ミドル帯CPUに最適「サイズ 虎徹MK2」のレビューとPCに取り付ける方法のHowTo

僕はつい最近“Intel Core i5 10400+GTX 1650″でサブの自作PCをアップグレードしたのですが、さらなる冷却性能を求め、サイズの大人気定番CPUクーラー「虎徹 MKⅡ」を購入しました。
サイズの"虎徹MK2"って2017年に発売されたCPUクーラーなので今更感はあるんですけど……なんだかんだ僕も初めて使うCPUクーラーなので、これは記事書いとかないと! というわけでレビューをお届けです。
NZXTとか、Cooler Masterとかばっかりだったので、3,600円で買えちゃうCPUクーラーの冷却性能にそこまで期待してなかったというか、なんというか。
とにもかくにもレビュー、行きましょう。
自作PCのド定番CPUクーラー「サイズ 虎徹MK2」をレビュー

それじゃ、早速超人気CPUクーラー「サイズ 虎徹 MK2」についてレビューしていこうかと思うんですけど、まずはデザインからさらっと見ていきましょう。
サイズ 虎徹MK2は、"シングルタワー構造"の大きなヒートシンクを搭載したCPUクーラー。
ヒートシンクの奥行は58mmに抑えられていること、そして、ヒートシンクがメモリから離れるような設計になっているため、ほかのパーツと干渉しにくいというのが大きなメリットですね。

横から見てみるとこんな感じ。0.4mm厚のアルミフィンが46枚も積み重なっていまして。微妙に形の違うフィンが重ねられていることを考えると……とても3,000円と少しで買えるCPUクーラーとは思えないクオリティ。

ヒートシンクをサイドから見てみると、120mmファンをクリップで固定するための"溝"があるのが分かりますね。
※虎徹MK2に付属するファンクリップは1つだけ。単品では入手できないようですが、破損してしまった場合はサイズに問い合わせてみるといいかもしれません。

ヒートパイプはこんな感じ。ベースプレートは熱伝導性に優れる銅が採用されており、ヒートパイプは6mm径×4本です。
それとここで要注意ポイントが1つ。ベースプレートには保護フィルムが張られているため、取り付けの際は剥がすのをお忘れなく!

次に付属のファンについて見ていきましょう。
虎徹MKⅡに搭載されるファンは、120mm 4pin PWM制御のKAZE FLEX 120 PWM。このファンには"高精度密閉型FDBベアリング"が採用されていまして。回転数は300~1,200rpm。
完全密閉型のベアリング構造となっているため、オイルの揮発や漏れを最低限に抑え、高い保持力、耐久性を備えています。
つまり、低摩擦で長寿命、静音性にも優れるってわけですね。4Pin PWM接続なので、ファンの回転数なんかもマザーボードで制御可能です。
さて、このあたりでサイズ 虎徹 MKⅡの仕様についてもおさらいしておきましょう。
サイズ 虎徹MKⅡの仕様
サイズ | ヒートシンク:幅130×奥83×高154mm ファン:幅120×億120×高27mm 重さ:645g(ファン含む) |
ヒートシンク | フィンの厚さ:0.4mm フィンの枚数:46枚 |
ヒートパイプ | 6mm×4本 ニッケルメッキ処理済み |
ファン | 120mm PWMファン 回転数:300~1200rpm |
対応ソケット(Intel) | 775/1151/1150/1155/1156/1366/2011(V3含む)/LGA1151/LGA2011 V3 |
対応ソケット(AMD) | AM2(+)/AM3(+)/AM4/FM1/FM2(+)/AM4 |
グリス | シリコングリス付属 |
参考価格 | 3,500円~4,000円 |
サイズ 虎徹MK2の仕様について覚えておきたいポイントはこんな感じ。第10世代のIntel CPUで採用される"LGA1200″や最新世代のAMD Ryzenで採用される"AM4″にもしっかり対応していますよ。
かなり広いソケットをカバーしているので、おそらく、多くのPCで使えるんじゃないかなぁと。自作PCに取り付ける際は、高さ154mmをケースに搭載できるかどうか確認しておくのがおすすめです。
※今回はIntel Core i5 10400で虎徹MKⅡを使うとどれくらい冷えるのか? ってのがメインのトピック。Intel Core i5 10400であれば付属のリテールクーラーでも十分冷やせますが、さらに冷却性能を求める人は虎徹MK2が良い選択肢になるかも。
虎徹MK2の取り付け方(Intel版)

ここからは、サイズのCPUクーラー「サイズ 虎徹 MKⅡ」の取り付け方についてもパパっとチェックしていきましょう。
これから自作PCを組むならCPUをソケットに装着した段階で、自作PCのアップグレードで虎徹MK2を追加する場合はマザーボードからリテールクーラーを取り外してから虎徹MK2の取り付けにかかりましょう。

ちなみに、プッシュピンタイプのIntel付属クーラーを使用している人は、ピンに書いてる矢印の通りに回せば取り外せるはず。
1年以上取り替えていない場合はCINEBENCH R20やゲームプレイ、4k動画の再生などで負荷をかけ、少し温めてから取り外すとグリスが柔らかくなり、固着も防げます。
それじゃ、いくつかのステップに分けて解説していきましょう。
①バックプレートを取り付け、スペーサーで固定する

まずは"バックプレート"の取り付けから。"TOP"と記載されている側が上向きです。

僕が購入した時点の虎徹MK2は、あらかじめLGA1200の取り付け穴に合うようネジが固定されていたのですが、念のため確認。LGA 1200であれば真ん中のネジ穴が正解です。

ネジ穴の位置に間違いが無ければ、マザーボードの裏側から通す。(この時点では固定できておらず、グラグラするので、手で押さえたままですよ)

ここで、バックプレートを固定するために"スペーサー"を装着。ラバーが付いているほうが下側です。

マザーボードの表側に"バックプレートのネジ"が飛び出していると思うので、ここにスペーサー(合計4つ)を装着していきましょう。
この段階では仮留めに近く、まだ多少グラグラするかと思うんですけど、ひとまずもう手で押さえなくてOKです。
②マウンティングプレートを装着し、固定する

次に、Intel用のマウンティングプレートを取り付けていきます。虎徹MK2には"Intel用"と"AMD用"のマウンティングプレートが付属するのでお間違えの無きよう。

上の画像のマウンティングプレートは"AMD用“です。Intel製CPUではは使用しないので、大事に保管しておきましょう。

マウンティングプレートの正しい向きはこれ。この通りに装着すれば正しい位置にネジ穴が来ていると思うので、付属のナットで固定していきましょう。

最初は手締めで締めれるところまで締め、あとはドライバーで対角線上に締めていきましょう。
③ヒートシンクを取り付ける

ここまで来たら、CPUにグリスを塗布。付属のグリスでも問題ないですが、シリコングリスですし、熱伝導性はそれほど良くないので……Thermal Grizzly社のグリスがおすすめ。
あとは、ヒートシンクをメモリ側にスペースができる向きで取り付けするだけです。

ヒートシンクの左右に合計2つのネジがあると思うので、ドライバーで少しずつ、交互に、回せなくなるまでゆっくり締めていきましょう。
ありがたいことに、サイズ 虎徹 MKⅡのリテンションネジは"スプリングスクリュー"になっているため、締めすぎてしまう心配はありません。Good。
④ファンを取り付ける

あとは、虎徹MKⅡのヒートシンクに"120mm PWM ファン"を取り付けるだけ。ファンクリップはファンの4隅にあるネジ穴で固定するイメージで取り付けましょう。
(取り外す時はファンに対して反対方向に引っ張る)
ファンクリップがヒートシンクの"溝"にひっかかり固定される仕組みになっているので、カチッと鳴るまでクリップを引っ張って固定させましょう。意外と硬い。
これ、分かってしまえばなんてことないんですけど、分からなければほんと分からないので……上の写真を参考にどうぞ。自分で言うのもあれなんですけど、この写真めっちゃ分かりやすい。
⑤CPUファンのコネクタを取り付け、虎徹MKⅡを眺める

最後に、ファンから出ている"4Pin PWMコネクタ“をマザーボードの"CPU_FANコネクタ“に差し込めば終わりです。お疲れ様でした!

虎徹MKⅡを取り付けた自作PCをじっくり満足するまで眺めましょう。
虎徹MkⅡの取り付け方(AMD版)

せっかくなので、AMD製CPUに虎徹MKⅡを取り付ける方法についてもダダッとチェックしておきましょう。
AMD製CPUの場合はマザーボードに取り付けられているバックプレートはそのままま使用。最新のソケット"AM4″にも対応していますよ。
虎徹Mk2の取り付けの前に、CPUの両側にある"黒いブリッジ"を取り外しておきましょう。

ブリッジを取り外したら、AMD用マウンティングプレートとスペーサーの取り付けです。(スペーサーは黒い丸いパーツ。向きを間違えないように)

マウンティングプレートを2か所取りつけたら準備は完了。こちらも画像を参考に表裏を間違えないように。中心が出っ張ってるほうが上面です。

あとの手順はIntel製CPUの取り付けと同じ手順ですね。CPUグリスを塗ったら、ヒートシンクを取り付けてネジ止めすれば完了です。

AMD Ryzen 2700Xで虎徹MkⅡを使用していますが、定格使用時で40度前後、高負荷時でも60度程度と十分以上に冷えますよ。
Core i5 10400はどれくらい冷える?

さてさて、サイズ 虎徹 MKⅡを無事取り付けられたところで、どれくらい冷えたのか? についてもチェックしておきましょう。
検証するPCの構成はWeekly小噺で話していた自作PCと同じです。
純正クーラーと虎徹MKⅡの冷却性能を比較

サイズ 虎徹MKⅡとIntelの純正クーラーの冷却性能を比較してみるとこんな感じ。もう明らかに虎徹MK2のほうが冷えていまして。
低負荷時はそこまで大きな違いはないのですが、PUBGやフォートナイト、クラフトピアをプレイした感じだと、ゲームではCPU温度が61度 → 56度にダウン。
Davinci Resolveで20秒の4k動画を1080p動画へ変換する際は、66度 → 56度にダウン。大きな負荷をCPUにかけるCINEBENCH R20では、71度 → 56度と大きくCPU温度が下がっているのが分かります。
で、勘の鋭いブラザーはもうお気づきかと思うのですが……そうなんです。虎徹MKⅡに替えたらCPU温度の上限値が56度で頭打ちになったんです。
もちろん、今回は簡単な検証ですし、PCケースにもよります。もっと負荷をかけたり、マルチタスクでバリバリ動かせばもう少し温度は上がるかもなんですけど、最大71度だった最大温度が56度まで下がるってすごくない? 超安定。
つまり、何が言いたいかというと……虎徹 MK2は"i5 10400″におすすめで最適なCPUクーラーです。間違いない。
サイズ 虎徹MKⅡのレビューまとめ
さてさて、取り付け方法を見てみたり、CPU温度の動きを比較したりしてみたのですが、このあたりでレビューをまとめて最後の締めと行きましょう。
とは言いましても、"サイズ 虎徹MKⅡ“は自作PCに触れたことがある人なら誰もが知っているド定番CPUクーラーですし、その人気っぷりを鑑みるに安心しておすすめできるCPUクーラーなのは間違いなし。
特に、Core i5 10400の組み合わせでは絶大な効力を発揮してくれるCPUクーラーです。これが3,600円くらいで買えちゃうんで……本当にすごい。
Good!!
- 3,500円~4,000円で買えちゃうのにハイクオリティ&高性能
- 見た目にチープさも一切なし
- めっちゃ冷える(i5 10400との相性抜群)
- “ゴツさ"が逆にかっこいい
- メモリとの干渉がほぼなさそうな構造
Bad…
- ファンクリップが1つしか付属しない
- 初見だとファンの取り付けがちょっと分かりにくい
レビューまとめ
デザイン | ★★★★☆ |
冷却性能 | ★★★★★+ |
静音性 | ★★★★☆ |
取り付けやすさ | ★★★★☆ |
対応ソケット | ★★★★★ |
価格(コスパ) | ★★★★★+ |
僕の"サイズ 虎徹MKⅡ"に対するレビュー評価をまとめるとこんな感じ。めっちゃ取り付けやすいですし、PCのケースファンの音がうるさく感じるくらいに静音性も十分。
そして何よりも、3,600円のCPUクーラーだとは思えない冷却性能とコスパはもう文句なしの★+。S級です。
おそらく、自作PCを嗜んでいるブラザーで知らない人はいないと思うんですけど……プロオーバークロッカー清水貴裕氏がめちゃ分かりやすく"虎徹MK2の取り付け方法"の動画を公開してくれているので、初めてで不安かも……って場合はこちらもぜひ。
とりあえず、これだけ書いて僕が言いたいことはただ1つ。サイズの"虎徹MKⅡ"めっちゃ冷えるんで、少しでも気になるなら買っちゃいましょう! 絶対後悔しません。