VRで出来る大抵のことはこいつで十分。
2023年10月に発売されたMeta Quest(旧Oculus Quest)の新型モデル「Meta Quest3」ですが、改めてスペックや仕様、画質や性能についておさらいしつつレビューをお届け。
Meta Quest 3Sも登場しましたが、こちらは解像度が控えめになっており、現状現実的な価格で最高のVR体験を求めるならMeta Quest3は良い選択肢になります。
※Update 2024/11/16, この記事は、2023年9月に公開した記事を最新の情報に加筆&修正したものです。購入を検討している人はぜひ参考に。
解像度は歴代最高「Meta Quest3」をレビュー
Meta Quest3は、Meta Quest2よりも2倍高速なSoC、歴代で最も高い解像度のディスプレイ、デュアルRGBカメラによる立体視カラーパススルー、複合現実(MR)など、前モデルから大幅に進化進化しており、中でも、4Kを超えるinfinite Displayを搭載し、ピクセルが30%増加したのは大きなトピック。
▶Introducing Meta Quest3 – Youtube
Meta Quest3はスタンドアローン型のVRヘッドセットですが、実質Meta Quest Proの廉価モデルといった立ち位置となり、最先端のMR/VRを両方体験できるMeta初のコンシューマー向けデバイスです。
Meta Quest3は、Qualcommと共同開発した次世代SoC「Snapdragon XR2(第2世代)」を搭載しており、Meta Quest2に搭載されている”Snapdragon XR2(第1世代)”と比較して2倍以上のグラフィックス性能を実現。8GBのDRAMを搭載するほか、さらなる高画素数での描写が可能。
さらに、Meta Quest3は40%スリムになったボディも大きなトピックで、Meta Quest2は重心が前面にあり、長時間使用には”Eliteストラップ”がおすすめされていましたが、Meta Quest3は装着感も改善されています。
※重さは515gと少し重くなった。
Meta Quest3は、500以上のVRゲームやアプリが含まれるMeta Quest2のコンテンツカタログと後方互換性があり、現行モデルと互換性があるのもシンプルに嬉しいポイント。
僕がMeta Quest3を購入してから約1年。ギャラリーの画像は今さっき撮影したものですが、意外と汚れが目立つことに気付いたのでは?Meta Quest3はヘッドバンドの周辺が汚れやすいのも知っておきたいポイントかも。
Meta Quest3の解像度は歴代最強
Meta Quest2とMeta Quest Proの解像度は片目1,832×1,920、両目の解像度は3,664×1,920のディスプレイを搭載していましたが、Meta Quest3はこれを上回るさらに高い解像度を誇るディスプレイを搭載。※Meta Quest 3Sは片目あたり1,832×1,920ピクセル。
Meta Quest3の解像度は片目あたり2,064×2,208ピクセルとなっており、両目での解像度は4,128×2,208ピクセル。Meta Quest2は両目3,664×1,920ピクセルだったため、約30%の高画質化を実現しています。
Meta Quest3はQuest Proと同じ「パンケーキ型レンズ」を搭載し、リフレッシュレートは90Hz/120Hzに対応。正確なレンズの位置調整とスムーズな瞳孔間距離調整機能(無段階)も搭載しているため、自分にあうように調整しやすいのもメリットのひとつ。
瞳孔間距離(PID)の調整範囲は58mm~71mmです。
立体視カラーパススルーも十分綺麗
Meta Quest3は、2つの「4メガピクセル RGBカラーカメラ」を搭載したことで立体視フルカラーパススルーに対応。
Meta Quest2と比較すると10倍以上の画素数を実現しており、より精度の高いプレイエリアを可能にする「深度センサー」を搭載した恩恵でユーザーの周囲にあるものを検知し、ガーディアンの設定も自動になりました。
さすがにApple Vision Proとは明確な違いがありますが…Meta Quest3のパススルーも、画質は十分使えるレベル。Meta Quest3を装着したままスマホの操作も”ある程度”はできます。
パススルーとは、現実の世界とVR空間を組み合わせて表示する技術のこと。Meta Quest3はより自然でリアルなパススルー表示が可能になります。MR(複合現実)にさらにコミット。
MR体験もなんのその「Meta Reality」
Meta Quest3は「Meta Reality(ミックスリアリティ)」でVRとMRを組み合わせた複合現実に対応。
MRをがっつり体験できるMeta初のコンシューマー向けプロダクトとなり、上述の立体視カラーパススルーを活用し、現実と仮想空間が融合したようなMRコンテンツをケーブルを気にせず、思いっきり楽しむことができます。
Meta Quest3なら、向上したスペックと処理性能、フルカラーパススルー、そしてMR Realityをフル活用して仮想デスクトップ環境を構築できる”Immersed“も意外と快適。
▶Work Faster in VR/AR than in real life – Youtube
Meta社のCEOマーク・ザッカーバーグ氏が自身のInstagramでMeta Quest3のカラーパススルーとMRゲームのプレイ映像を公開しているので、気になる人はこちらにも目を通しておくといいかもです。
TouchPlusコントローラーがめっちゃ使いやすい
Meta Quest3のコントローラーは技術の進歩により、トラッキングリングを廃止したシンプルでモダンなデザインに進化しましたが、これがまた鬼使いやすい。
Meta Quest3のコントローラーは人間工学に基づきより洗練されたデザインが採用されたほか、触覚フィードバック「TrueTouchハプティクス」を搭載しており、コントローラーを使わず、自分の手でオブジェクトを操作できる「ダイレクトタッチ」にも対応します。
Meta Quest2/Meta Quest Pro用に発売されているセルフトラッキング式のコントローラー”Touch Proコントローラー”はMeta Quest3でも使用可能です。
Meta Quest3のコントローラーは、単三電池1本(左右1本ずつの合計2本)で動作します。充電が減るのは結構速い印象なので、エネループなどの充電池を使うのがおすすめです。
Meta Quest3は「Air Link」でPCと接続可能
Meta Quest3は「Air Link(無線)」または「Meta Quest Linkケーブル」でWindows PCと有線接続することで、PCのパワーを利用してゲーム体験を大きく引き上げることもできます。
Meta Quest Linkケーブル(Type-C to C)は別売りで、有線接続する場合は推奨スペックを満たしたPCが必須な点はご注意を。
Meta Quest Linkの推奨スペック | |
---|---|
CPU | Intel i5-4950以上 Ryzen5 1500X以上 |
GPU | GTX1060 6GB以上 AMD 400シリーズ以上 |
RAM | 8GB以上 |
OS | Windows 10/11 |
ちなみに、無線接続の「Air link」は遅延の問題もあるので、僕はUSB-Cで使用することが多め。
Meta Quest3は有線接続に対応しているのも嬉しいポイントで、PCに保存しているVR動画やゲームを遅延なしで遊べるのはMeta Quest3の大きなメリットかも。
Meta Quest3はApple Vision Proと違ってがっつり大人向けな楽しみ方が出来るのも特徴で、僕は2025年2月に発売されるVR彼女の最新作「VRな彼女(Steam)」を最強に楽しみにしてる。
(基本的にPCが要求スペックを満たしていれば、Steam VR向けゲームはすべて遊べます)
Meta Quest3のスペックまとめ
名称 | Meta Quest3 |
SoC | Qualcomm Snapdragon XR2 グラフィック性能は2倍 |
サイズ | 40%スリム化 約512g |
ストレージ | 128GB 512GB |
DRAM | 8GB |
ディスプレイ | 片目:2,064×2,208ピクセル 両目:4,128×2,208ピクセル パンケーキレンズ |
リフレッシュレート | 90Hz 120Hz(テスト機能) |
視野 | 水平:110度 垂直:96度 |
レンズ調整 | より正確なレンズ位置調整 スムーズな瞳孔間距離調整 瞳孔間距離(IPD):58~71mm |
カメラ | 2つの4MP RGBカラーカメラ 深度センサー Meta Quest2の10倍の画素数のパススルー 18PPD 性格な深度投影とルームマッピング |
バッテリー | ゲーム:2.4時間 ソーシャル:2.2時間 プロダクティビティ:1.5時間 メディア:2.9時間 |
自由度 | 6DoF インサイドアウト方式 |
電源 | 18W 電源アダプター付属 充電時間:2.3時間 |
コントローラー | Touch Plusコントローラー TrueTouchハプティクス(触覚) 単三電池で駆動 |
通信 | Wi-Fi 6E Bluetooth 5.0 |
発売日 | 2023年10月10日 |
価格 | 512GB:81,400円 |
Meta Quest3のスペックや仕様についてダダっとまとめると上記の通り。
Meta Quest 3Sが登場したことで、Meta Quest 3のストレージ(容量)は512GBのみがラインナップされており、価格は96,800円 → 81,400になったので、実質値下げ。
トラッキング方式は「6DoF(外部センサー不要のインサイドアウト方式)」となり、体全体の動きを認識することができます。
Meta Quest3とMeta Quest2のスペック比較
Meta Quest2 | Meta Quest3 | |
SoC | Snapdragon XR2 | Snapdragon XR2 第2世代 グラフィック性能は2倍 |
サイズ | 295.5×191.5×102mm 503g | 40%スリム 512g |
ストレージ | 128GB 256GB | 512GB |
メモリ | 6GB | 8GB |
ディスプレイ | 片目:1,832×1,920 両目:3,664×1,920 パンケーキ型 LCD(液晶) | 片目:2,064×2,208 両目:4,128×2,208 歴代最高の解像度 パンケーキ型 LCD(液晶) |
リフレッシュレート | 60Hz/72Hz/90Hz | 90Hz/120Hz |
IPD (瞳孔間距離) | 58/63/68mm (3段階) | 正確な調整 58~71mm |
視野角 | 垂直:96° 水平:96° | 水平:110° 垂直:96° |
電池持ち | 2-3時間 | 最大2.9時間 |
カメラ | 前面に4つのカメラ モノクロ | 2つの4MP RGBカラーカメラ 深度センサー Meta Quest2の10倍の画素数のパススルー |
自由度 | 6DoF インサイドアウト方式 | |
コントローラー | Touchコントローラー | Touch Plusコントローラー TrueTouchハプティクス |
発売日 | 2020年10月13日 | 2023年10月14日 |
価格 | 128GB:47,300円 256GB:53,900円 | 512GB:8,1400円 |
参考までに、前モデルとなるMeta Quest2とMeta Quest3のスペックを比較してみると上記の通り。がっつりブラッシュアップされていて、解像度/性能ともに向上。
Meta Quest 3Sの登場に合わせて512GBモデルの価格も値下げされており、適正どころかコスパ良すぎるVRヘッドセットになってます。
Meta Quest3は現実的な価格で高画質&高性能。がっつりVRを楽しめるヘッドセット
さてさて、性能や機能、解像度など、スペックをおさらいしつつ「Meta Quest3」のレビューをお届けしてきましたが、最後に僕のレビューと評価をまとめておきます。
VR動画やVRゲームなど、高画質でVRコンテンツを楽しむならMeta Quest3を選んでおけば…ほぼ間違いなし。
Meta Quest3 レビュー&評価
現実的な価格で最高のVR体験。
メリット
- 現実的な価格で最高性能
- 4k超えの高画質
- スリムで軽い装着感
- 対応ゲームやアプリが豊富
- ほぼすべてのVRコンテンツで最高のパフォーマンスを発揮してくれる
- Meta Quest3Sが登場したことで、実質値下げされた
デメリット
- Vision Proと比べて、仮想ディスプレイでの仕事は苦手
- バンドが汚れやすい
- SteamVRが突然閉じることがある ※これは僕の環境が原因の可能性もあります
- もう少し広い視野角だと最強だった
画質 | |
機能 | |
パススルー | |
デザイン | |
コスパ | |
総合評価 |
※レビューの評価基準についてはこちら。
Meta Quest 3の僕のレビューと評価をまとめると上記の通り。価格は512GBは81,400円です。
Meta Quest3はApple Vision Proとはまた違ったアプローチの印象ですが、どちらかというとMeta Quest3はエンタメ寄り。想定される用途としては映像コンテンツやVRゲーム、MRを活用した仮想デスクトップが主になるのかなと。
※廉価版Apple Vision Proが2025年に発売されるかも…って噂もあるので、画質や性能、価格によってはMeta Quest3のライバルになるかも。詳細は以下の記事からどうぞ。
Meta Quest3は、現状、現実的な価格で高画質&高性能。がっつりVRを楽しめる最高のVRヘッドセットだと思うので、VRデビューを考えている人はMeta Quest3が良い選択肢になるかもです。
そろそろAmazonのブラックフライデーが始まる季節ですが、Meta Quest3も良い感じで安くなりそうな予感なので、購入を検討している人はビッグセールを狙うとよき。