パワフルでスマートな新しいスマホがやってきた。
2021年10月16日に発売されたSamsungの新型折り畳みスマホ「Galaxy Z Fold3 5G」ですが、初代Galaxy Foldの頃からフォルダブルスマホが欲しくて欲しくてたまらなかった僕もついに購入しまして。
発売日からざっくり1か月間使い込んでのレビューをお届けです。まず最初に伝えておきたいことは…とにかくGalaxy Z Fold3 5Gは最高。
20万円を超える価格は決して万人向けではないですが、少なくとも「この価格を出してでも使いたい」と思わせてくれるスマホであり、タブレットでもあります。
Galaxy Z Fold3 5Gの最も大きなトピックとしては、開けばタブレット、折りたためばスマホとして使えるというところなのですが、性能も申し分ないですし、カメラ性能も十分。
バッテリーライフが気になったり、カバーディスプレイ時のキーボードサイズが小さかったり、気になる点もちらほらあるので、早速Galaxy Z Fold3 5Gのレビューといきましょう。
Galaxy Z Fold3 5Gはdocomo/auにて発売中。価格はdocomo版が237,600円。au版が237,565円です。
最強折り畳みスマホ「Galaxy Z Fold3 5G」をレビュー
Galaxy Z Fold3 5Gは2021年10月16日に発売されたSamsungの新型折り畳みスマホ(フォルダブルスマホ)。このスマホについてはめっちゃ語りたいことがありますが…まずは開封の瞬間から見ていきましょう。
付属品はGalaxy Z Fold3 5G(SC-55B)本体とUSB C to Cケーブル、SIM取り出しツールとクイックスタートガイドが同梱されています。
折りたたんだ状態では、6.2インチでちょっと長めのスマホサイズ。
開いた状態では7.6インチの大画面で使用できるタブレットサイズ。この1台2役がGalaxy Z Fold3 5Gの大きなメリットですね。
ここからはGalaxy Z Fold3 5Gのデザインについて写真多めで見ていきましょう。
Galaxy Z Fold3 5Gデザインを写真多めで眺めつつレビュー
こちらが折りたたんだ状態のいわば”スマホモード”。筐体にはさらさらとした手触りのアルミが採用されており、ディスプレイのサイズは6.2インチ。
Galaxyx Z Fold3 5Gはメインディスプレイにも、カバーディスプレイにも有機EL(OLED)が採用されているため、画面の美しさは圧巻。
折り畳み状態では厚みがあるため、がっちり片手でホールドできるサイズ感になっていますよ。
サイド右側には音量調整ボタンと指紋認証搭載の電源ボタン、SIMカードスロットも搭載されてますね。Galaxy Z Fold 3 5Gは画面埋め込みの指紋認証非搭載です。
本体下部にはUSB Type-C。スピーカーは上部にも同じものが搭載されており、Dolby Atmosの空間オーディオにも対応しています。Good。
Galaxy Z Fold3 5Gの画面を支えるヒンジはこんな感じになっていまして。
ヒンジには”Galaxy”のロゴ。
フリーストップで好きな角度で立たせることもできます。(詳細は後述しますが、カメラでの撮影時や動画を見てるときに役立つ)
折りたたんだ状態で使用する”カバーディスプレイ”にはパンチホール型のカメラ(10MP)が搭載。
お次はGalaxy Z Fold3 5Gを開いた状態。タブレットモードのデザインについて。Galaxy Z Fold3 5Gはこの状態でのポテンシャルがすごくて。デザインも非常に洗練されておりかっこよき。
開いた状態で使用する有機ELのメインディスプレイは7.6インチの大画面。解像度は2,208×1,768ピクセルで最大輝度は1,200ニト、最大リフレッシュレートは120Hzと豪華仕様です。
開いた状態では綺麗にフラット。厚みは6.4mmしかありません。
ちなみに、画面の折り目はこんな感じになっていまして。
正面から画面を見ているぶんには全く気にならないですが、少し角度をつけて見てみると折り目が目立つかも。
カバーディスプレイに搭載されているフロントカメラはコンテンツの閲覧中は目立たないように溶け込み、消えてくれます。素敵。
それともうひとつ。Galaxy Z Fold3 5Gのカバーディスプレイとメインディスプレイには、あらかじめ専用の保護フィルムが貼られていますが、剝がしてしまわないように要注意です。
(この保護フィルムの耐久性についてはまだ何とも言えないですが…前モデルでは保護フィルムが折り目から剝がれてくるという問題もあったので、どれくらい改善されているのかも気になるところ)
Galaxy Z Fold3 5Gのスペックと仕様
名称 | Galaxy Z Fold3 5G |
ドコモ版の型番 | SC-55B |
OS | Android 11ベース One UI |
サイズ(閉じた状態) | 縦158.2×横67.1×厚さ16mm |
サイズ(開いた状態) | 縦158.2×横128.1×厚さ6.4mm |
重さ | 272g |
メインディスプレイ | 7.6インチ 有機EL 2,208×1,768ピクセル 372ppi 画面比率 22.5:18 最大リフレッシュレート:120Hz 最大輝度:1200ニト |
カバーディスプレイ | 6.2インチ 有機EL 2,268×832ピクセル 390ppi 画面比率 24.5:9 パンチホールカメラ 最大リフレッシュレート:120Hz 最大輝度:1500ニト |
SoC | 5nmプロセス 64bit オクタコア Snapdragon 888 |
メモリ | 12GB |
ストレージ | 256GB |
リアカメラ | 12MP(広角)+12MP(超広角)+12MP(望遠) 光学2倍ズーム |
フロントカメラ | メインディスプレイ:4MP カバーディスプレイ:10MP |
バッテリー | 4,400mAh 最大25Wの急速充電 最大10Wのワイヤレス充電 |
Wi-Fi | 802.11 a/b/g/n/ac/ax 2.4GHz/5GHz |
Bluetooth | Bluetooth 5.2 |
生態認証 | 電源ボタン内臓指紋認証 顔認証 |
カラー | ドコモ版は”ファントムブラック”のみ |
その他 | 防水(IPX8)、Sペン対応、5G(ミリ波)、リバースワイヤレス機能、デュアルスロット(NanoSIM×2)、eSIM、おサイフケータイ、FeliCa |
Galaxy Z Fold3 5Gの知っておきたいスペック・仕様については上記の通り。
前モデルの”Galaxy Z Fold2 5G”と比較すると、カメラ性能とバッテリーライフ以外はしっかり性能が向上しており、特に、SペンとIPX8等級の防水に対応したというのは大きなトピックですね。
アルミのヒンジは10%耐久性が向上。超薄型ガラスのメインディスプレイは従来と比べて80%耐久性が向上しており、SamsungのフォルダブルスマホはGalaxy Z Fold3 5Gでものすごく実用的になりました。
Galaxy Z Fold3 5Gのカメラ性能
さて、お次はGalaxy Z Fold3 5Gのカメラ性能・機能についてみていきましょう。搭載されるカメラはメインカメラとカバーディスプレイ&メインディスプレイのフロントカメラをあわせて合計5つ。
- メインカメラ
- 12MP(広角)+12MP(超広角)+12MP(望遠)
- 最大2倍光学ズーム
- 最大10倍デジタルズーム
- フロントカメラ
- メインディスプレイ:4MP
- カバーディスプレイ:10MP
各カメラの有効画素数はこんな感じ。
Galaxyシリーズのカメラには通常のカメラモードのほか、自撮りに最適な”セルフィー”、被写界深度と明るさを変更可能でぼかし効果を加えられる”ポートレート”、暗い場所での撮影に適した”ナイトモード”、露出やISO感度を調整してより自由な設定で撮影できる”Proモード”といった様々な機能が利用できますが、Galaxy Z Fold3 5Gもがっつり利用できるというのも大きなトピックの1つ。
Galaxy Z Fold3 5Gで撮影した写真をいくつか眺めつつ見ていきましょう。ぱぱっとご紹介していきますね。
まずはGalaxy Z Fold3 5Gの通常モードで撮影した写真。アップロード時にかなり圧縮していますが、それでもディティールはしっかり表現されていることが伝わるかと思います。普通に綺麗。
こちらは通常モードで寄りめに撮影した写真。ほぼ実際に目で見ている色味が再現されていました。
HDRオンで撮影した写真はこんな感じ。よりコントラストのくっきりはっきりした写真です。ぼやぁっとした光がGood。
お次はGalaxy Z Fold3 5Gのナイトモードについてですが、まずは明かりの少ないシチュエーションで普通に撮影した写真。
こちらが同じ環境でナイトモードで撮影した写真。明るさが全然違うことが伝わるかと思います。色味も鮮やかで素敵ですね。
ナイトモードを活用すれば、夜間でも少しの明かりさえあればめっちゃ綺麗に撮影することができるはずです。
セルフィーで映える”ポートレートモード”についてですが、こちらもマシンラーニングでいい感じに処理してくれるため、輪郭をぼやけさせずくっきり撮影することができました。
ポートレートモードで撮影した写真は通常のぼかしのほか、スタジオ照明やモノクロ、玉ボケ、ズームといったエフェクトに変更することが可能で、HDRも併用できます。Good。
フォルダブルスマホならではの写真撮影も素敵
Galaxy Z Fold3 5Gには折り畳みスマホの大画面を生かした”ならでは”の写真撮影が可能というのも大きなトピックの1つ。
例えば、写真を撮影しながら、撮った写真のプレビューをすぐに確認できたり…
折り畳みできる筐体を利用してスタンドいらずで写真を撮影することもできます。(カバーディスプレイが底面になるので、砂利や石ころには要注意)
それともうひとつ。性能の優れるリアカメラを使って自撮りできるというのも大きなメリットですね。カバーディスプレイにプレビューを表示できるので、ばっちり綺麗な画質でセルフィーできますよ。
切り替えもものすごく簡単で、画面右上に表示される「自分撮り」をタップするだけでOKです。
Galaxy Z Fold3 5Gの使用感
さて、Galaxy Z Fold3 5Gのスペックやカメラ性能についてチェックしたところで、実際の使用感についてもみていきましょう。
個人的に嬉しかったのは精度が高く、一瞬で認識される指紋認証なのですが、これがほんとに良くて。ロックを解除したいときにスッと解除してくれる。おそらく、日常生活で一番恩恵が大きいんじゃないでしょうか。
Galaxy Z Fold3 5Gは2Dの顔認証にも対応していますが、解除のしやすさは指紋認証が圧倒的です。人差し指を当てるだけ。ほんと絶妙な位置に配置してくれてるのです。
動画や映画の視聴では本領を発揮し、Dolby Atmosの恩恵でリッチな体験可能。Galaxy Z Fold3 5Gはスピーカーの音質も本当に良いので、没入感もマシマシです。
スマホとしても使えて、タブレットとしても使えるGalaxy Z Fold3 5Gはマルチタスクが便利になる画面分割も優秀です。
好きな幅でアプリを最大3つまで並べられるほか、位置を入れ替えたり、横分割と縦分割を切り替えたり、いつでも起動できるよう”エッジパネル”にアプリセットを登録しておくこともできます。
ただ、唯一気になる点があるとすれば…キーボードを固定で表示できないこと。せっかくの大きい画面なので、例えば右側で情報を表示しつつ、左側でエディターを開いて記事を書く的な用途で使いにくいのです。
できるのですが、画面をスクロールするたびにキーボードが隠れてしまうので、効率が落ちてしまう…と。いつかアップデートでキーボードの固定表示もお願いします。Samsungさん。
ゲーム性能はどんな感じ?
お次はGalaxy Z Fold3 5Gのゲーム性能について。これはもうスペックもりもりですし、12GBのRAM、最大120Hzの可変リフレッシュレートのおかげで多くのゲームがサクサクヌルヌル快適です。
スマホ向けゲームとしては重めな「原神-Genshin-」も最高画質でプレイ可能ですが、最適化がなされていないのか視点の移動時に残像ががっつりある感じ。
正直、高画質設定のまま原神をプレイするのは厳しく感じたかなぁと。
実際のゲームプレイでも重さを感じることはないですが、Android版 原神の最高画質は相当バッテリーを食うし、本体もかなり熱くなるので……僕は”低画質”設定で遊んでいます。(低画質設定だと画質は落ちるものの、フレームレートはかなり安定していた印象)
対応するゲームであれば、カバーディスプレイ時にウルトラワイドな画面でゲームをプレイすることもできるほか、通知に表示される”Game Booster”でゲームプレイのパフォーマンスを向上させられるというのも覚えておきたいポイントです。
がっつりプレイするならメインディスプレイの大画面で。ちょこっとプレイするならカバーディスプレイで。ポケモンユナイトも、原神も、遊戯王デュエルリンクスも、黒い砂漠モバイルも、最適化により程度の差はあれど、Galaxy Z Fold3 5Gなら”ある程度”快適に遊ぶことができるため、ゲーム機としても素敵です。
(パフォーマンスの最適化はアプリ側の対応に期待!)
Galaxy Z Fold3 5Gの微妙なところ、デメリット
フォルダブルで、魅力的で、高性能なGalaxy Z Fold3 5Gですが、良いところばかりではありません。微妙なところ、デメリットもあります。
僕が感じるGalaxy Z Fold3 5Gのデメリットとしては2つ。
- バッテリーの減りが早い
- カバーディスプレイ時のキーボードが小さくて打ちにくい
特に、電池持ちは日々気にしてる部分であり、7.6インチのメインディスプレイを使っているとバッテリーはみるみる減っていきます。スマホのバッテリーライフがどんどん伸びている昨今、これが結構なデメリットになっているかなぁと。
がっつりメインディスプレイも使っていきたいのですが、バッテリーの減りを考えるとついつい節約してカバーディスプレイで使う場面が多くなってしまうのです。
カバーディスプレイ使用時のバッテリーライフはめちゃ長いのですが…。
次はもうひとつのデメリット。僕はQWERTYキーボード派ですが、Galaxy Z Fold3 5Gはカバーディスプレイ時だとキーがギュウギュウに詰まっていて、ものすごく打ちにくい。誤字多発。
サイズを考えるとこれは仕方ないことですが…フリック入力に慣れていない人は注意が必要かもしれません。
カバーディスプレイでもテンキーフリック入力だと快適に打ち間違えなく文字が入力できるので、メインディスプレイではQWERTYを、カバーディスプレイではテンキーフリックといった感じで使い分けるのもおすすめです。
あと、Galaxy Z Fold 5Gのキーボード関連でもうひとつ。メインディスプレイ時はキーボードが真ん中で分割される”スプリットキーボード”がめっちゃ使いやすいのですが、これにも少し使いにくいところがありまして。
英語入力と日本語入力では“Hキー”の位置がめっちゃズレるんですよね。今はなんとか慣れて文字入力ができるようになりましたが、慣れるまでは誤字が多発。
スプリットキーボードじゃなくて普通のQWERTYを使えば問題ないのですが、やっぱり分割キーボード使いたいし…これも覚えておくといいかもしれません。
iPhoneやiPad miniとサイズを比較
最後におまけ。Galaxy Z Fold3 5GとiPad mini(第6世代)、iPhone 12 miniでサイズの比較もしておきましょう。なんとなくでもGalaxy Z Fold3 5Gのサイズ感を掴めれば。
iPhone 12 miniとGalaxy Z Fold3 5G、iPad mini(第6世代)を並べてみるとこんな感じで。
Galaxy Z Fold3 5Gを折りたたんだ状態ではiPhone 12 miniよりかなり厚め。
普通のスマホと比べれば、重たく、分厚いGalaxy Z Fold3 5Gですが、やっぱり、1台でスマホにもタブレットにもなれるというのは大きなメリットです。
レビューまとめ。Galaxy Z Fold3 5Gはスマホにもタブレットにもなれるすごいやつ
良くも悪くも、お気に入り過ぎて、語りたいことがありすぎて、少々長めのレビューになってしまいましたが…Galaxy Z Fold3 5G(SC-55B)の僕のレビューをまとめて締めといきましょう。
Galaxy Z Fold3 5Gは1台でスマホにもなれて、タブレットにもなれて、高性能ですごいやつですが、僕のレビューをまとめると以下の通りです。
メリット
- 最高峰の性能。
- 1台でスマホにもタブレットにもなれるフォルダブル。
- 最高の性能ではないけど、ベターなカメラ性能。
- 高音質なスピーカーと7.6インチの大画面のおかげで、映像コンテンツをリッチに楽しめる。
- Sペン対応、IPX8の防水、大幅に向上した耐久性。
デメリット
- メインディスプレイで使用しているとバッテリーの減りがものすごく早い。
- カバーディスプレイ時のQWERTYキーボードが小さくて、打ちにくい。
- 20万円超えのスマホというのは万人向けではない。
Galaxy Z Fold3 5Gのレビュー&評価まとめ
性能 | ★★★★★+ |
デザイン | ★★★★★ |
カメラ性能 | ★★★★☆ |
ディスプレイの綺麗さ | ★★★★★+ |
バッテリーの持ち | ★★☆☆☆ |
価格(コスパ) | ★★★☆☆ |
Galaxy Z Fold3 5Gの処理性能は申し分なし。5nmプロセス&オクタコアの”Snapdragon 888″と12GB RAMにより、性能不足を感じることはまずないはずです。
カメラ性能も日常使用では十分すぎる性能を備えていますし、おサイフケータイに対応していたり、IPX8の防水に対応していたり、その他の機能面でもきっと満足できるんじゃないかなぁと。大幅に向上した耐久性のおかげで従来のモデルよりも安心して利用できるというのもGoodです。
気になるのはメインディスプレイ使用時のバッテリーの減りの早さですが、バッテリーがなくなるたびに充電と割り切ってしまえれば…気にならないとまではいかないまでもなんとかなる。
本体価格が20万円以上というハードルさえ超えられれば、Galaxy Z Fold3 5Gは最高の体験を与えてくれるはずです。もう毎日毎日愛でるように使っていますが、Galaxy Fold3 5Gほど使っていて楽しいスマホは今までになかったかも。参考になれば!