どんな用途で使うのか?がめっちゃ重要。
今回は、Insta360 Japanにご提供頂いた「Insta360 X4」と「GoPro Hero12」をダダっと比較。Insta360 X4は最大8k/30fpsの360度動画が撮影可能で、GoPro Hero12は最大5.3k/60fpsの動画撮影が出来るアクションカメラ。
いずれも最大画質では1時間ほど撮影できますが、撮影できる映像や活躍してくれるシチュエーションには違いがあるため、実際に撮影した動画や写真を眺めつつ比較です。
一般的なアクションカメラによる撮影ならGoPro Hero12のほうが取り回しやすいですが、8k/360度動画や自由度の高いクリエイティブな映像を撮影したい人にはInsta360 X4がおすすめかも。
Insta360 X4とGoPro Hero12を比較。画質や使用感の違い
それじゃ、早速「Insta360 X4」と「GoPro Hero12」のデザインや使用感、機能についておさらいしつつ比較していきましょう。
Insta360 X4は、最大8k/30fpsによる360度動画と360度アクティブHDRに対応するのが大きなメリットで、GoPro Hero12は一般的なアクションカメラのサイズ感で扱いやすく、最大5.3k/60fps動画に対応する点がメリット。
Insta360 X4 | GoPro Hero12 | |
特徴 | 最大8k/30fps/360度動画 72MPの写真 シングルレンズの撮影も可能 自由なフレーム編集 360度アクティブHDR 音声操作 ジェスチャー操作 11kタイムラプス 10m防水 | 最大5.3k/60fps 取り回しやすいサイズ 27.13MPの写真 汎用性の高いフルフレーム ボディに2種類のマウント Bluetoothイヤホンの接続 音声操作 HDR対応 10m防水 |
価格 | 79,800円 | 62,800円 |
それぞれのカメラの特徴を簡単にまとめると上記のとおり。
Insta360 X4とGoPro Hero12のどっちを選ぶかで迷っている人は、自分の用途や使うシチュエーションを考えて比較してみると選びやすくなるかもです。
ここからはInsta360 X4とGoPro Hero12のデザインを比較しつつ眺めていこうかと思うので、購入を検討している人はぜひ参考に。
デザインの違いを比較
Insta360 X4もGoPro Hero12もフラグシップモデルなだけあり、重厚でガジェット感マシマシなごついデザイン、良い感じに漂う高級感。
360度カメラである「Insta360 X4」とアクションカメラに特化した「GoPro Hero12」は活躍してくれる場面が異なりますが、用途が違えばそれだけサイズ感も違います。
- Insta360 X4のサイズ
- 46×123.6×37.6mm
- 203g
- GoPro Hero12のサイズ
- 71.8×50.8×33.6mm
- 154g
それぞれのサイズは上記のとおり。GoPro Hero12は一般的なアクションカメラなので比較的コンパクト&軽量。Insta360 X4は縦長サイズで重さは203gと若干重め。
センサーサイズはInsta360 X4が1/2インチ、GoPro Hero12が1/1.9インチ。X4は360度カメラなので、取り外し可能な”ドーム型レンズ”を搭載しています。
※X4には強化ガラスの「プレミアムレンズガード」を装着しています。
どっちのカメラもバッテリースロット内に「microSDカードスロット」を搭載しており、若干アクセスしにくいのは惜しいところですが、逆に言えば防水性能が高くて安心です。
側面から眺めてみるとこんな感じ。Insta360 X4もGoPro Hero12も電源ボタンはボディ側面に搭載。
シャッターボタンはGoPro Hero12が上部。Insta360 X4はディスプレイ下部に搭載。
Insta360 X4もGoPro Hero12もボディ下部に汎用性の高い「1/4インチネジ」を搭載していますが、GoPro Hero12はマグネット式のマウントを搭載しており、ボディ下部には引き出すことができる「フォールディングフィンガー」を搭載。
Insta360 X4もGoPro Hero12も用意されているアクセサリーは非常に豊富で、どれもこれもめっちゃ簡単にマウントできますが、ボディに”2種類のマウント”を備えていることはGoPro Hero12のメリットかも。
Insta360 X4は、アクセサリー特集の記事で紹介している「クイックリリースマウント(マグネット式)」を取り付けることで使い勝手が圧倒的に向上します。
X4もGoPro Hero12もアクセサリーは豊富ですし、扱いやすさは五分五分。
自撮りしやすくてディスプレイの強度が高いのはInsta360 X4
Insta360 X4とGoPro Hero12は、搭載しているディスプレイにも明確な違いがあって、Insta360 X4は「Corning Gorillaガラス」を採用した”頑丈な”2.5インチタッチスクリーンを背面に1つ搭載。
GoPro Hero12は、背面に2.27インチのタッチディスプレイ、前面に1.4インチのカラーディスプレイの合計2つ搭載。
どっちもディスプレイは明るくて見やすいですが、GoPro Hero12は前面のディスプレイが小さくてプレビューしづらいので、自撮りもばっちりできるのはInsta360 X4かなと。
そもそも、Insta360 X4は360度カメラなのでアングルをあまり気にしなくていい…というのは大きなメリットです。
GoPro Hero12とInsta360 X4のディスプレイを比較してみると、Insta360 X4のほうがより明るくて鮮やか。実際に書き出した時に近いクオリティでプレビューできるのは嬉しい。
Insta360 X4とGoPro Hero12でどんな動画が撮影できるか比較
UIはInsta360 X4のほうが使いやすい印象。
それじゃ、ここからは「Insta360 X4」と「GoPro Hero12」で撮影してきた写真や動画を眺めつつ、どんな映像が撮影できるのか比較です。
記載している写真や動画はアップロードするため大幅に圧縮しています。実際の映像は比べ物にならないほど綺麗なので、あくまでも参考程度に。公式がYoutubeで公開しているGoPro Hero12の紹介動画やInsta360 X4の紹介動画も要チェックです。
GoPro Hero12の主な用途は、色再現率が高く、優れた手振れ補正や取り回しやすいサイズを活かした従来のアクションカメラならではの動画撮影。※詳細は後述しますが、暗所での撮影は不向き。
Insta360 X4の主な用途は360度動画の撮影ですが、シングルレンズによる広角/超広角の動画/写真も撮影できるほか、アプリによる編集で好きな画角や倍率で動画を編集できるので、”出来る事”という点においてはX4が優れているかも。
広角で撮影した動画を比較
Insta360 X4とGo Pro Hero12で撮影した動画を比較してみると、X4は実際に目で見るよりも少し鮮やかに撮影できる印象で、GoPro Hero12は色再現が忠実で輪郭がシャープ。
動画を観てみると分かる通り、通常の動画撮影ではレンズのF値(絞り値)の影響が結構出ていて、F値1.9のInsta360 X4のほうがF値2.5のGoPro Hero12よりも明るい動画を撮影できます。
※いずれも設定はデフォルトの状態で撮影。X4はホワイトバランスやEV値もプレビューしながら細かく変更可能です。
上の動画は階段を下りながら撮影した動画ですが、光を多く取り込める昼間の手ブレ補正はどちらもかなり優秀。
Insta360 X4は「FlowState手ブレ補正」、GoPro Hero12は「HyperSmooth 6.0」を搭載していますが、どっちの手ブレ補正も普段使いでは十分な性能です。強いて挙げるとすれば…X4のほうが階段の着地時に細かい縦揺れがあり、GoProは揺れが滑らかな印象です。
ただし、暗所(光量の少ない場所や夜など)はGoPro Hero12の手ブレ補正の性能が大幅にダウン。
GoPro Hero12の”HyperSmooth 6.0″は、撮影した映像を何コマも合成して手ブレを修正するデジタル手ブレ補正なのですが、補正するために”パンフォーカス”でレンズに映るすべての対象にピントを合わせる必要があるため、暗所(特に夜間)の撮影は苦手なのかなと。
夜は取り込める光の量が少なく、映像を合成してブレを抑えるために必要な情報量も少なくなってしまうため、GoProは昼間と夜で手振れ補正の性能に差が出てしまうのかもしれません。※あくまでも僕の認識。実際は違う可能性もあるので…参考程度に。
夜間の手ブレ補正に関しては、Insta360 X4の6軸ジャイロスコープとFlowState手ブレ補正がばっちり補完しあっていて、ものすごく優秀です。ゴルフやスノボのナイターなど、夜間のアクティビティ系がGoPro Hero12は苦手なので、夜間の使用を想定している場合はInsta360 X4がおすすめ。
暗所や低照度での撮影が目的なら、以前レビューした「Insta360 Ace Pro」という選択肢もあります。Ace ProはInsta360 X4もGoPro Hero12もぶっちぎって暗所に強い。
Insta360 X4は、360度動画で撮影後、後からアプリで編集して16:9や4:3の画面比率に調整したり、好みのフレーミングや動きを変更することができますが、シングルレンズモードで撮影すれば従来のアクションカメラと同じように撮影することもできます。
360度動画で撮影して後から編集できるのは便利ですが、思い通りの構図で撮影するには少しコツがいるかも。
写真はInsta360 X4のほうが明るくて鮮やか。GoPro Hero12はリアルなディティール
お次は写真についてですが、Insta360 X4は最大72MP。GoPro Hero12は最大27.13MPの写真を撮影可能で、こちらもレンズの絞り値(F値)の違いが大きな差になっているかなと。
森林の写真を例に見てみると、Insta360 X3は薄暗い場所でも全体的に明るく、GoPro Hero12は全体的に暗め。どちらかというと写真のディティールはGoPro Hero12のほうが実際に目で見ている様子に近い印象です。
曇天時の写真(広角)を比較してみると、Insta360 X4はやっぱり明るくて鮮やか。GoPro Hero12は全体的に暗めの写真になっていますが、コントラストは深め。
Insta360 X4は360度写真撮影も可能で、あとから自由に編集することもできるので…このあたりも明確なメリット。
上述の通り、Insta360 X4は写真も動画も明るく映り、後から編集できるとはいえ、シチュエーションによっては不自然に感じる場合もあるのに対して、GoPro Hero12は少し暗いけど、実際に目で見ている様子に近い映像が撮影できるため、このあたりは好みによるかも。
連続撮影時間の違い
Insta360 X4の連続撮影時間は8k/30fpsで75分、5.7k/30fpsで135分。Go Pro Hero12は5.3k/60fpsで79分、5.3k/30fpsで90分以上。
- Insta360 X4
- 8k/30fps:75分
- 5.7k/30fps:135分
- GoPro Hero12
- 5.3k/60fps:79分
- 5.3k/30fps:90分以上
Insta360 X4もGoPro Hero12も最大画質&フレームレートで1時間以上の連続撮影に対応しているため、一般的な用途であれば問題なく使用できるかなと。
いずれもバッテリーや充電器など、純正アクセサリーも充実しているので、電池持ちはそこまで気にする必要はないかもです。最大画質での連続使用はどっちも本体が熱くなるけど…これは仕方ない。
Insta360 X4の360度動画は唯一無二
Insta360 X4の欠点は、「標準レンズガード」も「プレミアムレンズガード」も汚れやすいところ。上の画像を見てもらうと分かりやすいのですが、画像左上部分に付いた指紋が光を乱反射し、汚れている場所だけ”フレア”が発生しています。
これが日常的にInsta360 X4を使っていて唯一気になるところで、ドーム形状のため、強化ガラスで汚れにくい”プレミアムレンズガード”を取り付けていても、レンズを拭き取らないで撮影するとちょこちょこ起こります。
Insta360 X4はレンズガードを取り外して使用することもできます。激しい動きのない撮影時は、レンズガードを取り外すことでX4の光学性能を活かしつつ、よりクリアな映像を撮影可能。
そもそも、Insta360 X4はレンズガードの取付け時に内側が汚れていることもあり、拭いてもなかなか取れなくて…これがまた結構厄介なのです。
GoPro Hero12もレンズが汚れた時は拭き取る必要があるものの、こちらはサッと拭き取れるし、そういった”細かい問題”はあまり起きないかなと。
とはいえ、Insta360 X4はレンズガードを取り外して撮影すればクリアな映像を撮影できるし、それらの小さな問題を考慮しても360度カメラでしか撮影できない映像&アングルを後で変更できることが魅力であり大きなメリット。
Insta360 X4で撮影した360度動画はアプリで画角やズーム、カメラの動きまで細かく調整できるため、とりあえず360度動画で回しておいて、後から編集する…といったGoPro Hero12には出来ないような使い方もできます。
360度動画の撮影は録画した後でベストアングルを選べるのが最高過ぎるので、とにかく気になっている人には迷わずおすすめしたいカメラ。Insta360 X4については以下のレビューも参考にどうぞ。
#Insta360 X4をレビュー!8k/30fps対応で超高画質。最強の360度カメラかも
スペックと仕様の比較まとめ
Insta360 X4 | GoPro Hero12 | |
センサー | 1/2インチ F1.9 | 1/1.9インチ F2.5 |
動画解像度 | 最大8k/30fps/360度動画 | 最大5.3k/60fps |
写真解像度 | 最大72MP | 最大27.13MP |
サイズ | 46×123.6×37.6mm 203g | 71.8×50.8×33.6mm 154g |
ディスプレイ | 2.5インチ(タッチ) | 背面:2.27インチ(タッチ) 前面:1.4インチ |
バッテリー容量 | 2,290mAh | 1,720mAh |
防水性能 | 単体:10m 専用ケース:50m | 単体:10m 専用ケース:60m |
手ブレ補正 | FlowState手ブレ補正 | HyperSmooth 6.0 |
360度 水平維持 | 〇 | 〇 |
接続 | Bluetooth 5.2 | Bluetooth 4.2 |
発売日 | 2024年4月16日 | 2023年9月13日 |
価格 | 79,800円 | 62,800円 |
比較まとめ!手軽さはGoPro Hero12だけど360度動画が撮影できるInsta360 X4が総じておすすめ
さてさて、最強の360度カメラ「Insta360 X4」と定番アクションカメラ「GoPro Hero12」について比較してきましたが、最後にダダっとまとめです。2つのカメラの価格差は17,000円。
この価格差をどうみるかも結構重要なファクターかも。
Insta360 X4とGoPro Hero12の比較まとめ
どんな動画を撮りたいか?がめっちゃ大事。
Insta360 X4のメリット
- 8k/30fps,5.7k/60fpsの360度動画
- 4k/100fpsスロー360度動画
- 360度アクティブHDR
- 安定した手ブレ補正
- 360度動画を好きなアングルで編集
- 最大72MPの写真撮影
- 11kタイムラプス
- 優れたUIと使いやすさ
GoPro Hero12のメリット
- 5.3k/60fps動画
- 2.7k/240fpsスロー動画
- スムーズな手ブレ補正
- AirPodsなどを接続して音声制御
- 汎用性の高いフルフレーム
- 10-bitカラー
- 基本的にシンプルイズベスト
Insta360 X4のデメリット
- レンズが汚れやすい
- 思った構図で撮影できるまで慣れがいる
GoPro Hero12のデメリット
- 夜間の手ブレ補正が弱い
- UIがシンプル過ぎる
Insta360 X4がおすすめな人
- 360度動画を撮影したい
- アングルは後で決めたい(アプリで編集)
- 昼も夜も安定した手ブレ補正が欲しい
- 現状最強クラスの映像体験を求める
- 慣れが必要?そんなの関係ないね
GoPro Hero12のがおすすめな人
- スポーツやアクティビティを撮影したい
- サッと取り出してパッと撮影したい
- フルフレームで撮影して後で画面比率を変えたい
- 使い方が簡単なほうがいい
僕が考えるInsta360 X4とGoPro Hero12のメリット・デメリット、そしておすすめな人はこんなところ。
Insta360 X4の魅力はなんといっても”圧倒的に綺麗な画質で360度動画を撮影できる“こと。360度アクティブHDRに対応するため、リアルなディティールで360度動画を撮影できるほか、撮影した360度動画は後でベストなアングルを選び、驚くほど自由に調整できます。
(ほんと360度動画は汎用性が高すぎるのでぜひ体験してみてほしい)
Insta360 X4は「シングルレンズモード」にも対応するため、従来のアクションカメラとして使うこともできるのですが、そうなると大きさと重さが煩わしく感じるシチュエーションもあるので…普通のアクションカメラとして使うならやっぱりGoPro Hero12かなと。
Insta360 X4は発売されたばかりなので、公式ストアでもセール対象になることは稀ですが、GoPro Hero12はセール時に1万円以上お得になることがある点もめっちゃ大きなメリットです。
もし、Insta360 X4かGoPro Hero12のどっちを購入したらいいかで悩んでいる人は、「どんな用途で使うのか?」をみっちり考えてから決めるといいかも。何かしらの参考になれば!
#Insta360 X4をレビュー!8k/30fps対応で超高画質。最強の360度カメラかも