
グッバイ、インテル!Apple自社製チップ「Apple Sillicon」のすごいところ
本日開催されたAppleの基調講演 “WWDC 2020" にて、Appleの自社製チップ「Apple Silicon」への移行計画が発表されました。
Apple SiliconはiPhoneやiPadに搭載されているAシリーズのプロセッサ(A12Z Bionicなど)をベースに開発されているため省電力で高性能となっていまして、今後2年間ですべてのMacのApple Siliconへの移行を完了させる予定なのだそう。
この “Apple Silicon" を搭載するMacは年内に発表予定。Intel Coreシリーズのプロセッサを搭載しない優れた電力効率と性能を誇るMacが登場するわけですが……自社製チップでMacはどう変わるのか、どこがすごいのか、Apple Siliconについてパパっとおさらいしておきましょう。
省電力で高性能な自社製チップ「Apple Sillicon」
Appleの自社製チップ「Apple Silicon」への移行計画が発表されたのは、基調講演の1:26:07あたりから。10年以上開発が行われてきたApple Silliconですが、W数あたりの性能を伸ばすことを目指してきたとのことで、省電力で優れた性能を備えているそうなんですよね。
Apple Siliconについて覚えておきたいのは以下の通り。
- iPhoneやiPadに搭載される “Aシリーズ プロセッサ" をベースに開発。
- 低消費電力ながら優れたパフォーマンス。
- Appleが手を加えることで優れたグラフィック性能も実現。
- iPhone/iPad向けアプリが完全に動作する。
- Intel版Mac向けソフトも動作可能。
- 今後2年間ですべてのMacを移行予定。(つまり、2年後は脱Intel)
10年間で20億個ものチップを出荷し、iPhoneのCPUパフォーマンスを100倍に、iPad Proのグラフィック性能で言えば1000倍も向上させた経験とノウハウを生かし、Mac向けに開発されるプロセッサが「Apple Silicon」です。

本日発表された最新のmacOS “mac Big Sur" ではすでに多くの純正アプリがApple Siliconに対応していることが発表され、AdobeやMicrosoftはすでにApple Siliconで動くアプリの開発に着手しているそう。
Logic ProやFinalCutはすでにApple Siliconのサポートが完了しています。
低消費電力でハイパフォーマンスな性能

自社製チップへ移行することで、すべてのパフォーマンスが劇的に向上すると発表されたApple Silicon。

Intel製チップから自社製チップへの移行はアーキテクチャの変更を伴うため、アプリの動作も気になるところではありますが……このあたりはmacOS Big Surで対応予定。
基調講演では、AdobeのLightroomやPhotoShopが動く様子のデモが行われていまして。
- 【Microsoft】
- Word/Exel/PowerPoint
- 【Adobe】
- Lightroom/PhotoShop
- 【Apple】
- FinalCut Pro
上記のアプリがApple Silicon内臓Macで動作することが判明しています。
優れたGPU性能

基調講演では “シャドウ オブ ザ トゥームレイダー(1080p)" でのゲームデモが行われましたが、デモを見る限りではグラフィック性能も良い感じでして。
Apple内製のCPUにより、すべてのApple Silicon搭載Macは3Dゲームが快適に動くグラフィック性能を備えるとのこと。ゲームのコントローラーも快適に動作できるようです。

高いグラフィック性能を要求するアプリもスムーズに動作するそうな。
Intel Mac向けアプリの動作を可能にする「Rosetta 2」

アーキテクチャの変更に伴う “備え" として登場した機能が「Rosetta 2」と呼ばれるバイナリエンジンなのですが、このRosetta 2のおかげでApple Silicon内臓MacはIntel版mac向けのソフトも動かすことができます。
- アプリ開発はxCode12で行い、1つのアプリを開発することでiPhone/iPad/mac向けにリリースできる。
- Intel版Mac向けソフトのサポート。
- 「Virtualization」で仮想化にも対応し、Linuxが動作。
- macOS Big Surでは、iPhone/iPad向けアプリはそのまま動く!
仕組みとしては、インストール時にバイナリを自動変換して動作するわけなんですけど、開発者向けにはApple Siliconで動作するアプリのビルドが可能になる「Universal2」が備わっており、xCodeでひとつのアプリを開発し、iPhone/iPad/Macでリリースできるようになります。
iPhone/iPad向けアプリはネイティブで動作

ただただメリットでしかないのがRosetta 2で可能になったmacOS上でiPhone/iPad向けアプリを動かせるということ。開発者は作業ゼロで対応し、最適化もなにも必要なくiPhone/iPad向けアプリが動くんです。

これ、すごくないですか? Apple Siliconの登場により、iPhone/iPad/Macの親和性も高くなりますね。
発表会で動作していたMacのチップはA12Z Bionic

そうそう、今回のスペシャルイベントで動作していたMac Proは、iPad Pro に搭載されていた “A12Z Bionic"で動いてたんですけど、これ、すごくないですか?
メモリは16GB、OSは “macOS Big Sur" が搭載されていたのですが、デモは違和感なくスムーズでして。普通にサプライズでした。ほんと、ARM版Macの登場で色々変わりそうですね。
自社製チップ"Apple Silicon"搭載のMacは今年発表予定
さてさて、Appleの自社製チップ「Apple Silicon」についてのおさらいでしたがどうでしょう? なかなかに良い未来を想像させてくれないですか?
Apple Siliconは低消費電力で高性能。ARMチップ搭載PCのバッテリーライフの持ちの良さはSurface Xなどで実証されてますし、ぜひMacbookで登場してほしいかなぁと。
とはいえ、まだまだ未知数ということも確か。今後2年間ですべてのMacの移行が予定されていますが、ひとまず、iMacなどのデスクトップはしばらくその地位を確立したままとなりそうな予感です。(やっぱり、Intelって安心感ありますし……)
僕はApple Silicon搭載Macbookが出たら速攻試してみたいと思ってるんですけど、もし、今Macの買い替えを検討してるなら、わざわざ “Apple Silicon内臓Mac" を待つ必要はないかもしれませんね。
Apple Silicon搭載Macは2020年内に発表予定です。(あぁ、楽しみすぎる。Apple Silicon内臓Mac!ARM版Macbookが出たら買ってみよう)