気になるところもあるけど、概ね”神ゲー”。
ポケモン スカーレット・バイオレットは第9世代となるポケモン最新作。ポケモン×オープンワールドの体験は超新鮮で、育成要素が緩和されたおかげで初心者でも遊びやすいですし、個人的な評価は普通に”神ゲー”かなと。
どちらかというと、ポケモンSVはオープンワールドやバグ、パフォーマンスどうのこうのよりも金策がつらかったり、テラピースが集まらなかったり、ボックスのUIが微妙だったり、僕はシステム的なところに不満がありました。(このあたりは更新やDLCで解決済み)
ポケモンSVについては語りたいことがありすぎですが、なるべくネタバレを避けつつレビューしていこうと思うので、ぜひ参考にどうぞ。
メディアの評価が微妙な「ポケモンSV」のレビュー。普通に神ゲーだから買うべき
ポケモンSVは、シリーズで初めて”オープンワールド×ポケモン”を実現したゲームタイトル。
だからこそのバグだったり、不安定な挙動だったりが話題になっているのですが、新要素「テラスタル」に新ポケモン、個性的なキャラクター、シリーズ随一の深いストーリーなどなど、物語に引き込まれ、ポケモンの世界に没入して楽しめるところも盛りだくさん。
過去作は基本的に1本道のストーリーだったのですが、ポケモンSVは8人のジムリーダーを倒してチャンピオンを目指す「チャンピオンロード」、4匹のヌシを倒し秘伝スパイスを探す「レジェンドルート」、スター団を倒す「スターダスト☆ストリート」の3つのルートから自分の好きな順番で攻略することができます。
僕ががっつりプレイしてきて感じたポケモンSVの良いところ、悪いところにフォーカスを当ててご紹介していこうと思うので、ぜひ参考にどうぞ。
ポケモンSVの良かったところ
ポケモンSVは物語の始まりからオープンワールドな世界になっているので、ゲーム開始から笑顔が止まらなかった……というのは言うまでもないですが、3つのルート「チャンピオンロード」「レジェンドルート」「スターダスト☆ストリート」が用意されているのでボリュームもすごくて。
時間を忘れてプレイしちゃうくらいに楽しめること間違いなし。まずはポケモンSVの良いところから見ていきましょう。
オープンワールドな世界は新鮮で楽しい
メディアのレビューやレビュー集積サイトであまりよろしくない評価になっているポケモンSVの「オープンワールド」ですが、個人的に”ポケモン×オープンワールド”でここまで楽しめるのは最高。
確かに、「オープンワールド」として評価すると殺風景な場所が多かったり、探索してみたくなるような場所が少なかったり、気になるところもちらほらありますが、ちゃんとポケモン×オープンワールド。
ポケモンたちはこの世界でちゃんと生きているし、行きたいところは”ほぼ”どこへでも行けます。
ミライドン&コライドンのライドを解放していないと行けない場所もあるし、ジムリーダーや野生ポケモンのレベルも固定されているため、”自由に進められる”ってなるとちょっと違いますが、色々と試行錯誤しつつ、強いポケモンが出現する地域に進んじゃって苦戦したり……っていうのは新鮮で楽しいです。
ハッコウシティのジムリーダー「ナンジャモ」のほか、ポケモンSVは魅力的なキャラクターも多い。
グラフィックは普通に綺麗
それと、ポケモンSVはグラフィックが微妙…みたいなレビューや評価をちょこちょこ見かけますが、普通に綺麗。5年前に発売された任天堂スイッチの性能でこれだけやってくれたら十分すごいです。
多種多様なポケモンがオープンワールドな世界でちゃんと動いて、生きていて、待機モーションもあって、それでいて光の処理や質感の表現もしっかり工夫されていて。
ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルドなんかのオープンワールドゲームとは求められる要素が全く違うので、そもそも比較する意味が分かりません。
ポケモンSVのストーリーは最高
ポケモンSVでは、3つのルートにそれぞれのストーリーがしっかり作り込まれていて、「チャンピオンロード」ではチャンピオンになるまでの物語を。
「レジェンドルート」では”とある理由”のため、ペパーを手伝いながら秘伝スパイスを揃え、パルデアの大穴(エリア・ゼロ)に繋がる物語を。
「スターダスト☆ストリート」では、スター団が出来た理由、抱える問題、スター団の行きつく先まで語られます。
スター団とのバトルでは3匹のポケモンを”レッツゴー”して戦う専用バトルが用意されていて、スター団の幹部(全部で4人)と戦うことになるのですが、スター団の幹部はレベル高くて苦戦した。
レッツゴーとは、先頭のポケモンを繰り出して野生のポケモンを倒したり、アイテムを取ってきてもらえるポケモンSVの新要素。スター団とのバトルでは3匹のポケモンを繰り出して戦う専用のバトルが用意されています。
パルデアの大穴(エリア・ゼロ)からの物語がすごい
ネタバレになるため、全部語れないのが惜しいですが…ポケモンSVは物語が終盤に向かうにつれガラッと変わり、少々シリアスな雰囲気になります。
これまでのポケモンとはまた少し違う、悲しさがあり、寂しさもあり、愛もあり、友情もあり。ポケモンSVはストーリーがすごい。
テラスタルめっちゃ楽しい
メガシンカやダイマックスに代わるポケモンSVの新要素「テラスタル」ですが、ポケモンSVはこの新要素がもうめっちゃ楽しい。
ソード・シールドの「ダイマックス」のように戦闘中に1度だけ使えるシステムなのですが、例えば、カイリューでテラスタルした場合は「ドラゴン・ひこう」→「はがね」みたいにタイプがガラッと変わるため、対戦での読み合いがさらに深くなっています。
すべてのポケモンが全タイプにテラスタルできるため、どのタイプにテラスタルするか分からないっていう。
カイリューやボーマンダは弱点タイプに優位になれる”はがね”、バンギラスは4倍弱点を透かせる”ゴースト”みたいな感じである程度の傾向はありますが、元のタイプと同じテラスタイプだとタイプ一致が1.5倍→2倍になるため、弱点に強いテラスタイプかと思いきや、タイプ一致のテラスタイプが出てきたり…ほんとに読めません。
※ポケモンSVでは、テラスタル後のタイプを”テラスタイプ”と呼びます。
テラスタルに関連する要素として「テラレイドバトル」があるのですが、これもなかなかに深くて楽しめる要素になっていて、☆5~☆7くらいになってくるとちゃんと育成したポケモンじゃないと苦戦する絶妙な難易度になっています。
(☆5以降のテラレイドバトルではけいけんアメや特性パッチ、秘伝スパイスがドロップするので報酬も嬉しい)
マルチプレイでは、友達と協力してレイドバトルに参加することもできるので、一緒に遊ぶと盛り上がれること間違いなしです。
ポケモンの育成が簡単になった
ポケモンSVでは、ポケモンの育成に関する要素がすべてお金で解決できるようになっており、ポケモンの育成自体はお金があればめっちゃ簡単です。
- ぎんのおうかん(20,000円)
- とっくんして個体値を最高にできる
- Lv50で使用できるようになった
- ラッキーズで購入可能
- せいかくミント(20,000円)
- せいかく補正を変更できる
- ジムバッジ6個入手後、ラッキーズで購入可能
- 栄養ドリンク(10,000円)
- 1つにつき対応する努力値を10振れるアイテム
- ラッキーズで購入可能
- ポイントアップ(10,000円)
- 技のPPを上げられる
- ラッキーズで購入可能
- パワー系アイテム(10,000円)
- +8の補正が乗る努力値振りに必須なアイテム
- デリバードポーチで購入可能
- 最初から解放されてるので序盤から努力値振りできる
パワー系アイテムも序盤から購入できるので、王道の野生ポケモンでの努力値振りも問題なし。
特性を変更できる「とくせいカプセル」もラッキーズで100,000円で購入することもできますが、こちらはテラレイドバトルでめっちゃ入手できます。
(夢特性に変更できる”特性パッチ”はレアだけど、☆6レイドで意外と手に入る)
色違いポケモンと出会いやすい
色違い厨な僕としては、ポケモンSVの色違いの出会いやすさ、捕まえやすさは随一に良いところ。色違いブイズパーティも過去作と比べてはるかに簡単に揃えられます。
色違いの出現確率で言えば、ポケモンSVは最大で”1/512″。
最大1/216の確率で色違いが出現したポケモンレジェンズアルセウスのほうが良いんじゃない? ってなるかもですが、ポケモンSVはピクニックや町の出入りで周囲のポケモンをリポップできるため、びっくりするくらい効率よく色違い厳選できます。
パルデア図鑑を完成させて「ひかるおまもり」を入手し、大量発生やサンドウィッチの効果を活用すれば簡単に色違いポケモンと出会えるので、これもポケモンSVの良いところですね。
ポケモンSVは色違いポケモン探してるだけで、もうほんと楽しい。
ポケモンSVの悪いところ
ここからはポケモンSVの「微妙かも…」と思ったところについて。
ポケモンSVは発売後すぐにいくつかのバグやパフォーマンスの低下が指摘されていましたが、個人的にバグやパフォーマンスについて気になったところはそんなに多くなくて。
(時々起こるおかしな挙動…というか物理演算のイタズラは”それ”込みで楽しんでる節あります)
どちらかというとシステム的なところに不満があったので、そのあたりについてご紹介していきます。
パフォーマンスが悪い時もある
いろんなところで言われている「パフォーマンス」の低下ですが、これはちょこちょこ感じるところがあります。
例えば、雨が降った時なんかは動作が重くなりがちで、「あ、今フレームレート落ちてんなぁ」って感じることもちらほら。
一般的に、ゲームでは遠距離の描写などを簡略化してパフォーマンスを改善するテクニックを用いることが多いですが、ポケモンSVはこれも結構目立つかなと。街中だと、見切れるNPCのほとんどが簡略されてカクカク動いてるイメージ。
とはいえ、ゲームを投げ出したくなるほどのものではなくて。少なくとも、僕はポケモンSVのパフォーマンスがそこまで悪いと思っていません。
フォトモードはいまいち
ポケモンSVには「カメラ機能」が用意されていて、自撮りしたり、フィルターをかけたりすることができるのですが、画角や高さの調整はできません。
良い写真撮りたいなぁって思っても”ほぼ”同じ角度でしか撮影できないので……もうちょっとカメラ機能に自由度が欲しい。
せめて高さの調整ができればよかったのですが、アップデートやDLCでも改善されることはありませんでした。
金策がしんどい
現状、ポケモンSVは”金策”が結構つらめ。
今作はポケモンの個体値や性格、努力値振りがすべてお金で解決できるようになっているのですが、そのための金策が大変です。
エンディングクリア後の「学校最強大会」が過去作の四天王周回的な立ち位置にあるのですが、連射コントローラーを使った放置金策がおすすめされちゃうくらいに金策が少ないです。
学校最強大会を1週するのに必要な時間は10分くらい。1週で12万円手に入りますが、ポケモンをお金だけで育成しようとした場合はおうかん5個(10万)+せいかくミント(2万)+努力値アイテム(50万)でざっくり62万円必要なので……結構大変。
テラレイドバトルでドロップする「しんじゅ」や「きんのたま」「すいせいのかけら」を集めて売るのもありですが、いずれにしてもまとめて稼ごうと思うと時間がかかるかなと。
あと、ボックスが使にくかったり、テラピースが全然集まらなかったり、そのほかにも気になるところはあったのですが、これはアップデートで改善されました。
ポケルスが廃止された
これは別に微妙なところってわけではないですが、ポケモンSVでは「ポケルス」が廃止されました。(シリーズお馴染みの要素だっただけに悲しい気持ちも)
ポケルスが廃止された結果、ポケモンSVで野生のポケモン(努力値+1)を倒して努力値を振る場合は28匹倒す必要があるので、過去作を遊んでいると、28匹倒すのがどうしても面倒に感じてしまうかなぁと。
ポケルスとは、感染すると野生のポケモンを倒して得られる努力値が2倍になるシリーズお馴染み要素。パワー系アイテムと効果が重複し、過去作ではポケルス+パワー系アイテムの組み合わせで、努力値+1のポケモンを1匹倒すと”+18の努力値”を振ることができました。
14匹倒せば1つのステータスの努力値振りが終わったあの頃。
あと、過去作では努力値をリセットする方法があったのですが、ポケモンSVでは今のところ”きのみ”とDLCで追加された”もち”による努力値下げのみ。
着替え要素が基本制服だけ
ポケモンSVは見た目の自由度がめっちゃ高くて。
男/女の概念もなくなったため、いつでも自由に見た目を変えることができるほか、帽子やカバン、靴、手袋やアクセサリーも豊富で様々な組み合わせを楽しめるというのは素敵ポイント。
髪型だけは美容室で変更する必要がありますが、フィールドで「方向キー:左」を押すことでいつでも服装や外観を変更できます。
ただ…制服だけはどうしても変えられなくて、「アカデミーに通う生徒」という設定上仕方ないかもですが、春/夏/秋/冬の制服しか選ぶことができないので、制服以外の服も欲しかったかも。
ポケモンSVのレビュー&評価まとめ!マルチでも一人でも遊べる神ゲー
最後に「ポケットモンスター スカーレット・バイオレット」のレビューと評価をまとめておきます。
詳細はネタバレになるので語れないですが……パルデアの大穴(エリア・ゼロ)に到達してからのテンションはぶちアゲ。パフォーマンスや金策など、現状だと気になるところもちょこちょこありますが、おおむね大満足。
ポケモンSV レビュー&評価
良いところ
- ポケモン×オープンワールドはほんとに楽しい
- 素晴らしいストーリーと魅力的なキャラ
- 新要素「テラスタル」が深い
- 新ポケモンはどれも個性的でそれぞれ強い
- 育成がめっちゃ簡単になった
- 色違いと出会いやすい
悪いところ
- オープンワールドゲームとして評価すると微妙なところも
- パフォーマンスはもう一声
- 金策がしんどい
- テラピース集まりにくい
- ボックスのUIが微妙
評価
ストーリー | グラフィック | パフォーマンス | UI | やりこみ度 |
S | A | B | B | S |
総合評価 | S |
僕のポケットモンスター スカーレット・バイオレットのレビューをダダっとまとめるとこんなところ。
金策や育成要素、ボックス関連のUIなど、基本的に、僕が微妙だなぁと感じたところは更新データやDLCで解決してくれそうなところばかりだったので、そのあたりを考慮しても普通に楽しめるポケモンなんじゃないかなぁと思います。
確かに、オープンワールドゲームとして評価すると大手のメディアやレビューサイトで言われているように微妙な評価に落ち着くかもですが、ポケモンSVは第9世代のポケモン完全新作です。
数多あるオープンワールドゲームとはそもそも違います。
全く新しいポケモンに物語、登場キャラクター、オープンワールドの世界、簡単になった育成要素。
ポケモンSVは「初心者にも遊びやすくなったポケモン」とも評価できるので、ポケモンSV買おうかどうか迷ってる…って人は、ぜひ手に取って遊んでみてほしいかなと。
どこから進めようか、どんなポケモンを育てようか、一度遊んでみるとポケモンSVの魅力にどっぷりハマること間違いなしです。
色々気になるところもあるけど、それらを上回った結果”神ゲー”。