今回はRazerの新スイッチ「リニアオプティカルスイッチ」を搭載したメカニカルゲーミングキーボード「Razer Huntsman Tournament Edition(TE)」についてのレビュー。
動作力40g、1.0mmのアクチュエーションポイント(動作点)というのがリニアオプティカルスイッチの特徴なんですけど、思った通りとにかくタイピングがしやすくて。めちゃ速く文字が打てるのです。
amazonでの参考価格は15,799円。Razer Huntsman Tournament Edition(レイザー ハンツマン トーナメントエディション)については、語りたい事がたくさんあるんですが、とにもかくにも…じっくりレビューといきましょう。
このレスポンスの高さ”慣れ”が必要ですが、使えば使うほど打ちやすくなる。Razer Huntsman Tournament Editionはそんなキーボードかも。(もちろん、反応の速さが抜群なのでゲームも快適よ、ブラザー)
Razer Huntsman Tournament Editionをレビュー。レスポンスや打ち心地抜群でゲーム用におすすめ
それじゃ、まずは”Razer Huntsman Tournament Editin”を開封しつつさらっとレビューを見ていきましょう。
Razer Huntsman Tournament Editionは、レイザーのメカニカルゲーミングキーボード”ハンツマン”シリーズの最新モデル。梱包は非常にシンプルで。キーボード本体とUSB-Cケーブル、そして、簡単なスタートガイドとRazerのステッカーが付属しています。
Razerおなじみステッカー。
Razer Huntsman Tournament EditionとUSB-Cケーブル。
このキーボードは有線接続オンリーでUSB-Cケーブルは固定ラッチになっており、ケーブルが簡単に外れることはありません。USB-C側の突起とキーボード側の溝でカチッと合ってくれます。
USBケーブルの長さは2mほど。十分な長さを備えているので実用性は問題無しですね。編みファイバーなので、耐久性もGoodです。
デザイン・外観
さてさて、ここからはRazer Huntsman Tournament Editionのデザインについて。※記事公開時点で”US配列”しかラインナップされてません。
目立ちすぎず、ほどよく主張してくるRazerロゴがまた良い感じで。マットな質感のボディは、どんなPCセットアップにも合うと思います。
こちらがRazer Huntsman Tournament Editionの裏面。
ゴムの滑り止めと2段階調整のスタンド。「BY GAMERS FOR GAMES」の文字がびっしりと印字されてます。いい感じじゃないですか? すごく個性的でかっこいい。
テンキーレスなのですごくコンパクトってのもGood。
サイズは35.5mm×13cmなので一般的なテンキーレスキーボードと同等のサイズですが、重さは約696gと同サイズのキーボードと比較しても軽めです。
おそらく、キーボードってあまり持ち運ぶようなこともないと思いますが、軽いというのは大きなメリットで。軽いからといって、タイピングやゲームの操作でずれるようなこともありません。
USB-A to USB-Cケーブルは真ん中からではなく、左側から出る仕様になっていまして。ケーブル自体にもほどよい長さがあるので、取り回しは良き、です。
USB-Cなので汎用性に優れると思いきや、特殊なラッチで固定されているので、その他のUSB-Cケーブルと接続することは”ほぼ”できません。Razer Huntsman Tournament Editonは付属のUSB-Cで接続すると思ってもらえれば。
印字が消えない2色成型のキートップ
このキーボードのメリットの1つとして分かりやすいのは、印字が消えないということ。
一生印字が消えないこのキーキャップは「ダブルショットPBTキーキャップ」と呼ばれているのですが、キートップの素材にはPBT(ポリブチレンテレフタレート)が使われていまして。2色成型で消えない印字を実現しているそう。
Raze Huntsman Tournament Editionに摩耗の心配はありません。キーボードってずっと使っていると印字が消えてくるじゃないですか? あれ、まだまだ使えるのに気分が落ちますよね。Razer Huntsman Tournament Editionはそれもない、と。
キートップは指紋が付きにくい質感になっているほか、耐久性にも優れているので、長い間付き合っていけるキーボードかなぁと。
印字が消えたキーボードは気持ちが落ち込みますし、キートップの成型方法も、僕がキーボード選びで重視することのひとつ。
長く使うキーボードだからこそ意識したいポイントです。
角度は6度/9度で調整可能
Razer Huntsman Tournament Editionは、角度:6度の高さ:1cm、角度9度の高さ1.5cmの2段階で高さを調整することができます。スタンドを下げた状態と合わせると3段階ですね。
9度の高さだとこんな感じ。キーはエルゴノミクスに優れた高さでデザインされているので、6度でも、9度でも、お好きなほうでどうぞ。
僕は9度で毎日愛用してますが、控えめに言って快適です。
Razer Huntsman Tournament Editionの仕様について
RazerのHuntsmanシリーズは、ゲームパフォーマンスの新しい未開拓分野を切り開こうというビジョンを持って開発されているそうですが、Razer Huntsman Tournament Editionも掲げるビジョンに従い、圧倒的に高速なタイピングと入力のしやすさを実現しています。
私達は、単に新シリーズの優秀なゲーミングキーボードを送り出そうとしただけではありません。ゲームパフォーマンスの新しい未開拓分野を切り開こうというビジョンを持って開発に取り組みました。こうしてできあがった Razer Huntsman では、私達が目指していたゲームプレイを瞬時に新しいレベルに押し上げるキーボードを体験していただくことができます。
Razer
ここからは、Razer Huntsman Tournament Editionのもう少し詳しい仕様や性能についてチェックしておきましょう。
Razer Huntsman Tournament Editionの機能や性能のまとめ
基本的に、このキーボードはゲーマー向けの仕様になっているんですけど、キースイッチの特性により、僕のようなブロガーやタイピングが多い人におすすめできるメカニカルキーボード。
Razer Huntsman Tournament Editionの機能や性能、特徴についてさらっとおさらいしておくと……
- 圧倒的に高速で快適なタイピングができる「 リニア・オプティカルスイッチ」。
- 1億回のキーストロークを誇る圧倒的耐久性。
- 摩擦で印字が消えない「ダブルショットPBTキーキャップ」。
- オンボードメモリーでキーボード本体に設定を保存可能。(最大5つのプロファイル)
- 着脱可能なUSB-Cケーブル。(キーボードは有線接続)
- 1,680万色のChromaバックライト。Razer Synapse 3対応。
- Nキーロールオーバー、アンチゴースト機能。
- 完全にプログラム可能なキーとクイックマクロ記録機能。
- 1000Hz Ultrapolling
ざっとこんな感じ。リストレストは付属しませんが、Razer Synapseでバックライトを自由に変更できるほか、オンボードメモリーによるプロファイルの保存、Nキーロールオーバーやアンチゴースト、そしてなにより、新しいRazer製光学式スイッチ「リニアオプトメカニカルスイッチ」を搭載するというのが最大のメリットであり、このキーボードの最大の特徴かな、と。
僕の中で、”テンキーレス”というのもキーボード選びのかなり重要なファクターで。
フルサイズキーボードだと、どうしてもマウスとの距離が離れてしまって操作感が落ちてしまうのです。ゲームだと良いんですけど、タイピングメインだと疲れちゃうので、そのあたりもRazer Huntsman Tournament Editionは優れていますよ。
高速レスポンスな「リニア・オプティカルスイッチ」の使用感
光の動作で作動する。
Razer Huntsman TEに搭載される光学式キースイッチ「Razer リニア・オプティカルスイッチ」を一言で表すとまさにそんなイメージ。
この光学式スイッチの大きなトピックは、光の速さで作動する”1.0mmのアクチュエーションポイント”により、どのキーストロークにも瞬時に反応するというところなんですけど、1億回のキーストロークさえ意に介さない耐久性も備えています。
多くの可動部を有し、金属接点を介して作動していた従来のメカニカルスイッチと異なり、Razer オプティカルスイッチは”光”で動作。キーを押すと瞬時にスイッチステムを通り抜けてキーが作動するという仕組みです。
また、物理的なメカの故障リスクが少ないため、壊れるときはバネやレーザー部分となりそうですが、いずれにしても、1億回のキーストロークは驚異的。
Razer オプティカルスイッチの知っておきたい大事なトピックは以下の通りです。
- 最高1億回のキーストロークに耐える耐久性
- 光学式スイッチ
- 軸:リニアオプティカルスイッチ
- 1mmのアクチュエーションポイント
- 40gの押下圧
- 3.5mmの浅いキーストローク
- 信号の処理遅延は”0″
リニアなので、キーの入力時に鳴るスイッチ音が目立たず、抵抗感の無い軽い打鍵感が特徴です。(目立たないと言ってもタイピング音は意外にも大きめ)
Cherry 赤軸なんかと比べるとタイピング音は大きいですが、煩いか静かで聞かれたら、比較的”静か”で軽快なタイピング音と思ってもらえれば。底打ちしないように打てるようになればタイピング音はかなり静かになります。
razer huntsman tournament editionのレスポンスはこんな感じ。押下圧は40mm、アクチュエーションポイントは1.0mmで反応速度は激速。 pic.twitter.com/fsj2ihvn3A
— iyusuke (@iyusukejp) October 28, 2020
Razer Huntsman Tournament Editionのレスポンスはほんと素敵で。キーをどれくらい押し込むと反応するのかを表す”アクチュエーションポイント”は1.0mmなので、反応は激速です。
ほんと触れるだけで反応するくらいのレスポンスの良さなので、慣れるまでは誤入力が多発する可能性はありありですけどね。これが慣れるとクセになる。
オプティカルスイッチ(紫)とリニアオプティカルスイッチ(赤)の比較
せっかくなので、Razer Huntsman Eliteで搭載された光学式スイッチ「クリッキーオプティカルスイッチ(紫)」とRazer Huntsman TEの「リニアオプティカルスイッチ(赤)」を軽ーく比較しておきましょう。
どちらのキースイッチも金属接点がないため、1億回のキーストロークに耐える耐久性を備えています。
– | リニア(赤) | クリッキー(紫) |
キーの感触 | 軽量で瞬時 | 軽さとクリック感 |
作動方法 | 光学式 | 光学式 |
押下圧 | 40g | 45g |
アクチュエーションポイント | 1.0mm | 1.5mm |
リニアオプティカルスイッチも、オプトメカニカルスイッチも、作動方法は光学式で仕組みは同じ。
押し下げ圧が軽く、アクチュエーションポイントの浅い”リニア・オプティカルスイッチ”のほうがタイピングには向いているのかなぁと。タイピング音も控えめですし。
(ゲームだと”リニア・オプティカルスイッチ”は軽すぎて、長時間遊んでいると少々指が疲れます)
Razer Huntsman TEの打ち心地とタイピング音は?
Razer Huntsman TEのレスポンスが本当すごい。タイピング音もいい感じです。https://t.co/1nerLmdSlv#razer #huntsman pic.twitter.com/lae963JnzZ
— iyusuke (@iyusukejp) November 15, 2019
どうでしょう、このタイピング音。素敵じゃないですか? 大きすぎず、かといって小さすぎず。キーが戻るときにカチッとした音が鳴ります。
(僕が想像していたよりも大きめなタイピング音。”静か”というわけではありません)
底打ちした時に「カーン……」という金属音が微かに聞こえますが、そもそも、このキースイッチは底打ちせずとも反応してくれるので、違和感を感じるほどではありません。ただ、留意しておくといいかも。
打ち心地はかなり良好で、リニアオプティカルスイッチは、撫でるような軽いタッチで文字が入力できるんですけど、この軽快なタイピング音が文字を打っていて楽しいんです。ほんとに心地の良い音。
- 赤軸とも黒軸とも違う独特な打ち心地で、タイピング音は軽快。
- 40gの押下圧と1.0mmの動作点の入力はさすがの速さ。
- 底打ち時の金属音は少しだけ気になります。
- 静かな部類ではありますが、静かなタイピング音ではありません。
クリッキーな入力感こそ無いですが、1.0mmの動作ポイントはさすがの軽さで。
記事を書いていても、ゲームに夢中になっていても、疲れは感じにくいんじゃないかと思います。キーが軽すぎてゲームは長時間遊ぶと少しだけ疲れるかもですけどね。
少なくとも、僕が今まで触ってきたキーボードの中で打ち心地もタイピング音も最高。Razer Huntsman Tournament Edition、速攻お気に入りキーボードになりました。
タイピングには少しだけ慣れが必要かも
これも大事なことなので少し補足。Razer Huntsman Tournament Editionのリニア・オプティカルスイッチってすごく快適にタイピングができて、高速で、疲れにくいんですけど、40gの押下圧と1.0mmのアクチュエーションポイントってレスポンスが良すぎるんですよね。
特に、使い始めてすぐは誤爆が多発してしまうと思います。僕はもう慣れてさくさくタイピングできるようになったのですが、このキーボードのレスポンスの良さは、少しだけ慣れが必要です。
とはいえ。慣れてしまえば最高。これ以上速く、快適に文字が打てるキーボードを僕は知りません。僕の中で、これを超えるキーボードはあとHHKBくらい。次に買い替えるならこいつです。
それともうひとつ。Razer Huntsman Tournament Editionは思っていたよりも音が多きかったので”サイズの静音化リング”で静音化できないかなぁって思ったんですけど、こいつは無理でした。装着できたけど。悲しみ。
▶Cherry MX軸を静音化「サイズ 静音化リング」でタイピング音は静かになる? – iyusuke
発色ムラはあるけど、ゲーマーやブロガーに最高なキーボード
いかがでしたでしょうか、Razerのゲーミングメカニカルキーボード「Razer Huntsman Tournament Edition」。僕は記事に、ゲームに、毎日愛用してますが、リニアオプティカルスイッチのHuntuman TEは、僕のようなブロガーや文字入力の多い人にこそおすすめできるメカニカルキーボードなんじゃないかと思います。
もちろん、圧倒的レスポンスを求めるゲーマーにも。
キー入力の反応の良さは、今までに経験したことが無いレベルでしたし、質感やクオリティも良きなんですけど、少しだけ気になるところがあって……それは、キーの発色にムラがあるということ。
気にならないっちゃ気にならないレベルなんですけど、気になると言えば気になる。そんな感じの発色ムラがこのキーボードにはあるのです。
打ち心地も、タイピング音も、反応の良さも最高なだけに惜しい。紫系の色で光らせていると、より目立ちます。
Razer Synapseは強い
Razer Huntsman Tounament Editionは、Razerの周辺機器のライティングやマクロ、環境設定をクラウドに保存して管理できる統合設定ソフトウェア”Razer Synapse”を使うことができるのですが、これが強くて。普通に使いやすいんですよね。
クイック設定で簡単にライティングを変えたり、統合機能”Chrome Studio”でキー単位でより細かくライティングを変更したり、マクロ機能で独自のキーバインドを登録することもできますよ。
ちなみに、僕の環境ではほかのソフトとの相性問題なのか、Razer Synapse2が正常に動作してくれなかったので……”Razer Synapse 3(BETA)”を使用してます。
Razer Huntsman Tournament Editionのレビューまとめ!ゲーマーには最高におすすめのキーボード
最後に、Razer Huntsman Tournament Editonのレビューについてさくっとまとめて締めといきましょう。とりあえず、僕の中では歴代トップのキーボード。
マルチファンクションデジタルダイアルを搭載していないのはちょっと惜しいところなんですけど、そもそもRazerのダイアルってフルサイズキーボードにしか搭載されていないですし、このあたりはテンキーレスとのトレードオフかなぁと。
メリット
- 1mmの動作点と40gの押下圧で高速レスポンス。
- 軽いタイピング感で疲れにくい。
- 赤軸とも、黒軸とも違う打ち心地で、タイピング音は軽快で素敵。
- Razer SynapseでLEDのカラーが自由自在。
- シンプルでどんな環境でも馴染むデザイン。
デメリット
- キーの光り方にムラがあるかも。
- 反応が良すぎて慣れるまでは誤爆多発。少しだけ時間が必要です。(慣れたら最高。)
- 底打ち時に「カーン……」という反響音がある。
Razer Huntsman TEのレビュー/評価まとめ
品質 | ★★★★☆ |
打ちやすさ | ★★★★★ |
タイピング音 | ★★★★☆ |
レスポンス | ★★★★★+ |
LEDライティング | ★★★☆☆ |
コスパ(価格) | ★★★★☆ |
Razer Huntsman Touenament Editionは、圧倒的反応速度と快適な打ち心地が最大のメリット。
LEDライティングの評価が低めなのは、発色ムラとRazer Synapseでの操作が必ずしも簡単ではないというところですね。(使い方を覚えてしまえば、カラーやマクロを自由に変更することができます。要は “慣れ” 次第。僕は使いやすいと思うんですけどね。初心者には優しくないかも)
長くなりましたが、結局何が言いたかったのかというと……めちゃ良いです。Razer Huntsman Tournament Edition。
現状、US配列しかラインナップされていないですが、僕は元々US配列なのでデメリットにはならず、なんといっても光の速さで作動するリニアオプティカルスイッチが魅力的。
Razer Huntsman Tournament Editionは、価格が15,799円と買いやすいのも良い感じですし、圧倒的な反応速度を求めるゲーマーはもちろん、快適なタイピングで作業効率を高めたい僕たちのようなブロガーにもおすすめできるメカニカルキーボードなんじゃないかと。
リニアオプティカルスイッチを搭載する上位モデルとして、Razer Huntsman Elite Tournament Editionも追加されているので、気になる人はこちらもチェックしておきましょう。価格は倍近くしますが…様々な操作ができるダイアル「マルチファンクションデジタルダイアル」を搭載しています。こちらも、リニアオプティカルスイッチで選べるのはUS配列だけですけどね。
さてさて、少々長くなってしまいましたが、これを読んで”Razer Huntsman Tournament Edition”が気になったブラザーも多いのでは? ゲームも快適ですし、タイピングも高速。がっつり使っていておすすめできるキーボードってのは間違いないですし…実際に使ってみるとあなたもきっと気に入るはずです。
リニア・オプティカルスイッチの反応速度の速さと快適な打ち心地は、使ってみないと分かりません。使ったら分かる良いキーボード。
タイピングは撫でるように、底打ちしないようにするのが”Razer Huntsman Tournament Edition”で静かでかっこいい音を出すコツですよ。