性能は?価格は?RTX 30シリーズの知っておきたいこと5つ

GPUアーキテクチャはTuringから世代が変わり、"Ampere世代"へと昇華。Nvidiaのド級スペックグラボ「RTX 30シリーズ」が9月1日に開催された公式発表イベントでお披露目されましたが、ブラザーの皆様はもうチェックしました?
RTX 30シリーズは「RTX 3090」「RTX 3080」「RTX 3070」の3種類のモデルが発表されたのですが、価格あたりの性能UPがとんでもなくて。現状下位グレードとなるRTX 3070ですらRTX 2080 Tiより性能が高いのです。(RTX 3060は未発表ですが、こいつの性能も期待大)
価格はRTX 3090が229,800円、RTX 3080が109,800円、RTX 3070が79,980円。※いずれも税別。
TwitterでASK税がトレンド入りしていることからも、世のゲーマーたちの興味が一心に向いているのは間違いないのですが、とにもかくにも、RTX 30シリーズの知っておきたいこと5つ、いきましょう。
ほんと、テクノロジーの進歩ってすごい。
①RTX 3070ですらRTX 2080 Ti超えの性能!RTX 30シリーズのド級スペック

RTX 30シリーズの知っておきたいこと1つめは"性能"なんですけど、RTX 30シリーズは性能の向上っぷりがほんと半端なくて。
Nvidiaによれば、"RTX 3070″ですらRTX 2080Tiを超える性能。"RTX 3080″はRTX 2080の2倍に匹敵する性能。
Titan RTXの後継機と呼べそうな"RTX 3090″に至っては、VRAM24GBで8k/60fps対応。こいつのみ"2-Way NVLink SLI"に対応してるので、SLIなんて組んだ日にはもう……得られる体験が想像すらできないレベルですごいのです。
RTX 30シリーズのスペックをささっとまとめると以下の通りです。※Nvidia公式HPから抜粋しているので、詳細がさらなる詳細が知りたい人はNvidia公式HPもぜひ。
RTX 3070 | RTX 3080 | RTX 3090 | RTX2080Ti | |
理論性能 | 20.31 TFLOPS | 29.77 TFLOPS | 35.58 TFLOPS | 13.45 TFLOPS |
プロセス | 8nm | 8nm | 8nm | 12nm |
CUDAコア | 5888 | 8704 | 10496 | 4352 |
クロック周波数 | 1500Mhz | 1440MHz | 1410MHz | 1350MHz |
ブーストクロック | 1730MHz | 1710Mhz | 1700MHz | 1545MHz |
VRAM | GDDR6 8GB | GDDRX 10GB | GDDRX 24GB | GDDR6 8GB |
VRAMバス | 256bit | 320bit | 384bit | 256bit |
VRAM帯域幅 | 512GB/s | 760GB/s | 945.8GB/s | 616GB/s |
ダイサイズ | 450㎟ | 627㎟ | 624㎟ | 545㎟ |
トランジスタ数 | 180億 | 280億 | 280億 | 186億 |
シェーダー数 | 5888 | 8704 | 10496 | 4352 |
演算ユニット | 184 | 272 | 328 | 272 |
Tensorコア(機械学習) | 368 | 544 | 656 | 544 |
RTコア(レイトレ用) | 136 | 136 | 164 | 68 |
PCIe | PCIe 4.0 | PCIe 4.0 | PCIe 4.0 | PCIe 3.0 |
TDP | 220W | 320W | 350W | 250W |
推奨システム電力 | 650W | 750W | 750W | 750W |
RTX 30シリーズをRTX 20シリーズの上級モデルRTX 2080 Tiと比較しつつまとめてみるとこんな感じ。RTX 30シリーズでは下位モデルにあたる"RTX 3070″のスペックがRTX 2080 Tiを上回っているのがわかりますね。
レイトレーシングを処理するためのRTコアは、RTX 2080 Tiで68個だったものがRTX 3070でも136個と大幅UP。演算性能の目安になる"テラフロップス"でいえば、RTX 2080 Tiの"13.45TFLOPS"を大幅に上回りRTX 3070で"20.31TFLOPS"。RTX 3090に関しては"35.58TFLOPS"ともう比べ物にならないほどに向上してます。
ちなみに、RTX30シリーズで"2Way NVLink SLI"に対応するのはRTX 3090のみ。RTX 3090のカード厚は3スロット占有の極太幅です。
RTX 2080 Ti超え「RTX 3070」

RTX 30シリーズでもミドルな位置づけの"RTX 3070″は、8万円程度という価格ながらもRTX 2080 Ti以上の性能を誇るグラボ。
- FP32 – 20.31 TFLOPS
- シェーダー数 – 5888
- VRAM – 8GB
- TDP – 250W
- 価格 – 79,980円
シェーダー数もRTコアも大幅に増えていますし、演算性能の目安になるFP32いえば、2080 Tiの13.45TFLOPS → 20.31TFLOPSと大きく向上しているので、Nvidiaさんのいう「RTX 2080 Tiを超える性能」ってのは間違いなさそうですよね。
このグラボが8万円ほどで買えるって……ほんとすごい。
RTX 2080の2倍の性能「RTX 3080」

次に、どちらかというとRTX 2080 Tiの後継機と言えそうな「RTX 3080」について。シェーダーユニットの数(GPUコア数)がRTX 2080 Tiの"4352″から倍ほどの"8704″に爆増えしていまして。
RTX 2080の2倍に匹敵する性能というのは数値上で見ても間違いなさそうな雰囲気。※GPUは演算機の並列計算によりグラフィックの処理を行うため、シェーダーユニットが多くなるほど性能が高くなります)
- FP32 – 29.77 TFLOPS
- シェーダー数 – 8704
- VRAM – 10GB
- TDP – 320W
- 価格 – 109,800円
RTX 2080のFP32で比較した場合、10.07 TFLOPSから29.77TFLOPSと3倍近くの性能UPを果たしてます。これは間違いなく強い。
RTX 3090はまだ倍以上高い価格なので……現実的な価格で最高性能のグラボを求めるならRTX 3080になりそうですね。
8k/60fps対応最強グラボ「RTX 3090」

歴代最高最強GPU「RTX 3090」は、Titan RTXの後継機といえるNvidiaの最新ハイエンドグラボ。
RTX 30シリーズで唯一"2-Way NVLink SLI"に対応していまして、24GBというVRAMはTitan RTXと同じ容量ですが、GDDR6Xにグレードアップし、シェーダー数は4608 → 10486と笑えるほどに増量。
4k/120FPS、8k/60FPSに対応していますし、価格あたりの性能、つまりコスパでいえばRTX 2080 Tiより遥かに優れています。
- FP32 – 35.58 TFLOPS
- シェーダー数 – 10496
- VRAM – 24GB
- TDP – 350W
- 価格 – 229,800円
演算性能の目安になるFP32でTitan RTX比較した場合、16.3TFLOPS → 35.58TFLOPSと満場一致で"最強"と呼べる性能を誇っています。(RTX 2080 TiのFP32は"13.45TFLOPS"なので、こちらと比較しても3倍近くの差。すごい)
RTX 30シリーズで唯一"NVLink SLI"に対応しているので、マネーが潤沢な大人たちはRTX 3090 SLIで最強のゲーミング環境をゲットできますよ。
②インターフェイスは"PCIe Gen4″
RTX 30シリーズは、全モデルに接続インターフェイスとして「PCIe Gen4」を採用してます。理由は、4k/120FPSや8k/60FPSで動かすとなると帯域が不足する可能性があるからですね。
それに伴い、映像出力端子も4k/120FPS,8k/60FPSに対応する「HDMI 2.1」が採用されてます。※HDMI 2.1は可変リフレッシュレート"HDMI VRR"もサポート。
③CPUの負荷を20分の1に軽減できる「RTX IO」

圧倒的にスペックアップして登場したRTX 30シリーズですが、新しく搭載された機能に「RTX IO」というものがありまして。
ざっくり説明すると、これは"ストレージアーキテクチャ"と呼ばれ、Xbox Velocityアーキテクチャなんかで使われているMicrosoftの技術「DirectStrage」をRTX30シリーズに搭載することで、本来CPUが行うことになる膨大な処理をGPUで代わりにやってやろうってもの。
ゲームの読み込みに必要なデータをPCIe経由でGPUにデータを送ることでCPUにかかる負荷を大幅に削減できるのですが、その負荷期限率がすごくて。なんと、CPUの負荷を最大で20分の1にまで減らせるそうなのです。(スループットは100倍。データを圧縮してGPUに送るので、I/O性能も2倍)
つまり何が言いたいのかといいますと……フレームレートを改善し、ロード時間がめちゃ速くなり、膨大なデータの読み込みが必要になるオープンワールドゲームもより広大な世界が速く読み込めるということ。RTX 30シリーズ、最高です。
④ASUS/MSI/GIGABYTE/ZOTACからも登場
MSIやGIGABYTE、ZOTACなど、多くのメーカーからRTX30シリーズのグラボを発売することがアナウンスされているので、こちらもささっとまとめておきますね。
ASUSからはROG STRIX RTX30シリーズが発売
ASUS ROG GeForce RTX 30シリーズラインナップのご紹介。
— ROG Japan (@ASUSROGJP) September 2, 2020
これらの新しいGPUは、新しいNVIDIA Ampereアーキテクチャのために、冷却、PCB、および電力設計を強化しています。このラインナップは、最新かつ最高の3Dゲームのパフォーマンスを提供します。#METABUFFS #UltimatePlay
ASUSからはゲーミングブランド"ROG(Republic Of Gaming)"から
- ROG-STRIX-RTX3090-24G-GAMING
- ROG-STRIX-RTX3080-10G-GAMING
- ROG-STRIX-RTX3070-8G-GAMING
上記の合計3モデルを発売することがアナウンスされています。
いずれも詳細な価格や発売については未発表ですが、従来よりも大型化したヒートシンクを搭載していまして。なかなかのサイズ感になってそうな雰囲気。ブレード数が増えた"Axial-techファン"を3基搭載するトリプルファン構成となっており、優れた冷却効率を誇ります。
▶ASUS ROG STRIX RTX30シリーズを見る – 公式HP
MSIからはRTX30シリーズが2モデル
MSI、GeForce RTX 30シリーズを搭載するグラフィックスカード計2モデル発表https://t.co/bWcdaQtVVq pic.twitter.com/8PTX9uTrKz
— エルミタージュ秋葉原 (@hermita_akiba) September 1, 2020
MSIはRTX 30シリーズ第1弾のグラボとして、トルクスファン4.0を採用して冷却性能がより高くなった「TRI FROZER2クーラー」を搭載する"GAMINGシリーズ"と、デュアルファンからトリプルファンにグレードアップした"VENTUSシリーズ"から発売することを予告していまして。
- GeForce RTX 3090 GAMING X TRIO 24G
- GeForce RTX 3080 GAMING X TRIO 10G
上記2モデルについの詳細が明かされていますが、Ventusシリーズから登場するRTX 3070については後日発表予定とのこと。いずれもバックプレートを裏面に備えるほか、GAMINGシリーズはRGBライティングにも対応します。
ZOTACはトリプルファンの「Trinity」、デュアルファンの「Twin Edge」のRTX30シリーズが登場
みんなー!アップデートだよ!
— ZOTAC日本 (@ZOTAC_JAPAN) September 2, 2020
GeForce RTX 30シリーズの特設サイトがZOTAC内にもできていたよ!
ちょっと未来を先取りできる情報が公開されているような未公開製品が….?あれ?
ZOTAC/GeForce RTX30シリーズ紹介ページ
—–https://t.co/uZ1m2Xa1Re
—– pic.twitter.com/69cf7zAb5h
ZOTACから発売されるRTX 30シリーズは今回から名称が変更され、トリプルファンモデルが「Trinity」、デュアルファンを搭載するモデルが「Twin Edge」となりまして。ここに最上級グレードとなる「AMP Extreme」が追加された3シリーズのラインナップが予告されてます。
ZOTACのRTXシリーズは、Trinityが2.5スロット、Twin-Edgeが2スロット厚と若干スリムですね。サイドとバックパネルのRGBライティングが素敵。
TrinityとTwin-Edgeは9月後半発売予定、AMO Extremeは10月発売予定とのこと。
GIGABYTE AORUS RTX 30シリーズ
AORUS GeForce RTX 30 シリーズ初公開!
— GIGABYTE Japan (@GIGABYTE_News) September 1, 2020
詳しくはこちら → https://t.co/KsBuXZo9kJhttps://t.co/81ifDJxSCX#Nvidia #GeForce #GIGABYTE #AORUS pic.twitter.com/OReh6zKBQL
GIGABYTEからは、ゲーミングブランド"AORUS"よりRTX 30シリーズのグラボが登場予定。※上記ツイートのモデルは「AORUS GeForce RTX 3090 MASTER」。
サイドファンとミドルファンを重ねることでエアフローのデッドゾーンを最小限に抑え、ヒートシンクの100%のエアフローをカバーする「MAX-Coverdクーリング」により、AAAタイトルゲームを超高解像度、最高の画質設定、高いフレームレートとレイトレーシングで楽しめるほか、GPUを利用したビデオや3Dレンダリングの時間を短縮し、作業効率を高めることができるそう。
▶GIGABYTE AORUS RTX 30シリーズを見る – 公式HP
【おまけ】Fortnite(フォートナイト)がRTXに対応
これはRTX 30シリーズとそこまで関係ないので……おまけ。今回の発表に合わせてFORTNITE(フォートナイト)が"レイトレーシング"に対応することも発表されました。
RTXシリーズのグラボを使っているプレイヤーは水面や金属の反射が超絶リアルになり、シャドウ、アンビエントオクルージョン、グローバルイルミネーションなどなど、レイトレーシングが内包する技術は軒並み利用できるようになるので、おっそろしく美しく、綺麗で、繊細な世界を楽しめる……と。
短い動画ですが、RTXでどんな風にゲーム体験が変わるのかが分かる内容となっているので、気になるブラザーは要チェック。
※フォートナイトでレイトレーシングを楽しむには“RTX 2060以上"のグラボが必要です。
⑤RTX 30シリーズの発売日と価格
最後にRTX 30シリーズの発売日と価格についておさらいしておきましょう。
ASK税がTwitterでトレンド入りしているくらいですし、国内価格が割高なのは否めないですが、"性能あたりの価格"でいえばRTX 20シリーズより遥かに優れていまして。

RTX 30シリーズの発売日と価格については以下の通りです。
発売日 | 国内価格 | 海外価格 | |
RTX 3070 | 10月 | 79,980円 | 499ドル (約5万3千円) |
RTX 3080 | 9月17日 | 109,800円 | 699ドル (約7万4千円) |
RTX 3090 | 9月24日 | 229,800円 | 1,499ドル (約16万円) |
さてさて、テンションを上げるしかない"RTX 30シリーズ"ですが、どう見ても、確実に、明らかに、RTX 20シリーズを圧倒的にに上回る性能じゃないですか? 約8万円で購入できる"RTX 3070″ですらRTX 2080 Tiを軽く超えちゃってますし、RTX 3080もRTX 2080の2倍に匹敵する性能。
RTX 3090に至っては、Titan RTXが霞んで見えるほどにモンスタースペックに仕上がってます。価格は税込み25万円となかなかにお高いですが……RTX 2080 Tiと比べれば価格あたりの性能は大幅に向上しているので、"コスパ"でいえば悪くはありませんよね。
あとはどのRTX 30シリーズを買うかなんですけど、みなさんはどれを選びます? 発売日が近いのはRTX 3080で2020年9月17日です。
Nvidia公式HPでは発売お知らせメールをくれるので、公式HPのチェックもお忘れなく! それにしても、メーカー各社からも素敵なRTX30シリーズが続々と……。僕はASUSかMSIのどちらかで考えているんですけど、ほんとどのメーカーのRTX30シリーズもかっこよくて。さてどれを選ぶか、ですね。
source:Nvidia twitch