにApple Musicのロスレス/ハイレゾが解禁。

当初はAndroid向けApple Musicのベータ版から"Apple Musicのロスレス音源配信サービスに関するコード"が見つかったため「そろそろ出るのでは?」と考えていたのですが…思いのほかスピーディーな発表&リリースとなりました。

新しいサービスというよりも、新機能の追加。これからはApple Musicで「ロスレス(24bit/48KHz/ALAC)」と「ハイレゾロスレス(24bit/192KHz/ALAC)」が楽しめるようになるほか、Dolby AtmosやDolby Audio、3D Audio(空間オーディオ)に対応した楽曲も配信されます。

(ALACとは、Appleのロスレスコーデック"Apple Lossless Audio Codec"のこと)

アリアナ・グランデMaroon5、LadyGagaやテイラー・スウィフトなど、リリース当初は2,000万曲程度の楽曲が提供されますが、AirPods/AirPods Pro/AirPods Maxがロスレス音源に対応しないなど注意点もあるので…ロスレス/ハイレゾ対応Apple Musicについて知っておきたいことをおさらいです。

※Update 2021/6/8, HomePod/HomePod miniが将来のソフトウェアアップデートでApple Musicのロスレス音源をサポートすることが正式に発表されていましたが、WWDC2021の開催後、ついにサービスが開始されたので追記。

Apple Musicを見る – Apple公式HP

月額料金そのままにロスレス/ハイレゾを楽しめる「Apple Music」

Apple Music

それじゃ、早速ロスレス/ハイレゾに対応する新しいApple Musicについておさらいしておきましょう。

Appleのロスレス音源配信サービスのローンチは少し前から噂されていたのですが、2021年5月17日、Apple Musicの新機能として追加されることが発表、そして本021年6月8日、WWDC2021終了後に配信が開始されました。

すでにアリアナ・グランデやオリヴィア・ロドリゴ、Maroon5、ジャスティンビーバーといったアーティストの楽曲がロスレス音源で楽しめます。

使用コーデックは2011年にオープンソース化されたAppleのロスレスコーデック"ALAC(Apple Lossless Audio Codec)“。最高音質は24bit/192KHzの無圧縮音源が配信されます。

ロスレス音源に対応したApple Musicについて知っておきたいことは以下の通り。

  • 【ロスレス】
    • サンプルレートは16bit/44.1KHz – 24bit/48KHz。
    • ロスレスオーディオは「設定 > ミュージック > オーディオの質」から設定可能。
  • 【ハイレゾ・ロスレス】
    • サンプルレートは24bit/192KHz。
    • 使用には対応するUSB接続の外部DACなどが必要。
    • ファイル容量/通信量が膨大となるため、ユーザーのオプトイン(許可)が必要。
  • 【空間オーディオ】
    • Dolby Atmosをサポートする"3D Audio(空間オーディオ)"に対応。
    • 空間オーディオはH1/W1チップを搭載するAirPodsとBeats、HomePodが対応。
  • 【月額料金】
    • 学生プラン:480円
    • 個人プラン:980円
    • ファミリープラン:1480円
    • Apple Musicをすでに利用しているユーザーはそのままロスレス音源を利用可能。

基本的にロスレス/ハイレゾに対応する無圧縮音源はApple Musicの新機能として提供されるため、現在Apple Musicを利用しているユーザーはそのままロスレス/ハイレゾのリッチな音楽が楽しめるってのは朗報です。

ロスレス/ハイレゾ音源に対応しただけではなく、Dolby Atmosに対応する"3Dオーディオ(空間オーディオ)"にも対応するとは…音楽の楽しみ方がグイっと広がっちゃいましたね。素敵です。

使用容量の目安

ソースは9to5Googleなのですが、Android版Apple Music(3.6.0 β)には新しいApple Musicに関するいくつかの情報が記載されていまして。

それによると可逆圧縮方式を使用するとデータ使用量とストレージ容量の消費が大きくなるという警告文が存在しているそう。

Lossless audio files preserve every detail of the original file. Turning this on will consume significantly more data. (ロスレスオーディオファイルは、元のファイルのすべての詳細を保持します。これをオンにするとデータ量が大幅に消費されます。)

Lossless audio files will use significantly more space on your device. 10 GB of space could store approximately: – 3000 songs at high quality – 1000 songs with lossless – 200 songs with hi-res lossless (ロスレスオーディオファイルは、お使いのデバイス上で多くの容量を使用します。10GBの場合、高品質で3000曲 – ロスレスで1000曲 – ハイレゾロスレスで200曲保存可能です)

Lossless streaming will consume significantly more data. A 3-minute song will be approximately: – 1.5 MB with high efficiency- 6 MB with high quality at 256 kbps- 36 MB with lossless at 24-bit/48 kHz- 145 MB with hi-res lossless at 24-bit/192 kHz Support varies and depends on song availability, network conditions, and connected speaker or headphone capability. (ロスレス ストリーミングでは、データが大幅に消費されます。3分の曲は高効率で1.5MB、 高品質(256Kbps)で6MB、 でロスレス(24bit/48KHz)で36MB、ハイレゾロスレス(24bit/192KHz)で145MB。ネットワークの状態、およびスピーカーまたはヘッドフォンの機能によって異なります。

9to5Google

ベータ版に記載されていたコードによれば、Apple Musicでロスレス音源を楽しむ場合、10GBのストレージ容量だと高品質音源で3,000曲、ロスレス音源で1000曲、ハイレゾロスレスで200曲が保存できるとのこと。

高音質(16bit/44.1KHz)10GB/3,000曲
ロスレス(24bit/48KHz)10GB/1,000曲
ハイレゾ(24bit/192KHz)10GB/200曲

Apple Musicをロスレス音源で楽しむ際の"使用容量の目安"になりますね。

ネットワークの状態や接続しているスピーカーやヘッドフォンの機能、高音質音源の有無で自動で通常音源とロスレス音源を切り替える機能も存在するそうなので、使用感についても期待大。

提供されるロスレス楽曲は7,500万曲を予定

「見つける」から空間オーディオ対応楽曲を探しましょう。

さてさて、気になるのは「ロスレス/ハイレゾ対応Apple Musicではどれだけの楽曲が提供されるの?」ってところなのですが、これは年末までに"7,500万曲"の提供を予定しているとのことで。

リリース当初は2,000万曲の楽曲がロスレスで提供されます。

※空間オーディオに対応する楽曲は"数千曲"が提供予定。H1/W1チップを搭載するすべてのAirPods、Beatsヘッドホンとイヤフォン、Dolby Atmosに対応するiPhone/iPad/Mac、HomePodで利用可能です。

ロスレス音源はロゴで判別可能。

ちなみに、ロスレスやDolby Atmosの空間オーディオに対応する楽曲は専用のロゴが表示されるため判別はめっちゃ簡単。

すでに日本でも利用可能になっているため。楽曲を確認するとDolby Atmos、ロスレス、Apple Digital Masterと表記されているのが分かるはずです。

そうそう、Apple Musicのロスレスオーディオは、iOS 14.6/iPad OS 14.6/macOS 11.4/tvOS 14.6以降のOSを搭載するデバイスで利用可能。MacはM1チップを搭載するモデルで空間オーディオが利用可能です。

ロスレス/ハイレゾの設定は?

ちなみに、Apple Musicがロスレス/ハイレゾ、そして空間オーディオに対応したことで新しい設定項目が追加されていまして。

設定は"設定アプリ>ミュージック"から変更可能なのですが、追加されているのは「ドルビーアトモス」と「オーディオの品質」、そして「アニメーションのカバーアート」の3つ。

ドルビーアトモスは自動か常にON、もしくはオフを設定可能で、オーディオの品質は"モバイルストリーミングサービス"、"Wi-Fi ストリーミング"、"ダウンロード"を個別に変更可能です。

オーディオの品質で用意されている項目は以下の通りなので…ぜひ参考にどうぞ。

  • 【高効率】
    • HE-AAC(低データ使用量)
    • 3分間の曲のデータ使用量:1.5MB
  • 【高音質】
    • AAC/256Kbps
    • 3分間の曲のデータ使用量:6MB(256Kbps)
  • 【ロスレス】
    • ALAC/最大24ビット/48KHzまで
    • 3分間の曲のデータ使用量:36MB
  • 【ハイレゾロスレス】
    • ALAC/最大24ビット/192KHzまで
    • 3分間の曲のデータ使用量:145MB

なお、ハイレゾロスレスのストリーミングの設定時は"確認のポップアップ"が表示されるほか、外部DACが必要です。対応する機器を持ってないよーってブラザーはロスレス設定のままでいいかもしれません。

AirPods/AirPods Pro/AirPods Maxはロスレス非対応

AirPods Max 写真
AirPods Max

これはBluetoothで接続する以上、ある程度は仕方のないことなのですが…AirPods/AirPods Pro/AirPods MaxはApple Musicのロスレス/ハイレゾ音源に非対応。

大事なことなのでもう一回言いますね。AirPodsシリーズは全モデルロスレス音源非対応です。

理由は簡単で、Apple Musicのロスレス音源は"ALAC(Apple Lossless Audio Codec)"でエンコードされているため、Bluetooth接続でAACコーデックにしか対応しないAirPodsシリーズではロスレス音源を楽しむことができないのです。

じゃあ、有線接続に対応するAirPods Maxならロスレス音源を楽しめるんじゃないの? と思いきや…MacRumors曰くこちらも非対応とのこと。(悲しいぞ、僕は)

なんでも、AirPods MaxのLightningコネクタはアナログ出力のみに対応しているそうで、デジタルオーディオフォーマットの出力をサポートしていないことが原因のようです。

HomePod/HomePod miniはアップデートでロスレス音源をサポート予定

HomePod mini レビュー
HomePod/HomePod miniもロスレス非対応。

それともうひとつ大事なこと。AirPodsシリーズとともにHomePod/HomePod miniもロスレス音源非対応です。

ただ…HomePod/HomePod miniはAirPodsシリーズとは異なり、アップデートでロスレス音源をサポートすることがApple公式のサポートドキュメントにて案内されており、将来的にロスレスで楽しめるようになることが分かっています。

Can I listen to lossless audio on my HomePod or HomePod mini?

HomePod and HomePod mini currently use AAC to ensure excellent audio quality. Support for lossless is coming in a future software update.

ホームポッドやホームポッドミニでロスレスオーディオを聴くことができますか?

ホームポッドとホームポッドミニは現在、優れたオーディオ品質を確保するためにAACを使用しています。ロスレスのサポートは、将来のソフトウェアアップデートで提供されています。

About lossless audio in Apple Music – Apple Support

Apple公式のサポートドキュメントで"HomePod/HomePod miniのロスレス音源対応"について触れられている項は上記の通り。

AirPodsシリーズがロスレス音源非対応という事実には変わりはないですが、HomePod/HomePod miniを愛用しているブラザーにとっては朗報ですね。

AirPodsシリーズがロスレス非対応というのは相も変わらず哀しみが深いですが…HomePodシリーズともにDolby Atmosの空間オーディオには対応するそうなので、ひとまず立体的な音を楽しむとします。

(何度も言いますが、AirPods Maxがロスレスに対応しないのはほんと悲しい)

ロスレス/ハイレゾ対応Apple Music月額980円から

さてさて、ついにロスレス/ハイレゾ音源に対応する「Apple Music」が利用可能になりましたが、なかなか良い感じじゃないですか?

“CD音質(16bit/44.1KHz)"から"ハイレゾ・ロスレス(24bit/192KHz)"までのサンプルレートに対応し、Dolby Atmosにも対応。なのに月額料金は据え置きで7,500万曲が提供予定って…もう最高。

月額がApple Musicの個人プランと同じ月/980円というのも非常に魅力的です。(Apple Musicの月額料金は、個人プラン:980円、学生プラン:480円、ファミリープラン:1,480円です)

Ariana GrandeやMaroon 5、LadyGagaといった僕のヘビロテな音楽もロスレス音源で提供されているので、がっつり楽しまなくては!

せめて有線のAirPods Maxでロスレス&ハイレゾが楽しめたらもっとよかったんですけど…野暮なことは言わないでおきましょう。

Apple Musicを見る – Apple公式HP

Source:9to5Google,MacRumors

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Posted by Yusuke Miyamoto