ドライバーはイヤホンの心臓部。
イヤホンのドライバーには「ダイナミック型」と「バランスドアーマチュア型」の2種類がありますが、それぞれの違いや特徴についてあまり意識したいことないかも…ってブラザーも多いのでは?
この機会にダイナミック型とバランスドアーマチュア型の違いについてダダっとおさらいです。ちなみに僕はバランスドアーマチュア推し。
イヤホンのドライバー「ダイナミック型」と「バランスドアーマチュア型」の特徴と違い
ちょい雑だけど、構造はこんな感じ。
ドライバーとは、イヤホンやヘッドフォン、スピーカーの音を鳴らす心臓部となる部品のことで、送られてきた電機信号(音楽信号)を振動に変換して音を鳴らします。
ダイナミックドライバーは「DD型」とも呼ばれ、音楽信号がボイスコイルに流れてダイアフラム(振動板)が振動して音が出る仕組み。
バランスドアーマチュアドライバーは「BA型」とも呼ばれ、音楽信号が鉄板(アーマチュア)を振動させ、その振動がダイアフラムに伝わることで音が出る仕組みです。
ダイナミック型とバランスドアーマチュア型の最も大きな違いはどうやって音楽信号を振動に変換するか?ってところですね。
- バランスド・アーマチュア(BA)型の特徴
- 音楽信号が鉄板(アーマチュア)を振動させ、その振動がダイアフラム(振動板)に伝わることで音が出る仕組み。
- 高音に優れ、繊細な音の聞き分けが可能なので、補聴器やプロのモニター用に使われている。
- 空気穴が必要ないので遮音性に優れ、小型化できる。
- DD型に比べて音の分離や音のクリアさで優れるけど、低音が弱く、音圧に欠ける印象。歪みが出やすく、周波数帯域も狭い。
- DD型よりもコストが高い
- ダイナミックドライバー(DD)型の特徴
- 音楽信号がボイスコイルに流れると振動板が振動し、音が出る仕組み。
- 歪みが少なく、周波数帯域が広いほか、BA型よりもダイアフラム(振動板)が大きいので低音が自然でよく響く。音圧もある。
- BA型よりもコストが安い。
- ダイナミックスピーカーと同じ仕組みだからダイナミック型。
ダイナミックドライバーとバランスドアーマチュアドライバーの特徴を簡単にまとめると上記のとおり。
当然、仕組みや構造が違えば音質や傾向にも違いが出てくるのですが、ここからはダイナミックドライバーとバランスドアーマチュアドライバーについてもう少し詳しくみていきましょう。
(DD型とBA型のメリットを上手く融合した”ハイブリッド型”もある)
ダイナミック型の特徴と音質の傾向
ダイナミック型はスピーカーと同じ仕組み。
ダイナミック型のドライバーユニットを搭載するイヤホンは、最も広く普及しているイヤホン。
安いものから高いものまで様々な製品がラインナップされており、音質や品質もピンキリ。バランスドアーマチュア型と比べてコストが安価なので、安くて選択肢が豊富というのもメリットかなぁと。
ダイナミック型は構造がシンプルで大口径なドライバーを採用できるため、迫力のある低音や高い音圧を実現しやすいのが特徴です。
2基のダイナミックドライバーを搭載する”デュアルダイナミックドライバー(2DD)”タイプもありますが、SONY WF-1000XM4やAirPods Pro、Sennhiser MOMENTUM True Wireless3など、人気イヤホンにダイナミック型は多い。
バランスドアーマチュア型の特徴と音質の傾向
3基のバランスドアーマチュアを搭載するAS-06。
バランスドアーマチュアドライバーは音の再現性やクリアさから補聴器やプロのモニター用(音楽制作)に使われていることが多いですが、一般向けのイヤホンとしても普及しているドライバーユニット。
中~高音域に優れ、DD型に比べてクリアな音が特徴ですが、低音が弱く、音圧に欠ける印象。歪みが出やすく、周波数帯域も狭いかなぁと。細かく音を分離できるというのも大きな特徴です。
バランスドアーマチュアドライバーは搭載しているバランスドアーマチュアの数で1BAや2BA、3BAなどで表記されるのですが、ダイナミック型と比べて種類はあまり多くありません。
僕は結構好きなのですが…音の好き嫌いはバッサリ分かれる印象。
ハイブリッド型の特徴と音質の傾向
最近聴いたハイブリッド型ではOpera03/Opera05が良かった。
ハイブリッド型は、ダイナミック型(DD型)とバランスドアーマチュア型(BA型)の良いとこどりしたドライバーユニット。
ダイナミック型とバランスドアーマチュア型のドライバーユニットを2基、またはそれ以上搭載していることが多く、「1DD+1BA」や「1DD+2BA」といった感じで表記されることもあります。DD型のパワフルな低音とBA型クリアな音、キラキラした高音が絶妙に織り交ぜられたオールマイティな音質が特徴的。
2基以上のドライバーユニットを搭載するため、サイズが大型化しやすいほか、各ドライバーユニットの調整次第で音質も大きく変わるため、安価なイヤホンほど事故りがちかも。
最近聴いたハイブリッド型では”SOUNDPEATS Opera03/Opera05″が圧倒的に良きでした。(今のところMakuakeでしか買えないのが惜しい…)
▶SOUNDPEATS Opera03とOpera05をレビュー。コスパ良好なワイヤレスイヤホンの音質を試す(他社製イヤホンとの比較も)
さて、どのドライバーユニットを搭載したイヤホンを選ぶ?
左:WF-1000XM4(DD型)、右:KS06(3BA型)
ダイナミック型(DD型)とバランスドアーマチュア型(BA型)の周波数特性を見比べてみるとこんな感じ。イヤホンにより異なりますが、DD型とBA型の周波数特性の傾向はそれぞれ似たような結果になることが多いかなぁと。
最後にもう一度ダイナミック型とバランスドアーマチュア型の違いについておさらいしておきましょう。
- バランスド・アーマチュア(BA)型の特徴
- 音楽信号が鉄板(アーマチュア)を振動させ、その振動がダイアフラム(振動板)に伝わることで音が出る仕組み。
- 高音に優れ、繊細な音の聞き分けが可能なので、補聴器やプロのモニター用に使われている。
- 空気穴が必要ないので遮音性に優れ、小型化できる。
- DD型に比べて音の分離や音のクリアさで優れるけど、低音が弱く、音圧に欠ける印象。歪みが出やすく、周波数帯域も狭い。
- DD型よりもコストが高い。
- ダイナミックドライバー(DD)型の特徴
- 音楽信号がボイスコイルに流れると振動板が振動し、音が出る仕組み。
- 歪みが少なく、周波数帯域が広いほか、BA型よりもダイアフラム(振動板)が大きいので低音が自然でよく響く。音圧もある。
- BA型よりもコストが安い。
イヤホンを選ぶ際には、ドライバーユニットの種類も重要なファクターの1つですし、各ドライバーユニットの特徴もざっくりとでも覚えておくと良いんじゃないかなぁと。
ダイナミック型は低音が豊かなので、音楽鑑賞はもちろん、映画鑑賞などのエンターテインメント用途向き。一方、バランスドアーマチュア型は、高音質なものが多いため、音楽鑑賞のほか、音楽制作で使用するのもおすすめです。
(音楽制作で使うなら、なるべく音質はフラットなものがおすすめ)
イヤホンは自分の音楽の好みや用途、予算を考慮しつつ、DD型とBA型の特徴を意識して選んでみるといいかもですよ、ブラザー。
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