繊細で鮮やかな色表現と黒の表示に優れる有機ELディスプレイを搭載し、6.2インチ → 7インチに大型化したディスプレイ、改良されたスタンド、音質が向上したスピーカー。
性能こそ向上していないものの、確実にブラッシュアップされた新型任天堂スイッチ「Nintendo Switch(有機ELモデル)」ですが、なんとか初回の予約で購入することができたので、じっくりレビューをお届けです。
新型任天堂スイッチについてなによりも伝えておきたいことは1つ。大きくて綺麗な画面でゲームが遊べるってやっぱり素敵。
Nintendo Switch(有機EL)モデルは2021年10月8日より発売中で、定価は37,980円(税込)。全国のゲーム取扱店とAmazon、楽天などのオンラインショップで購入可能です。
※Update 2024/2/14, 性能が向上したモデルの噂がちらほら出てきていますが…改めて発売から3年間使用したうえでのレビューを追記。かなりヘビーに遊んでますが、3年間で一度も壊れていないので間違いなく耐久性は上がってるかなと。2024年内の発売が期待されている新型任天堂スイッチについては以下の記事もあわせてどうぞ。
#新型任天堂スイッチのスペックや機能をおさらい。グラフィック性能はPS4と同等で発売日は2024年内?
任天堂スイッチ(有機ELモデル)の3年使用レビュー。大きくて綺麗な画面が最大のメリット
それでは、早速新型任天堂スイッチ「Nintendo Switch(有機ELモデル)」のレビューといきましょう。僕が3年前に購入したのはAmazon限定の様々なアクセサリーがセットになったモデルでカラーはホワイト。
- 任天堂スイッチ(有機ELモデル)本体
- 画面保護フィルム
- ACTIVE BODY (ケース)
- CARD POD (ゲームソフトケース)
- Amazon限定 マイクロファイバークロス
セット内容は上記の通りで価格は43,436円。
ざっくりですが、ACTIVE BODYが2,600円、CARD PODが500円、マイクロファイバーは1,000円、画面保護フィルムは高くても1,000円程度なので個別で購入するよりも少しだけ割高ですね。
Amazon限定 マイクロファイバークロスはなかなかに良い感じで、特に任天堂スイッチ用のケース「ACTIVE BOY for Nintendo Switch」も使いやすかったかなと。
ただし、結構大きいので気軽に持ち運ぶなら純正キャリングケースで間違いなし。従来のキャリングケースでも新型スイッチとの互換性は問題ありませんでした。
CARD PODは2本のゲームソフトが入るようになっており、多くのゲームソフトは持ち運べないですが…ACTIVE BODYと一緒に持ち運ぶには便利かも。
任天堂スイッチ(有機ELモデル)の付属品
任天堂スイッチ(有機ELモデル)のパッケージはこんな感じ。従来のパッケージと比べて縦長になりました。
ネオンレッド・ネオンブルーなどは同じ色なのでぱっと見では見分けが付きにくいですが、パッケージの形を見れば分かりやすいですね。
Nintendo Switch(有機ELモデル)の付属品は以下の通り。
- Nintendo Switch(有機ELモデル)本体
- Joy-Con (L)/(R) ホワイトとJoy-Conストラップ
- Nintendo Switchドック ホワイト
- Joy-Conグリップ
- Nintendo Switch ACアダプター
- ハイスピードHDMIケーブル
- セーフティガイド
任天堂スイッチ(有機ELモデル)は、旧モデルの任天堂スイッチと付属品の内容に変わりはありません。
#Tips |
任天堂公式コーナー”開発者に訊きました“によれば、Joy-Conのアナログスティックの部品には断続的に改良が加えられており、任天堂スイッチ(有機ELモデル)には最も新しい改良が加えられたJoy-Conが付属。HDMIケーブルは従来よりもしなやかになっています。 |
どう変わった?任天堂スイッチ(有機ELモデル)のデザインをじっくり眺める
新型任天堂スイッチ「Nintendo Switch(有機ELモデル)」は、デザインに大きな変更はなく、旧モデルとの性能差もないですが、ディスプレイが6.2インチ → 7インチに大型化し、有機ELディスプレイが搭載されたモデル。
パッケージから取り出してすぐ、従来のモデルよりもベゼル幅(画面の縁)が小さく、大きな表示領域を備えていることに気づきます。
任天堂スイッチ(有機ELモデル)の本体上部にはゲームカートリッジを入れるスロット、3.5mmイヤフォンジャック、音量調整ボタン、電源ボタンが搭載。ボタン類も従来のモデルよりも押しやすいように改良が加えられているのが分かりますね。
本体左上にあるゲームカートリッジ用のスロット。
本体右上に配置されているボタン類。
ボディ下部にはUSB Type-C端子を搭載。
任天堂スイッチ(有機ELモデル)の背面は、従来のつるつるとした質感の手触りからざらざらとしたマットな質感に変更されています。指紋も目立ちにくい。
背面スタンドの下にはmicroSDカードスロットが搭載。背面スタンドは幅広になり、自由な角度で調整することができる”フリーストップ式”になりました。これがすごく安定していてめっちゃ使いやすい。
こちらが任天堂スイッチ(有機ELモデル)限定の白いJoy-Con。白と黒のコントラストが素敵過ぎますね。
ものすごく些細な変化ですが、Joy-Conグリップの真ん中にあるロゴが印刷じゃなく、型として彫刻されているというのも素敵ポイントです。
詳細は後述しますが、真っ白なNintendo Switchドックには背面のデザインが変更されており、有線LANポートを新たに搭載しています。
さて、任天堂スイッチ(有機ELモデル)のデザインについておさらいしたところで、ここからは各トピックについてもう少し深堀りしていきましょう。
安定性が増した有機ELモデルのスタンド
任天堂スイッチ(有機ELモデル)は、スタンドが”フリーストップ式”になり、幅広になって安定するようになったというのも大きなトピック。
背面スタンドを支えるヒンジはこんな感じ。思っていたよりもはるかにしっかりした作りになってます。
自由に好きな角度で調整できることはもちろん、最大でここまでスイッチ本体を倒すことができます。
タッチ操作で遊ぶゲームもプレイしやすいですし、光の反射の無いばっちりな角度で遊べるようになったというのは大きなメリット。これは本当に素敵な改善でした。
内部の部品が改良されたJoy-Con
お次は任天堂スイッチ(有機ELモデル)限定の白いJoy-Conについて。
こちらはボタン類やデザインに変更がない通常のJoy-Conと全く同じ仕様になっていまして。通常の任天堂スイッチでも問題なく利用できます。
見た目は同じですが、任天堂公式コーナー”開発者に訊きました“によればアナログスティックの部品には断続的に改良が加えられており、任天堂スイッチ(有機ELモデル)には最も新しい改良が加えられたJoy-Conが付属しています。
現在出荷しているNintendo SwitchやNintendo Switch Lite、単品販売のJoy-ConやProコントローラーはもちろん、今回の有機ELモデルに同梱されているJoy-Conも、改良が進んだ今お届けできる最新のものです。
開発者に訊きました : Nintendo Switch(有機ELモデル)|任天堂
発売からすでに3年ほど使用していますが、スタンドがへたったり、ゆるくなったりすることもなく、ジョイコンが壊れることもなく、耐久性はしっかり向上。ユーザーの声をしっかり聞いて反映してくれるあたりさすが任天堂さんです。
Joy-Conストラップも従来と同じ仕様になっていますが、ストラップ部分に白いドットが入っています。
背面端子と有線LANポートについて
任天堂スイッチ(有機ELモデル)に付属する「Nintendo Switchドック」は、デザインが変更されたほか、背面のカバーが取り外し可能に。
背面カバーをパカッと開けると、ACアダプターとHDMI、そして新たに有線LANポートを搭載しているのですが、据え置き機として任天堂スイッチをプレイしている人にとっては嬉しい変更点の1つ。
#Tips |
有線LANポートの搭載は任天堂スイッチ有機ELモデルの大きなメリット。どれくらい変わるのか…というと、例えば、パーティーゲームを4人でゲームを遊んでいて、3人が有線LAN、1人がWi-Fiの場合、Wi-Fi接続の人のターンで明らかな遅延を感じるほどに明確な回線速度の差があります。これ結構大事。 |
任天堂スイッチはLANアダプターを用意すれば有線接続でゲームをプレイできるので、これだけを理由に買い替えを検討する人は少ないかと思いますが、ドック単体でより安定した回線でゲームをプレイできるようになったというのは大きなトピックです。
ちなみに、有線LANポートとのトレードオフで本来背面にあったUSB-Aポートが1つなくなっており、新型任天堂スイッチのUSB端子はNintendo Switchドックの側面にはUSB A端子が2つだけというのは頭の隅っこに入れておくといいかもしれません。
(2つ以上のコントローラーを直接繋ぐ場合はコントローラー接続タップが必要になります)
Nintendo Switchドック | |
端子 | ACアダプター端子×1 ハイスピードHDMI端子×1 有線LANポート×1 USB Tupe-Aポート×2 |
旧モデルとの互換性 | 〇 |
単体での販売 | あり |
新しい任天堂スイッチドックは従来の任天堂スイッチとの互換性があり、新型任天堂スイッチを従来のドックで使用することもできます。
新型Nintendo Switchドックは単体販売も行われているので、別途必要な場合は買い足すこともできます。
ちなみに、これは小噺ですが…YoutubeチャンネルNintendo Primeによれば、新しいNintendo Switchドックは”仕様上”4k/60fpsに対応しているとのこと。というのも、従来のスイッチにはHDMI 1.4のケーブルが採用されていますが、新しいドックに同梱されるケーブルは少なくともHDMI 2.0に準拠しているそう。
とはいえ、任天堂スイッチはいずれのモデルも4kの出力には性能が不足しているため、実現されることは無いですが…いつか実現されるといいですね。
音圧と音質が向上したスピーカー
僕が任天堂スイッチ(有機ELモデル)を起動してすぐに感じたのはスピーカーの音質の向上です。
というのも、新型任天堂スイッチはスピーカー自体の部品が変更されていまして。”開放型”から”密閉型”に構造が変更され、設計も見直されているのですが、明らかに音圧が上がってクリアな音になっていました。これはもう確実に変化していることが分かります。
任天堂公式HPでは、スピーカーや有機ELディスプレイの開発話のほか、任天堂スイッチ(有機ELモデル)の見える変化、見えない変化を開発者に訊いたページが用意されているので、気になる人はこちらもぜひ。様々なアイデアや工夫、色々な話が訊けて面白いです。
#開発者に訊きました : Nintendo Switch(有機ELモデル)|任天堂
Nintendo Switch(有機ELモデル)のスペックと仕様
カラバリ | ホワイト ネオンレッド・ネオンブルー マリオレッド ティアーズオブザキングダムエディション スプラトゥーン3エディション |
サイズ | 縦102mm×横242mm×厚さ13.9mm(Joy-Con取り付け時) 重さ:約320g Joy-Con取り付け時:約420g |
画面 | 静電容量方式タッチスクリーン 7.0インチ 有機ELディスプレイ 1280×720ピクセル |
CPU/GPU | NVIDIA社製 カスタマイズされたTegraプロセッサー |
ストレージ | 64GB |
通信 | 無線LAN(IEEE 802.11 a/b/g/n/ac準拠) Bluetooth 4.1 有線LAN |
映像出力 | 最大1920×1080ピクセル 60fps(TVモード時) |
音声出力 | リニアPCM 5.1ch対応 |
ヘッドフォンマイク端子 | 3.5mmの4極ステレオミニプラグ(CTIA規格) |
microSD | microSD/microSDHC/microSDXCメモリーカード対応 |
センサー | 加速度センサー,ジャイロセンサー,明るさセンサー |
バッテリー | リチウムイオンバッテリー容量:4310mAh 約4.5~9.0時間プレイ可能 |
充電時間 | 約3時間 |
発売日 | 2021年10月8日 |
価格 | 37,980円(税込) |
7インチの有機ELディスプレイで実際のゲームプレイはどう変わる?
さて、多くのブラザーが気になっているであろう新型任天堂スイッチの”有機ELディスプレイ”についてですが、これはもう一目で鮮やかな色合い、深い黒、コントラストの差を実感できるくらい進化しています。
6.2インチ → 7インチの変化と侮ることなかれ。従来のモデルと比べてみても画面の表示領域は圧倒的に広く、大きく感じたので、携帯モードでゲームを遊ぶ場合は任天堂スイッチ(有機ELモデル)のほうがリッチで快適な体験ができます。
ポケモンユナイトを携帯モードでプレイしていても技のエフェクトをより鮮やかに、派手に感じることができますし、モンスターハンターライズではカムラの里が繊細な色で表現されているので没入感もマシマシ。
もし、色が鮮やか過ぎると感じた場合は『設定>本体>本体画面のあざやかさ』から標準 or あざやかで切り替えることができますよ。
それともうひとつ、Nintendo Switch(有機ELモデル)のストレージは32GB → 64GBに増量されているため、本体のストレージだけでも多くのゲームをダウンロードしておけるようになりました。
※実際に利用できる容量はシステム領域を除いた容量となることをお忘れなくです。
新型任天堂スイッチ「Nintendo Switch(有機ELモデル)」は4k/60fpsに対応していないですし、有機ELディスプレイの恩恵を受けられるのも携帯モードだけなので、TVモードで遊ぶことが多い人には有線LANポートくらいしかないですが、携帯モードでリッチなゲーム体験を求めるなら任天堂スイッチ(有機ELモデル)を選ぶと幸せになれるはずです。
レビューまとめ!携帯モードでリッチに快適にゲームしたい人はNintendo Switch(有機ELモデル)がおすすめ
画面が大きくなって、色鮮やかな有機ELディスプレイを搭載して、スピーカーの音質が向上して、本体の容量は32GB→64GBに増量。フリーストップ式のスタンドを備え、有線LANポートまで手に入れたのに、現行モデルの任天堂スイッチとの価格差は約5,000円。
4k/60fpsに対応していないですし、性能の向上も無いため、すでに任天堂スイッチを持っていて、TVモードで遊ぶことが多い人にとっては受けられるメリットが少ないため、誰にとってもおすすめというわけにはいかないですが…携帯モードで任天堂スイッチを遊ぶことが多い人にとって「Nintendo Switch(有機ELモデル)」は非常に魅力的なモデルになるかもしれませんね。
最後に僕のNintendo Switch(有機ELモデル)のレビューと評価をまとめておきます。
任天堂スイッチ(有機EL) レビュー&評価
携帯機としての完成形。
メリット
- 鮮やかな有機ELディスプレイ
- 7インチの大きな画面
- 音質が向上したスピーカー
- 好きな角度で調整できるスタンド
- 有線LANの安定した回線でゲームを遊べる
- 発売から3年経過しても変わらない耐久性
デメリット
- 性能の向上がないこと
- 映像出力は最大1080p/60fps
- TVモード主体で遊ぶ人にとって受けられるメリットが少ない
評価
デザイン | 機能 | 耐久性 | 性能 | コスパ |
A | A | A | B | S |
総合評価 | ★★★★☆ (4/5点) |
※レビューの評価基準についてはこちら。
僕のNintendo Switch(有機ELモデル)のレビューと評価をまとめると上記の通り。
これはあくまでも僕の意見ですが、すでに現行モデルの任天堂スイッチを持っている人は価格の割に受けられるメリットが少ないので、現行モデルが現役バリバリなら、買い替える必要はなく今のモデルで十分かなぁと。(有線LANで快適な回線を求めるなら大きな恩恵を受けれる)
ただし、初代任天堂スイッチを長らく愛用していて、調子が悪くなってきたな…って人は、この機会に買い替えてるのもありあり。バッテリーライフも伸びるし、有機ELディスプレイで綺麗な画面で携帯モードが遊べるし、有線LANポートも搭載しているし、新型任天堂スイッチの様々な進化を感じられるはずです。
ゲームにおけるQOLは間違いなく向上させてくれるほか、発売から3年ヘビーに遊んでいますが、ジョイコンはもちろん、スタンドなんかも壊れる気配はないので、普通の使い方であれば耐久性も問題ないかなと。
2024年内には性能が向上した新型任天堂スイッチの噂もありますし、性能が向上した新型が気になっている人は今購入するのをぐっと堪えて、新型モデルの性能や価格を確認してから確認してみるといいかもしれません。
噂の新型任天堂スイッチについては以下の記事でダダっとまとめているので、気になる人はこちらの記事もぜひ参考にどうぞ。