アップデートでPCを認識できるようになったけど、正式対応はもう少し先になりそう。
2023年2月22日に発売されたPS5向けの新型VR「PlayStation VR2(PSVR2)」は、PS5と同様のハプティックフィードバックやアダプティブトリガー、4k OLEDディスプレイ搭載で最大120Hzのリフレッシュレート、目の動きを追跡するアイトラッキングが特徴のVRヘッドセット。
すでにPSVR2は2024年内にPCへ対応予定ということがSIEより明らかにされていますが、在庫が積みあがり一時生産休止の報道もありましたし、アップデートでPCを認識できるようになったものの、依然VRデバイスとしては使えない状態みたいなので、色々と課題はありそう。
PSVR2がアップデートでPCを認識可能に。正式対応は2024年内
2024年内にPCへ対応予定であることが明かされていた「PSVR2」ですが、PS5向けに配信されたアップデート”24.02-09.00.00″にPSVR2向けのアップデートも含まれており、このアップデートによりPSVR2がPCを認識できるようになりました。
今のところはあくまでも”認識できる”ってだけで、デメリットというか…問題はPCでの使用を一切想定していないUSB Type-Cケーブル1本による接続です。
NOTE: A "VirtualLink" adapter of some kind is still required due to PSVR2 hardware design. If Sony does intend to make "official" PC drivers, they would need to provide this adapter to end-users.
— iVRy (@iVRy_VR) March 21, 2024
アップデートによりPCが認識できるようになったPSVR2ですが、USB-C(DisplayPortを使用)は12Vの電源供給が必要な仕様になっており、iVRyによれば、PSVR2のハードウェア設計により何らかのアダプターは依然として必要。
ソニーが公式にPCドライバーを作成するつもりであれば、このアダプターをエンドユーザーに提供する必要がある…としています。
#Tips |
PSVRをSteamVRと接続するソフト「iVRy Driver for SteamVR」の開発者曰く、そもそもPSVR2をPCと接続するのは難しい。PSVR2はUSB-Cの信号を暗号化し、PS5以外の機器では使用できないようになっていたのですが、今回のアップデートで制限が解除された…という認識でOKです。先代のPSVRは発売から1年後に映像信号の解析が完了し、PCで利用できるようになりました。 |
ちなみに、実際にPSVR2をUSB-CでRadeon RX6800XTに接続したRedditユーザーによれば、WindowsでもPSVR2は”PS VR2(Head-Mounted Display)”として認識されたものの、画面は表示できず、VRデバイスとしては使えなかったとのこと。
一時的に生産休止のPSVR2
Bloombergの報道によれば、PSVR2は在庫が解消するまで昨年末から生産を一時休止しているとのことで、PSVR2は組み立て済みの在庫が積みあがっている状態のようです。(これまで200万台超を生産済みらしい)
VRヘッドセットが爆発的に普及するためには、価格が高いこと、コンテンツが限られていることなど、いくつかのハードルがあることにも言及されていますが、ソニーがBloombergの問い合わせに対して回答していないため、これが事実なのかは不明。
元々PCでの使用が全く想定されていないPSVR2がこのタイミングで「PCへ対応予定!」と発表されているのを見る限り、PSVR2が立っている道は険しそうです。
スペックと仕様のまとめ
参考までに、PSVR2のスペックや仕様については以下の通り。
ディスプレイ方式 | OLED(有機EL) |
解像度 | 4,000×2,040 1眼あたり2,000×2,040 |
リフレッシュレート | 90Hz、120Hz |
レンズ感の距離 | 分離式で調整可能 |
視野角 | 約110度 |
センサー | モーションセンサー:6軸モーションセンシングシステム(3軸ジャイロ・3軸加速度) アタッチメントセンサー:IR近接センサー |
カメラ | ヘッドセットとコントローラートラッキング用の4台のカメラ(目を追跡するためのIRカメラ) |
触覚フィードバック | ヘッドセットの振動 |
PS5との接続 | USB Type-C |
オーディオ | 入力:内臓マイク 出力:ステレオヘッドフォンジャック |
発売日 | 2022年2月22日(水) |
価格 | 74,980円(税込) |
PSVR2は解像度やリフレッシュレートが前モデルから大きく向上しているため、PSVRではぼやけがちだった映像がくっきりはっきり。さらに高いリフレッシュレートのおかげで”VR酔い”も軽減されているのはメリットかなと。
PS5と同様に「ハプティックフィードバック」や「アダプティブトリガー」に対応するコントローラーや、プレイヤーの目の動きを検知する「アイトラッキング」により、プレイヤーが特定の方向をみただけでゲームキャラクターを操作することができるのもPSVR2の大きな特徴です。PSVR向けゲームとの互換性はありません。
PCでVRを遊ぶならMeta Questって選択肢があるし、どうなるPSVR2
さてさて、ここ最近はPSVR2関連の情報が多く出ている印象ですが、国内価格74,980円(税込)で販売されている「PlayStation VR2(PSVR2)」はなかなかに苦戦していることは間違いなさそうかなと。
何かしらのアダプターが登場し、PSVR2が2024年内にPCと接続できるようになったとしても、PCVRには「Meta Quest」という強大なライバルがいますし、最新のMeta Quest3は74,800円(税込)。Meta Quest2は最近値下げされて31,900円(税込)と価格的にもかなり不利。
僕はMeta Quest3を愛用していますが、性能も優れていて、PCと接続できて、スタンドアロンでも動けて、フルカラーパススルーに対応するMeta Quest3のほうが魅力的かなと思っています。
いずれにしましても、ゲーミングPCを持っていて、すでにPSVR2も持っている人にとってPSVR2がPCに対応するのは喜ばしいことですし、続報を待ちましょう。どうなる、PSVR2。