今回は、シリーズ初のオープンフィールド×アクション×ポケモンという新体験が話題の「ポケモンレジェンズアルセウス」についてのプレイレポ&レビューです。
全世界初週売り上げが650万本を突破し、Nintendo Switchで発売されたポケモンでは過去最高に売れている本作ですが、広大なフィールド、そこで生きるポケモンたち、太古のシンオウ地方を舞台としたストーリー、やり込み要素などなど、とにかく楽しめる要素は満載。
ただ、ポケモンレジェンズアルセウスはバトルのテンポが速すぎ(ダメージ受けすぎ)たり、メニューのUIが使いにくかったり、単調ではないけど少々煩わしく感じるサブクエだったり、全く新しいポケモンだからこその”あと一歩感”があったかなぁと。
なので……これからポケモンレジェンズアルセウスを遊んでみようかな? って人のためにどんなところが面白いのか、どういった楽しみ方ができるのか、どこが微妙なのか、ネタバレに気を使いつつ、さくっとレビューをお届けしていこうと思うので、ぜひ参考にどうぞ。
とりあえず言いたいことは1つだけ。ポケモン好きならとにかく楽しめるし、面白いから、少しでも気になってるなら遊んでみるといいかも。
ポケモンレジェンズアルセウスをレビュー、面白い&楽しめたところは?
それでは、早速ポケモンレジェンズアルセウスのプレイレポとレビューといきましょう。
ポケモンレジェンズは2022年1月28日に発売されたポケモンシリーズ最新作。ソード・シールドの「ワイルドエリア」が大きく拡張されたかのようなオープンフィールドかつアクションが織り交ぜられたシリーズ初となるオープンフィールドアクションRPGであり、ポケモン本編ではなくどちらかというと外伝ですね。
ポケモンレジェンズアルセウスは、いわゆる異世界転生系なストーリーになっていまして。
ざっくり要約すると、とある理由により別の世界(ポケモンと協力し共存する時代)からやってきた主人公がギンガ団に入団後、ヒスイ地方の異変に巻き込まれ、事件の解決&アルセウスとの邂逅を果たすために奔走する……といったお話です。
これまでのポケモンシリーズと同様に図鑑完成が1つの目的となるのですが、ポケモンレジェンズアルセウスはストーリーの没入感もすごくて。続きが気になってどんどん進めちゃうイメージ。
本作では「コトブキムラ」を拠点に太古のシンオウ地方(ヒスイ地方)を冒険するのですが、純白の凍土に黒曜の原野、テンガン山といった感じでマップはいくつかのエリアに分かれており、コトブキムラとエリアを行き来してストーリーを進めたり、ポケモンを捕まえたり、レベル上げやお金稼ぎしたり…..といった感じでゲームは進行していきます。
空を飛んだり、海を移動したり、陸を早く移動したり、広大なヒスイ地方の探索も「ポケモンライド」のおかげでノーストレス。
各エリア(フィールド)にはモンスターボールの原料となるぼんぐりのみやたまいし、クスリソウといったクラフト素材が点在しているほか、様々なポケモンが生息しているのですが、日本らしく感じるデザインや表現が素敵なのでついつい寄り道してスクショを撮りがち。
テレビの大画面で見るとピクセルのシャギシャギ感があるのですが、Nintendo Switch 有機ELモデルの携帯モードでプレイしていた僕としてはグラフィックも申し分なし。
遠くのポケモンの動きがカクついたり、遠景がしょぼかったり、ポケモンレジェンズアルセウスをグラフィック面で見てみると気になるところもありましたが、空に森、海といった自然にポケモンたち。総じて表現が美しいので気になることは無いんじゃないかなと。
どこか”ポケモンスナップ”のような趣を感じるというか…とにかくスクショ撮りがち。ポケモンレジェンズアルセウスはZLボタンで注目することで一人称画面のように見ることができますし、ポケモンと触れ合うこともできます。これまでのポケモンシリーズになかった楽しみ方もできるんですよね。
地味に登場キャラクターの表情が豊かになったというのも本作の特徴の1つです。もう一人の主人公(ショウ)がくせになりそうなジト目で見てきたり、主人公があんぐり顔で驚いたり、過去作と比べて表情豊かになっていました。
それと…綺麗なグラフィックで描かれる生き生きしたポケモンたちはやっぱり可愛い。
もちものなし&特性なしでバトルは物足りない
さて、ポケモンレジェンズアルセウスの「ポケモンバトル」についてですが、こちらは過去作から様々な仕様変更がありまして。良い悪いはひとまず置いておいて……バトル体験についてはまずまずといった感じ。
今作では「特性」と「持ち物」が廃止。威力が落ちる代わりに行動が速くなる「早業」、行動が遅くなる代わりに威力と命中率が上がる「力技」が追加され、「行動順」の要素が追加されたのですが、シリーズをがっつりプレイしてきたプレイヤーからするともっとポケモンらしいバトルがしたかったなぁと。友達との通信対戦も全力で遊びたかった……というのが本音。
ダメージの計算式も変更されたのか、お互いに攻撃でやたらダメージを食らいますし、お互いに一撃か二激で倒す→倒されるを繰り返していくようなバトルでした。
特性と持ち物の廃止については、おそらく「シームレスなバトルに移行 → 特性や持ち物でバトルが長くなる → テンポが遅い」となることを防ぐため、そして新規で始める人も入りやすいように廃止されたのかと思うのですが、やっぱりもう少し戦略性というか、このポケモンにはこの持ち物を持たせて、この特性ならこの技を覚えさせて、みたいなものも欲しかったかなぁと。
(眠り状態が確立で行動不可になったり、こおり状態はしもやけ状態に変わって定数ダメージを受けるようになったり、バトル面でもちょこちょこ変更がありました。今作は麻痺が強い)
バトル面では少々不満を感じることがあったものの……ポケモンの技のエフェクトは派手でかなり豪華。ほんと出す技すべてがかっこいいのです。(はかいこうせんも懐かしの音が復活してます。Good)
それともうひとつ。ポケモンレジェンズアルセウスがこれまでのポケモンと大きく違うのは、プレイヤーの”プレイスキル”も重要になるってところですね。
しまキング&しまクイーンとの戦闘では攻撃をタイミングよく回避したり、隙を付いてしずめだまを投げたり、ちょっとした駆け引きが楽しめるのですが、しまキング&しまクイーン戦(アルセウス戦や伝説ポケモン戦も)は息を付く間もないほど集中するくらい面白い。
もちろんどのバトルも一筋縄ではいかなくて。たびたび猛攻を食らって苦戦することもあるのですが、この特別な戦闘があるおかげで単調にならず、最後まで緊張感をもってゲームを進められたかなぁと。
ちょくちょく「どうやって避けんねん…」的な場面もありましたし、アクションゲームが苦手な人は苦戦することもあるかもですが、ゲージを減らしたところからリスタートできるので、さくさく進められるはずです。
※最後の最後のアルセウス戦を除く。あれはガチ。
これまでになかった感情「ポケモンは怖い生き物」
ポケモンレジェンズアルセウスの世界では「ポケモンは怖い生き物」というのが共通認識。
手持ちのポケモンが育ってくると「あぁオヤブンか」くらいの気持ちでさくっと捕まえたり、倒せるようになるのですが、ポケモンのレベルが低い序盤に出会うオヤブンポケモンは脅威でしかありません。目を赤く光らせて追いかけてくる姿はひたすらに怖い。
大きな体躯で追いかけてくるカビゴンや、沼から”はかいこうせん”をぶっ放してくるカバルドン、パラスを引き連れてプレイヤーを囲い込むパラセクト……ポケモンレジェンズアルセウスでは大人しくて可愛いポケモンたちもいますが、攻撃的なポケモンもいるので、これまでに見ることがなかったポケモンの姿というか、本来の”生き物”としてのポケモンを見れるというのも魅力。
僕はシンプルにすごい速さで距離を詰めてくる「オヤブンエルレイド Lv:70」が恐怖でしかなかったですが、ここまでリアルにポケモンの”やばさ”を感じられるのはポケモンレジェンズアルセウスだけ。
色違いの出現率がすごい
別記事で紹介しているのですが、ポケモンレジェンズアルセウスは圧倒的に色違いが出やすい。これがとにかく最高。
本作には同じポケモンが1か所にまとまって出現する「大量発生」というシステムがあるのですが、この大量発生時に厳選するだけで色違いの出現確率1/4096 → 1/158です。ソード・シールドやスカーレット・バイオレットの期間限定イベントを除き、シリーズ屈指に色違いポケモンを入手しやすい。
ポケモンレジェンズアルセウスはポケモンホームの対応も発表されていますし、色違いポケモンを厳選するならポケモンレジェンズアルセウスで決まり。
#大量発生で色違いを厳選する方法(大量発生時の出現確率はシリーズ屈指の1/158!)
この時代に存在しないはずのポリゴン、見覚えのあるあの人。色々と考察するのも面白い
ポケモンレジェンズアルセウスでは、時空の歪みで本来この時代に存在しないはずのポケモン「ポリゴン」「ポリゴン2」「ポリゴンZ」が出現します。
突然目の前に現れて、え? ポリゴン? って思った人も多いかと思いますが、ヒスイ図鑑に記載されている情報は以下の通り。
- ポリゴン
- 心音 聞こえず 呼吸の気配すら 窺えぬが 活動に 支障なき様子。奇天烈すぎるゆえ 皆目 見当つかず。
- ポリゴン2
- 奇天烈な 道具により 進化せし姿。仕草の種類 増え 表情 豊かになる。されど 生態は 未だ 解明 叶わず。
- ポリゴンZ
- 奇天烈な 道具により 更に 進化す。攻撃力の向上 大幅なれど 比例して 不可思議な 所作 増え 心配なり。
図鑑を完成させてもポリゴンについては、そのすべてが理解できない状態のようで、ポリゴンZについては不可思議な動きが増えてもはや心配されているんですよね。
ポリゴンは20年前に科学の力で生み出された人口ポケモンなので生態が解明できないのは当然なのですが……おそらく、ポリゴンも主人公と同じく時空の歪みで別の世界からやって来たんだなと。
ブラック・ホワイトのバトルサブウェイで登場した”あの人”も同じ理由ですね。
グレッグルの伏線が回収されたり、過去作で登場したキャラクターの先祖がいたり、ポケモンレジェンズアルセウスには色々な小ネタが仕込まれていて、ポケモンシリーズファンにはそういったところを探すのも面白い。
裏ボス&アルセウス戦の難易度は高めでダイパを遊んだ人にはアツい演出も
ディアルガ&パルキア戦をラスボスとするなら、ポケモンレジェンズアルセウスではこの後に裏ボスと戦い、そしてヒスイ地方のポケモンをすべて捕まえた後に「アルセウス」と戦うことになるのですが、この裏ボス&アルセウス戦の難易度が高めで。
裏ボスは予想外の連戦(ポケモン6匹+ギラティナ+ギラティナオリジンフォルム)でバトル的な意味での難しさ。アルセウス戦は猛攻を回避して、しずめだまを投げて……といった感じでアクション的な難しさが半端なくて。裏ボス&アルセウス戦の緊張感は最高に楽しめました。
ちなみに、裏ボス戦ではダイヤモンド・パール(ダイパリメイク)をプレイしたなら間違いなくテンションの上がる、ポケモンファンなら絶対知ってる音楽が流れるのですが、これがまたいい感じにアレンジが加えられており、これを聴くだけでもポケモンレジェンズアルセウスをプレイしていてよかったと思えるはずです。
オリジナルのダイヤモンド・パールでは、アルセウスと出会うためのイベントが没になりましたが、ゲームフリークの増田さん曰く「開発当初は配布予定だったが、仕組みを理解するのが難しくプレイヤーを混乱させる可能性があった」とのこと。
15年以上の時を経て正規イベントが復活したアルセウスですが、冗談抜きでアルセウス戦は10回くらいやり直したので「最強のポケモンを捕まえるのは簡単じゃないんだよ?」とゲーフリさんに教えられた気持ちです。
ポケモンレジェンズアルセウスでは、アルセウスにレジェンドプレートを使用することで「さばきのつぶて」が相手の効果抜群になるタイプに変化するのですが、アルセウスの高い種族値と相まってとにかく強い。もはや全クリ後の公式チート。
ポケモンレジェンズアルセウスをプレイするなら、ぜひヒスイ図鑑を完成させてアルセウスとの邂逅を果たしましょう。
道のりは長いけど、今となっては、公式ルートでアルセウスを入手できるのはポケモンレジェンズアルセウスだけですよ、ブラザー。
ポケモンレジェンズアルセウスの概要
タイトル | Pokémon LEGENDS アルセウス |
開発 | 株式会社ゲームフリーク |
発売 | 株式会社ポケモン |
発売日 | 2022年1月28日(金) |
希望小売価格 | 6,578円(税込) |
対応機種 | Nintendo Swtich |
ジャンル | アクションRPG |
プレイ人数 | 1人 |
通信機能 | ローカル通信対応 インターネット通信対応 |
ダウンロードに必要な空き容量 | 7GB以上 |
ポケモンレジェンズアルセウスのレビューまとめ!どんな人におすすめ?
さて、僕のポケモンレジェンズアルセウスのレビューとプレイレポは以上。良いところも悪いところも含めて次の最新作が待ち遠しくなるゲーム。
ストーリーも面白いですし、過去作との繋がりも感じられます。初めて感じるポケモンに対する恐怖感と「あ、やばい(次に瞬間目の前が真っ暗)」という感情。
ヒスイ地方でしか出会えないポケモンや色違いの出やすさから、ソード・シールドをプレイしている人にも外せない1本かなぁと思います。
最後に僕のレビューとプレイレポをまとめておきます。
良いところ
- オープンフィールド×アクション×ポケモン。
- 広大なフィールドで素材を集めたり、ポケモンを捕まえたり、レベル上げできる探索が面白い。
- 空を飛んだり、海を移動したり、崖を上ったり、ポケモンライドで移動は快適。
- 綺麗なグラフィックと生き生きとしたポケモンたち。
- ポケモンシリーズ初の自分でできるクラフト要素。
- シームレスなバトルへの移行やその場での捕獲といったテンポの良さ。
- 色違いの出現率がすごい!
- ストーリーが楽しい&裏ボス戦が胸アツ。
悪いところ
- 遠景のグラフィックがしょぼく感じるところがある。
- バトルシステムはもう少し本編のポケモンらしさが欲しかったかも(とくせいとか、持ち物とか)
- 通信対戦が存在せず、通信交換だけ。
- 単調ではないものの、単調に感じさせないために煩わしくなってしまったサブクエ。
- 特に…アルセウスに会うため(図鑑完成)に各フィールドに散らばった”ともしび”を107個揃えないといけないのはつらかった。
- UIが使いにくいかも。
ストーリー重視。探索したり、やり込み要素をコツコツと遊びたい人におすすめ
オープンフィールド×アクション×ポケモンという新しさから、ポケモン好きでも合う人と合わない人がいるかもしれない「ポケモンレジェンズアルセウス」ですが僕が思うおすすめできそうな人は以下の通り。
- ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルドみたいなゲームが好きで移動も含めて探索を楽しめる人。
- ポケモンの捕獲を繰り返すことになるので、Let’s Go! ピカチュウ・イーブイやポケモンスナップを楽しめた人。
- とにかくポケモンが好きでストーリー重視!(ポケモンレジェンズアルセウスはストーリーがほんと面白い)
逆に、ポケモンを捕まえて、報告して、捕まえて、報告して…といった図鑑埋めを作業と感じてしまう人はアルセウスと出会うまでに疲れてしまうかもしれません。
テキストが漢字主体であること、オヤブンポケモンが普通に怖い(ホラー的な意味ではなくて野生的な)こと、そしてアクション性な難しさから本作のターゲットはどちらかというと大人であり、小さな子供向けではないので、この辺りも注意が必要かもですね。
個人的に、ポケモンレジェンズアルセウスはソード・シールドを初めて遊んだ時くらいにのめり込んでハマっているので、少しでも気になっているならぜひ触れてみてほしいかなと思います。
良いところだけではなくて、惜しいところもあるけど、それだけ次の最新作が待ち遠しくなります。もう次の最新作が楽しみなのって控えめに言ってやばい。