【比較】新型Macbook ProはM1 Pro、M1 Maxどっちを選ぶ?(CPU性能は同じ)

2021年10月19日に開催されたAppleのスペシャルイベント"Unleashed“にて発表されたAppleの新型Macbook「Macbook Pro(2021)」。
14インチと16インチのラインナップで登場し、Touch-Barを廃止したり、HDMIが搭載されたり、Magsafeが復活したり、デザインも大幅に変更。
(新型MacbookはiPhoneのように"画面の切り欠き"もありますが…これはすぐに慣れそう。FaceIDはありません)
どっからどう見ても魅力的すぎる新型Macbook Proですが、性能が大幅に強化された新しいAppleシリコン"M1 Pro"と"M1 Max"の登場で一気に物欲を刺激された人も多いのでは?
僕の場合、サイズとストレージ、メモリについてはすぐに決まったのですが、M1 ProとM1 Maxのどちらのチップを選択するかで鬼のように悩んだので今回はそのあたりをシェアです。
CPUの処理性能が同じこと、M1 Proもメモリの容量を32GBまでは選択できることを考えると…多くの人にとっての最適解は「M1 Pro」かも。
※2021/10/28 Update, M1 Maxを搭載する16インチMacbook Proのみ"ハイパワーモード"を使用できることが判明しました。最高の性能とパフォーマンスを求めるなら16インチ Macbook Proが良い選択肢になるかもしれません。
新型Macbook Pro(2021)の性能や変更点をおさらい
それでは、本題の「M1 ProとM1 Maxのどっちが良いのか?おすすめできるのか?」について触れる前にまずは新型Macbook Proの性能や新機能、変更点について簡単におさらいしておきましょう。
- デザインが大幅に変更
- iPhoneのような"ノッチ"を画面に搭載
- MagSafe3を搭載
- Touch-Bar廃止
- 性能が大幅に向上したM1 Pro/M1 Maxチップを搭載
- M1 Pro – 最大10コアCPU/最大16コアGPU/16コアNeural Engine
- M1 Max – 最大10コアCPU/最大32コアGPU/16コアNeural Engine
- 画面サイズは14インチと16インチの2種類
- 14インチ/16インチともにミニLEDディスプレイを搭載
- 最大120Hzのリフレッシュレート
- メモリは16GB/32GB/64GB。64GBはM1 Maxのみ選択可能
- ストレージは最大8TB。最大7.4GB/sの転送速度。
- バッテリーライフは14インチが最大17時間、16インチが最大21時間
新型Macbook Proで抑えておきたい大きなトピックは上記の通り。
多くの人にとってベターなツールではなかった"Touch-Bar"が廃止されたことは非常に大きく、マルチファンクションキーや3.5mmイヤフォンジャック、SDカードスロットなど、Appleが過去に捨て去ったものも復活しています。

個人的には、新型Macbook Proはスピーカーの音質向上も大きなトピックと思っていて、4つのフォースキャンセリングウーファーと2つの高性能ツイーターを搭載する6スピーカーサウンドシステムの音質はかなり向上しているのでは?と。
もちろん、新型Macbook Proはドルビーアトモスの空間オーディオにも対応しています。
ついに消えたTouch-Bar

2021年の新型Macbookでは、ついにTouch Barが廃止。アプリや作業によって姿を変える便利なやつでしたが、言ってもそれだけ。タッチタイピングの邪魔者でしかなかったので、この変更には嬉しい人もいるのでは?
マルチファンクションキーが復活し、Touch-ID(指紋認証)を搭載しています。
HDMIとThunderbolt4、ヘッドフォンジャック、SDカードスロット

Macbook Pro(2021)は豊富な端子を搭載するというのも大きなトピック。
- Thunderbolt4(USB-C) ×3
- SDカードスロット ×1
- HDMI ×1
- 3.5mmヘッドフォンジャック ×1
- 充電ポートに磁石でくっつくMagSafe3
3.5mmヘッドフォンジャックとSDカードスロット、磁石でくっつく懐かしの充電端子"Magsafe"が復活したのは最高です。
バッテリーライフ
新型Macbook Proのバッテリーライフについては以下の通り。
- 14インチ Macbook Pro
- 最大11時間のワイヤレスインターネット
- 最大17時間のApple TVアプリのムービー再生
- 70Whリチウムポリマーバッテリー
- 16インチ Macbook Pro
- 最大14時間のワイヤレスインターネット
- 最大21時間のApple TVアプリのムービー再生
- 100Whリチウムポリマーバッテリー内蔵
M1 Proを搭載する14インチMacbook ProとM1を搭載する13インチMacbook Proで比較してみるとワイヤレスインターネットで6時間の差があるので…バッテリーライフはがっつりダウンしていることは覚えておいたほうがいいかもですね。
M1 Proを選ぶか、M1 Maxを選ぶか

さらっと新型Macbookの性能や変更点についておさらいしたところで、お次は最も悩むことになるであろうSoC。チップについてです。
Touch Bar廃止で、HDMIやMagsafe3、SDカードスロットを搭載して、ディスプレイはミニLED。デザインも大きく変わった…となると物欲を刺激しすぎて困るのですが、悩むことになるのがM1 ProとM1 Maxどっちを選ぶのか?です。
- M1 Pro
- 6つの高性能コアと2つの高効率コアを搭載した8コアCPU
- 14コアGPU
- 16コアNeural Engine
- 200GB/sのメモリ帯域幅
- 最大32GBのメモリ
- 8つの高性能コアと2つの高効率コアを搭載した10コアCPU
- 16コアGPU
- 16コアNeural Engine
- 200GB/sのメモリ帯域幅
- 最大32GBのメモリ
- 6つの高性能コアと2つの高効率コアを搭載した8コアCPU
- M1 Max
- 8つの高性能コアと2つの高効率コアを搭載した10コアCPU
- 16コア/24コアGPU
- 16コアNeural Engine
- 200GB/sのメモリ帯域幅
- 最大64GBのメモリ
- 8つの高性能コアと2つの高効率コアを搭載した10コアCPU
- 32コアGPU
- 16コアNeural Engine
- 400GB/sのメモリ帯域幅
- 最大64GBのメモリ
- 8つの高性能コアと2つの高効率コアを搭載した10コアCPU
M1 Maxが最上級モデルとなりますが、CPU性能自体はM1 Proと同じで、M1 Proが8コアor10コアCPU、M1 Maxが10コアCPUのラインナップ。
こうやって見てみると、選択できるGPUコア数に違いがあることが分かりますね。すでに公開されているベンチマークスコアも見ておきましょう。
M1 Pro/M1 MaxのCPUベンチマーク
シングルスコア | マルチスコア | |
M1 Max | 1749 | 11542 |
M1 Pro | 1767 | 11777 |
M1 | 1708 | 7415 |
Geekbenchのベンチマーク結果によれば、10コアCPU/32コアGPUを搭載するM1 Maxのベンチマークはシングルスコアが1749。マルチスコアは11542。
M1チップと比較するとシングル性能は2%の微増ですが、マルチコア性能は55%も増加しています。
M1 ProとM1 MaxのCPU性能はもはや12コアIntel Xeon Wチップに迫る勢いですが、ベンチマークを見る限りM1 ProとM1 Maxのベンチマークスコアはほぼ同じ。CPUの処理性能やクロック数に違いはなさそうなので…やっぱり、M1 ProとM1 Maxは「どれくらいのグラフィック性能を必要としているのか?」で選ぶことになります。
※64GBのメモリを搭載できるのもM1 Maxのみ。
▶MacBookPro18,1 – Geekbench Browser
▶MacBookPro18,2 – Geekbench Browser
M1 ProとM1 MaxのGPUベンチマーク
Metalスコア | |
M1 Max(コア数不明) | 68870 |
16インチ Macbook Pro(Radeon Pro 5600M) | 42510 |
24コアモデルのものか、32コアモデルのものなのかは不明ですが、Geekbenchのベンチマークによると新型Macbook Proのグラフィック性能を表すMetalスコアは68870。
2019年の16インチMacbook Proと比べると6割り増し。AppleによればM1 Max(32コア)のGPU性能はM1チップと比べて4倍以上高速になっているとのことなので、この圧倒的パワーにも納得です。
M1 ProとM1 Maxはどれくらいのグラフィック性能が必要なのか、外部ディスプレイを何枚出力するかで決めると良さそう

さて、新型Macbook Proについておさらいしてみましたが、SoCを「M1 Pro」にするか「M1 Max」にするかって結構悩む人が多そうですよね。
僕の場合で言うとサイズとストレージ、メモリの容量は32GBで即決。M1 ProかM1 Maxのどっちを選ぶかで結構悩みました。
結局のところ、10コアCPUを選べばM1 ProもM1 Maxも処理性能は同じですし、どういった用途で利用するのか、どれくらいの外部ディスプレイに出力するのかが決め所になるんじゃないかなぁと。
- M1 Pro
- 最大2台の外部ディスプレイで最大6K解像度、60Hz、10億色以上対応。
- M1 Max
- 最大3台の外部ディスプレイで最大6K解像度、1台の外部ディスプレイで最大4K解像度、60Hz、10億色以上対応。
- M1 Maxを搭載する16インチ Macbook Proのみハイパワーモードを搭載。
M1 ProとM1 Maxの外部ディスプレイ出力については上記の通りですが、例えば、4k動画の編集を筆頭に高負荷のレンダリングで使用するのであればGPUのコア数はあればあるほど高速に、快適になるので、そういった用途でMacbook Proを使う人はM1 Maxを選択すると幸せになれそうですね。
ハイパワーモードを利用して最高のパフォーマンスを得たいのであれば、M1 Max搭載の16インチ Macbook Proです。

ちなみに、M1 Proも、M1 MaxもCPU性能は同じなので、外部ディスプレイは出力しても1-2台、動画編集はフルHDがメイン、レンダリング? なにそれ? って人にはM1 Maxは持て余しすぎるので、M1 Proがよさそうですね。
悩んだ結果、僕はM1 MaxのGPU性能をぐいぐい生かすことが出来なそうなので、10コアCPUのM1 Proをチョイスしましたが、ちょっとモタついてしまったせいで手元に届くのは11月3日。あぁ、早く届かないかな。新型Macbook Pro。
(M1 Proを選ぶ場合、CPUコア数は処理性能に直結するので…10コアCPUモデルがおすすめです。8コアモデルは10コアモデルと比べて性能が20%減とのこと)