Netflixのアカウント共有禁止でほかの動画サービスはどうなる?

世界では1億世帯がNetflixのアカウントを共有してるみたい。
Paid Sharing Cost(ペイド・シェアリング・コスト)……いわゆるアカウント共有の有料化をじわじわと推してるNetflixですが、これがどんどん広がっていったらほかの動画サービスでも影響あるのでは? って気になりますよね。
今のところ、ほかの競合サービス(プライムビデオやHuru、Disney+)は大きなアクションを起こしていない状態ですが、Netflixが進めようとしている「アカウント共有の有料化」についてダダっとおさらいです。
※Update 2023/2/9, アカウント共有の有料化に関する施策について、中南米地域のほか、カナダ、ニュージーランド、ポルトガル、スペインに拡大することをNetflixが発表。日本については「実施に向けての検討はしているものの、詳細は未公開」とコメントしています。日本でもアカウント共有は有料化の流れになりそう。
▶Netflixのアカウント共有について – Netflixヘルプセンター
Netflixのアカウント共有についておさらい

それじゃ、まずはNetflixが推し進めているパスワードの共有を禁止するための施策「Paid Sharing Cost(ペイド・シェアリング・コスト)」についてダダっとおさらいです。
基本的に、Netflixはサービスの利用を1世帯に限定しており、IPアドレスとデバイスのID、アカウントアクティビティを照合して「どこでNetflixを見ているか?」を判別しているのですが、Netflixのスタンダードプランまたはプレミアムプランは2台以上の同時視聴に対応しているため、多くの人がパスワードを共有して利用しています。
(世界では1億世帯以上がアカウント共有してるみたい)
Netflixからしてみればアカウントの共有は"タダ乗り"みたいなもので、こういったアカウント共有にストップをかけるための施策が「Paid Sharing Cost」と呼ばれるアカウント共有の有料化。

Netlixは兄弟や甥っ子、姪っ子のために共有してるって人も多そう。
Netflixによれば、アカウント共有の有料化は2023年初頭から広く展開するとのことで、グローバルではじわじわと始まりつつあり、おそらく、日本も含まれるかと思うのですが……今のところ具体的なアナウンスはなし。
※Update 2023/2/9, アカウント共有の有料化に関する施策について、中南米地域のほか、カナダ、ニュージーランド、ポルトガル、スペインに拡大することをNetflixが発表。日本については「実施に向けての検討はしているものの、詳細は未公開」とコメントしています。日本でもアカウント共有は有料化の流れになりそう。
Netflixは2022年の第1四半期にユーザー数が20万人減り、第2四半期には97万人ものユーザーが減少しているため、アカウント共有を有料化して収益(新規会員)を増やす狙いがあるかと思われるのですが、Netflixの今後の動きに注目です。
一緒にお住まいでない方とのNetflixの共有
お客様と一緒にお住まいでない方がNetflixを視聴するには、ご自分のアカウントが必要になります。
お客様のご世帯以外のデバイスでアカウントへのログインが行われたり、視聴が継続的に行われたりしている場合は、そのデバイスをNetflixの視聴にご使用いただく前にデバイスの確認を行っていただくか、Netflixをご利用のご世帯を切り替えていただくようお願いすることがあります。
そのアカウントが使用されているデバイスが利用資格のあるデバイスであることを確かめるために、この確認を行います。
Netflix
プライムビデオやHuruは今のところリアクション無し

さて、気になるのは「Netflixのアカウント共有禁止が推し進められるとほかの競合サービスはどうなるの?」ってところ。
今のところ、プライムビデオやHuru、Disney+といった競合サービスは大きなアクションを起こしておらず、規約の変更などは行われていません。
Huruは複数デバイスでの同時視聴を制限していますが、パスワード共有の制限はなし。プライムビデオも特に制限なし。Disney+のアカウント共有に対するスタンスは"家族なら"問題ない状態です。
ただ、ワーナー・ブラザース・ディスカバリーが所有&運営するアメリカの動画サービスHBO Maxは以前から行き過ぎたアカウント共有に警鐘を鳴らしているため、Netflixのアカウント共有が広まり、一定の成果を上げれば、ほかの競合サービスも続くかも。
日本におけるストリーミングサービスのシェア率のデータ


様々な動画ストリーミングサービスを横断して観たいコンテンツを探せるサービスJustWatchにデータをご提供頂いたのでちょこっと追記。
日本における第1四半期のシェア率はAmazon Prime Videoが1位を維持しており、2位のNetflixと1%差。3位にDisney+、4位にhuluが位置しており、Disney+とHuluも2%の僅差でシェア争いしています。
ちなみに、過去数か月間で成長をけん引していたのはAmazon Prime VideoとNetflixでそれぞれ1%の伸びがあったようです。(Disney+とdTVは-1%の低下があったみたい)
パスワード共有の施策が日本のシェアにどんな影響を与えるのか要チェックです。
どうなる、Netflix
Love is sharing a password.
— Netflix (@netflix) March 10, 2017
2017年には「Love is an addiction. Love is Sharing a password.(愛は中毒性がある。愛はパスワードをシェアすること)」と呟いていたのですが……その愛はいずこへ。
いずれにしましても、国内でもパスワード共有の施策が始まれば有料でアカウントに追加できるプラン(アメリカではすでにある)だったり、アカウント共有を受けていた人がパーソナライズされたおすすめやマイリストを引き継げる「プロフィール移行」なんかのシステムも登場すると思われるので、今しばらく様子見です。
個人的に、Disney+だけはアカウント共有の有料化に続かないでほしい…。切実に。