Windows 10のクローンを作成し、HDDからSSDに換装&交換する方法

HDDより速いし、省電力だし、省スペースだし、やっぱりSSDですよね! ってことで、今回はWindows 10でHDDからSSDへ簡単に換装(交換)する方法をご紹介します。
HDDからSSDへの交換/換装は、主に “Windows 10をクリーンインストールする方法" と “Windows 10のクローンを作って交換する方法" がありますが、簡単に交換できるのは後者、Windows 10のクローンを作成して交換する方法になります。
しかも、この方法ならHDDからそっくりそのままSSDにコピーするのですぐに使える……というのもポイントですね。Windows 10のライセンス認証で苦戦する心配もありませんし、実は、方法もシンプルで簡単なんですよ。
この記事では、初めてHDDからSSDに交換するから不安……という人向けに、EaseUS Todo Backupを使ってクローンを作成し、SSDへ換装する方法を分かりやすく解説していくので、ぜひ参考にどうぞ。
※Update 2020/8/28, これまでは無料でWindows 10のクローンを作成できた “EaseUS Todo Backup" ですが、アップデートにより、有料版でしか利用できなくなりました。悲しみ。非常に使いやすく、便利なソフトだったんですけどね。2020年現在、僕はWindows 10の標準機能を利用してクローンを作成するベストな方法を模索しているので、また追記します。
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SSDってなに?HDDとの違いは?
それじゃ、まずはSSDとHDDの違いについてざっくりおさらいしておきましょう。難しいことは省きつつ、良い感じで分かりやすく解説していこうと思うので、SSDってなに? HDDとどう違うの? という人は、合わせてチェックしといてもらえれば!
(今回使うのはKingstonのSSDで容量は240GBです)
SSD(ソリッドステートトライブ)とは、HDD(ハードディスクドライブ)と同じ記憶装置(ストレージ)のことで、SSDの大きな特徴はHDDと比べて読み込み&書き込み速度が速いということ。これに尽きます。SSDは発熱が少なく、サイズもHDDと比べてコンパクトなんですよね。
PCにおいて、現在主流なストレージは……
- HDD
- SSD
- M.2 SSD(SSDよりもさらにコンパクトで爆速)
上記の3つ。あくまでも目安ですが、HDDとSSDの読み込み&書き込み速度の違いは以下の通りです。
HDDとSSDの読み込み&書き込み速度(目安)
– | 読み込み速度 | 書き込み速度 |
HDD | 150MB/s | 150MB/s |
SSD | 500MB/s | 500MB/s |
M.2 SSD | 3,200MB/s | 3,000MB/s |
上記はSSDとHDDの読み込み速度/書き込み速度の目安ですが、SSDには「M.2(エムドットツー)」という規格もありまして。
M.2の接続方式はSerialATAとPCI Expressが存在し、PCI Express接続時の最大転送速度は3,200MB/sと超高速なのです。ほんと、びっくりするくらい速い。
そのため、同じSSDでも、マザーボードが対応している場合は「M.2 SSD」を選ぶのがベターですね。少々コストは高くなりますが、得られる体験と費用対効果が高くなります。
※M.2は「NVMe」対応の製品が最速で購入時は間違えて購入してしまわないようご注意を。マザーボードの対応有無も確認しておけば間違いありません。
SSDの記録方式による違い
SSDの記録方式には、速度が速い順からSLC(シングルレベルセル)、MLC(マルチレベルセル)、TLC(トリプルレベルセル)、QLC(クアッドレベルセル)が存在し、一般的に安く購入できるのは “TLC" です。
※今回僕が使用しているkingston SSD 240GBもTLC。QLCはまだ一般的ではないですが、普及すれば最も安く購入できるSSDになるかも……?
価格はSLC > MLC > TLC > QLCの順番で安くなり、理論上は耐久性も落ちることになりますが、普通に使う分にはTLCのSSDでいんじゃないかなぁと。そもそも、普通の用途で書き込み回数の上限(寿命)まで使い切るのは難しいですし、専用ソフトで寿命の限界を知ることができるため、データの紛失リスクも少なめ。
SSDがヘタる頃には、余裕で元がとれている思っておいてOKです。
長くなっちゃうので詳細は割愛しますが、SSDの記録方式について気になる人は「MLC」や「TLC」でググってみましょう。
HDDとSSDのメリット&デメリット
– | メリット | デメリット |
HDD | 安くて大容量 故障に気づきやすい データの復旧がしやすい | 衝撃に弱い 読み込み/書き込みが遅い 消費電力が大きい 動作音がする |
SSD | 読み込み/書き込みが速い 衝撃に強い 消費電力が少ない 発熱が少ない | 価格が高い データの復旧が難しい 書き込み回数の上限がある M.2 SSDは発熱する |
HDDは機械で動いているのに対し、SSDは機械的な仕組みを搭載していないため、衝撃に強く、動作音が無いというのも大きなポイント。
HDDをSSDに交換するとWindowsの起動が速くなり、ソフト・ゲームもサクサク起動できるようになるというのが最大のメリットであり、SSDの最大恩恵ですね。
SSDに変えるだけで、いろんなことがほんと速くなります。逆に、SSDで最大のデメリットといえば、故障に気づきにくいということかなぁと。
SSDの故障診断ソフトで定期的にチェックしたり、大事なデータは外付けHDDに保存するなど、ある程度の管理、リスクヘッジは重要になります。
(HDDは故障すると異音で気づいたりしますが、SSDは突然壊れるそう。僕はまだSSDの故障は体験してないので、なんとも言えないですが、大事なデータの保管はHDDが安定です)
Windows 10でHDDからSSDに換装(交換)する方法
それでは、ここからはWindows 10でHDDをSSDに交換(換装)する方法についてご紹介していきます。全然難しくないし、サクッとできちゃうのでご安心を!
手順は大きく分けて3ステップ。「SSDをフォーマット > EaseUS Todo BackupでSSDにクローンを作成 > HDDとSSDを交換 > 完了」といった感じで、使用する機器はSATA USB 3.0 変換アダプタと交換するSSD(今回はKingston SSD 240GB)の2つだけ。
変換アダプタとSSDは様々なメーカーが出しているため、よく吟味して自分に合うものを購入しましょう。
EaseUS Todo Backupを使ってクローンを作成し、SSDに交換していくので、初めてHDDからSSDに換装するという人はぜひ参考に。
※重要!! iyusuke.netでは、Windows 10のクローン作製ソフトに “EaseUS Todo Backup" を推奨していたのですが、アップデートにより有料版のみの機能となりました。なので、これからは非推奨。クローンの作成は圧倒的に利用頻度が低いと思いますし、なぜ有料版限定の機能にしたのか謎。現状、多くのソフトはクローン作製を有料で提供しているようなので、これからはWindows 10の標準機能を推奨していくこととします。
1,PCとSSDを変換アダプタで接続し、SSDをフォーマットする
ここからはHDDとSSDを交換する方法について。まずは、SSDをSATA USB変換アダプタに取り付けてPCに接続し、SSDをフォーマットしましょう。
僕が使ってる変換アダプタはかなり前から使ってるもので、どこのメーカーの製品だったかが忘れたのですが……SATA USB変換アダプタはネジを使わないタイプが便利で取り回しが良くておすすめです。衝撃に強いとは言え、SSDを変換アダプタに取り付けるときは慎重に。
SSDを変換アダプタに取り付けてPCに接続したら、SSDを「フォーマット」していきます。
SSDをフォーマットするには「Windowsアイコン(メニューを開くところ)」を右クリックして「ディスクの管理」から。
SSDが問題なく接続できていれば「ディスクの初期化」が自動で開くと思うので、パーティションスタイルを「MBR(マスターブートレコード)」と「GPT(GUIDパーティションテーブル)」のどちらかを選択しましょう。
※この時点でSSDは「不明なディスク」になっていると思いますが、それで正常です。ご安心を。
MBRとGPTの違いについてですが、MBRで使用できる容量は最大2TBまでとなり、パーティションは4個まで。GPTは2TBを超える大容量でも使用可能でパーティションは最大128個までといった感じでおぼえておきましょう!
- MBR – 容量は最大2TB、パーティションは4個まで
- GPT – 容量は2TB以上でも使用可能で、パーティションは最大128個
GPTは新しいパーティション方式となり、Windows XP以降で対応しますが、自分のマザーボードが「BIOSブート」であればMBR、「UEFIブート」であればGPTを選ぶようにすればOKです。
最近のマザーボードであれば、ほとんどが “GPT" で問題ないかなぁと思うのですが、念のため、利用しているマザーボードのメーカーページのご確認もお忘れなく。
2-1,EaseUS Todo Backupでクローンを作成する(有料版のみ)
次は、EaseUS Todo Backup(無料)を使ってSSDにディスクのクローンを作成していくのですが、利用するにはメールアドレスの登録が必要です。事前に登録しておきましょう。
EaseUS Todo Backupを起動したら、画面左に表示されるタブから「システムクローン(Windowsの二重アイコン)」を開きましょう。※2020年現在は有料版のみの機能です。
システムクローンの画面が開いたら、ウィンドウ左下に表示される「高度なオプション」を選択し、「SSDに最適化」へチェック。
あとはクローンを作成するハードディスクにチェックを入れて「実行」すればOKですよ。めちゃ簡単。
※EaseUS Todo Backupでは、HDDでもSSDでもハードディスクと表示されますが、これは仕様です。
あとは、EaseUS Todo Backupがクローンを作成してくれるまで待つだけ。必要であれば「操作完了時にPCをシャットダウン」にチェックを入れておきましょう。
クローンが作成されるまでの時間ですが、僕の環境では2時間かかったかどうかくらい。
クローンを作成してSDDを交換する場合、Windowsのクリーンインストールよりも時間はかかるため、時間にはある程度の余裕をもって作業するのがおすすめです。
3,デスクトップPCのHDDをSSDに交換する
EaseUS Todo Backupでクローンの作製が完了したら、次はデスクトップPCのHDDをSSDに交換。
HDDの調子が悪いため、今回はSSDと入れ替えますが、もし、HDDが生きているのなら使わなくなったHDDはファイル保管用にするのがおすすめです。HDDの特性を考えると、写真や動画のバックアップ用として使うのがベストですね。
スマホで撮影した写真なんかは年月でフォルダを分けて管理すると見やすいですよ。作業する時は必ずPCの電源を切って行いましょう。
さてさて、SSDとHDDの交換方法でしたね。まずは、デスクトップPCのブラケットにSSDを取り付けましょう。
ちなみに、SSDを3.5インチベイに取り付ける場合は別途ブラケットが必要です。オウルテックの2.5インチHDD/SSD用→3.5インチ変換ブラケットがおすすめなので、PCのブラケットに付けれないかも……という人はSSDと一緒に購入しておきましょう。
最後に、HDDに接続されていたSATAケーブルとSATA電源ケーブルをSSDに接続しなおして換装(交換)は終わり! SATAケーブルは付くようにしか付かないので間違えることはないはずです。
PCが無事に起動できればHDD→SSDへの移行は終了!
参考までに、SSD換装後の読み込み&書き込み速度の比較スクショは以下の通りです。

上画像が、HDDの読み込み&書き込み速度。おっそい。

こちらが、SSD換装後の読み込み&書き込み速度。
SATA3 規格のPCであればこれくらいの速度がでますが、SATA2規格の古いPCは200MB/s程度しか出ません。200MB/s程度しか出ない……という人はマザーボードが古いので、PCの買い替えも検討してみるといいかもしれません。SATA2規格のPCというのはかなり古めと言えるので、買い替え時かもです。
Windows 10の起動に関しては、HDD時は約50秒かかっていたのが、SSD換装後は約20秒程度まで短縮されると思います。ゲームも即起動できますよ。
SSDの容量は最低でも240GB以上がおすすめ!ベストバイはSamsung SSD 860EVO
今回は、Kingston SSD 240GB TLC A400を使いましたが、僕がKingstonのSSDを選んだ理由はデザインが最高に好きだから! いいですよね。あの顔。程よく主張してくるデザインもGoodですし、コスパも良き。
実際のところ、Kingston SSD 240GB(A400)の読み込みは最大500MB/s、書き込みは最大350MB/sとなっており、読み込み550MB/s、書き込み520MB/sのSamsung SSD 250GB 860EVOの方が性能では上です。
SamsungのSSDとKingstonのSSDは、価格が1,000円~2,000円ほどしか変わらないため、少しでも快適な速度を体験したい!というのであればSamsungのSSDがおすすめです。まさにベストバイ。
容量は最低でも240GB、500GB/1TBくらいが使いやすくておすすめなんですけど、あとは予算と相談して購入しましょう。HDDからSSDへの換装はクローンを作成すれば簡単で、しかも難しくないので、起動や読み込みを速くしたい!という人はお試しあれ。