ここ最近ずっと考えていたAVアンプ&スピーカーの新調。
僕はもうずっとSONYのホームシアターセット”HT-SS380″を使っていたのですが…ついに! SONYの4k&Dolby Atmos対応AVアンプSTR-DH790とCSシリーズのスピーカー(SS-CS5/SS-CS8/SA-CS9)を購入したので、音質や使用感についてがっつりレビューをお届けです。
もう2か月ほど使っており、だいぶ操作や設定、機能について把握してきた頃合いでして。STR-DH790は控えめに言って最高。
高い臨場感と没入感で映画を楽しむことができますし、素晴らしい音質で音楽を楽しむこともできる。なんなら、iPhoneやAndroidスマホとBluetoothでペアリングして音楽を再生することもできるのです。(しかも、スマホで接続したら自動で電源ON…最高か)
SONY公式ストアでの価格は43,868円とミドル帯な価格ですが、その性能&音質&機能には満足できること間違いなしです。
STR-DH790については語りたいことがありすぎたので、少々眺めの記事になっちゃってますが…読みたいところは目次を活用してもらうとしまして。早速レビューといきましょう。
マルチチャンネルインテグレートアンプ「SONY STR-DH790」をレビュー(4k&Dolby Atmos対応、最大7.1ch)
それでは、早速SONYのマルチチャンネルインテグレートアンプ「STR-DH790」のレビューです。
STR-DH790のサイズは430 x 133 x 297 mm、重さは7.5kg。パッケージから出してみると、同梱されているものは結構シンプルになっていまして。
- STR DH790本体 ×1
- キャリブレーションマイク ×1
- リモコン(RMT-AA401U) ×1
- 単四乾電池 ×2
- FMアンテナ線 ×1
- 説明書とスタートガイド
付属品は上記のとおり。
付属の説明書とスタートガイドには細かくSTR-DH790の設定について記載されているため、初めてAVアンプを購入する人でも安心して利用することができますよ。
こちらがサラウンドフィールド(音響)や接続先の切り替え、Bluetoothのペアリング、設定などなど、様々な操作ができるSTR-DH790のリモコン「RMT-AA401U」。
詳細は後述しますが、STR-DH790には自動で音響補正を行ってくれる「アドバンストD.C.A.C.」と呼ばれる機能が搭載されており、そのために必要なキャリブレーションマイクも付属しています。
STR-DH790のデザインを眺めつつレビュー
さて、ここからはじっくりと「STR-DH790」のデザインを眺めていきましょう。正面はこんな感じになっていまして。
従来モデルと比較して高さは15%低く、奥行きは10%短くなっているため、テレビラックなどに収納しやすくなっているというのも大きなポイント。
正面左側には電源ボタンとヘッドフォンジャック、キャリブレーション用のマイク端子、そしてFMチューナー用のボタンが搭載。
正面右側にはディスプレイボタンやBlutooth、インプットセレクターとボリュームコントローラー。
中央部にはワンタップでサウンドフィールドを切り替えられるボタンが4つ搭載。
各ボタンは対応するカテゴリの音響を変更できるようになっており、例えば…2CH/MULTIボタンを押すと「2ch Stereo > Multi ch Stereo > Direct > A.F.D.」といった感じで音響を切り替えることができます。
(もちろん付属のリモコンでも操作可能です)
上面には排熱用のスリット。緑色のデジタル系回路基盤がうっすらと見えていますが、こいつもSTR-DH790の大きなトピックの1つで。
基盤を接合部のない一体成型とすることとで剛性&堅牢性を高め、基盤に伝わる振動も軽減、オーディオ信号が変調することを防ぐ効果があります。
STR-DH790では、耐振性に優れたFBシャーシにXエンボスデザインを採用 。Xエンボス加工によって設けられたビーム(梁)が、これまで以上にトランスやヒートシンクの重量を強固に支えるとともに、スピーカーからの音圧など外部の力からの影響を最小にし、アンプ回路への不要な振動の伝播を遮断するように最適な配置としています。
高剛性化と厳重な振動対策により、豊かな量感と歯切れ良い音の再現を両立しています。
STR-DH790 特長 : 音質 | コンポーネントオーディオ | ソニー (sony.jp)
また、耐震性に優れる筐体に”Xエンボスデザイン”を採用したことでこれまで以上に剛性が高められているほか、スピーカーの音圧や外部からの影響を最小にし、アンプ回路への不要な振動を遮断するような工夫もされています。
STR-DH790の足はこんな感じ。
STR-DH790はアドバンストD.C.A.C.やA.P.M.、イコライザーやサウンドフィールドなどなど、高度なDPSを実現するためにDSPを3基搭載したおかげで処理性能も向上。
リニア広帯域パワーアンプにより、広帯域かつローノイズを実現している…というのも大きなトピックですね。豊かな低音に透き通るようなボーカル、自然な空間表現が特徴です。
STR-DH790の背面(端子類)
次はSTR-DH790の背面に目を向けてみましょう。背面には端子類がびっしり搭載されていまして。
右側には4系統のHDMI入力端子と1系統のHDMI出力端子、電源が必要なUSBデバイスを接続できるパワーサプライポート、光字デジタル、FMチューナー用のアンテナ、オーディオ端子。
(サブウーファー用OUTが2つあるのも大事なトピック。同じ信号が出力されるのだと思われますが、5.2ch構成や7.2ch構成も可能というのはSTR-DH790のメリットですね)
背面左側にはスピーカー類を接続するための端子が搭載されています。ちなみに、STR-DH790のスピーカー端子フロントスピーカー用の端子が”バナナプラグ”に対応しています。
その他のスピーカーはすべてプッシュ式ですが、フロントスピーカーだけバナナプラグを使用するのもいいかもです。
(フロントスピーカーはバナナプラグ無しでも接続できますが、僕はネジロック式のバナナプラグを購入しました)
STR-DH790の機能
ここからはSONY STR-DH790の主要な機能についておさらいしておきましょう。※STR-DH790は、テレビやモニターとHDMIでケーブルすると映像を出力して設定画面を開くことができます。リモコン単体でも操作はできますが、TVまたはモニターと接続するのがおすすめ。
覚えておきたいSTR-DH790の機能としては…
- 4k/60fps、HDR対応
- 従来のチャンネルベースに音の位置情報や移動情報(オブジェクト情報)を加えた最新の音声フォーマット「Dolby Atmos」「DTS:X」対応
- 自動音場補正機能「アドバンストD.C.A.C.」
- スピーカーの位相特性をフロントに揃えて音のつながりを改善する「A.P.M.」
- フロントスピーカーだけでも臨場感あるサラウンドを実現する「S-Force PROフロントサラウンド」
- iPhone&AndroidスマホとのBluetooth接続機能
こんなところ。いずれも映画や音楽といったエンターテインメントコンテンツの体験をさらなる高みへと引き上げてくれる機能になっていまして。Dolby AtmosやDTS:Xに対応するというのも最高なのですが、地味に僕が推したいのは”Bluetooth接続機能”。こいつがめっちゃ便利なのです。
上記のほか、STR-790は「ワイドFMチューナー」や夜間に小さい音でも迫力ある音で音楽を楽しめる「ナイトモード」、入力信号をそのまま再生する「ピュアダイレクトモード」といった機能を搭載していますが、STR-DH790の機能についてもサクッとご紹介していきますね。
自動音場補正+A.P.M.「アドバンストD.C.A.C.」
まずは、STR-DH790の自動音場補正+A.P.M(オートフェーズマッチング)機能「アドバンストD.C.A.C.」について。
こちらはSTR-DH790に付属するキャリブレーションマイクを接続するだけで簡単にスピーカーセッティングを調整してくれる機能なのですが、これは間違いなくSTR-DH790を購入したら行っておきたい大事なセットアップ。
方法は簡単で、STR-DH790の前面に配置されている”CALIBRATION MIC端子”にキャリブレーションマイクを接続して、アンプメニューから「A. CAL」を選択するだけ。
スピーカーから音を鳴らし、STR-DH790が自動で音場を調整してくれます。
ソニーの自動音場補正機能「D.C.A.C.」は付属の測定マイクロフォンを使い、部屋の音響特性を約30秒で自動測定し各スピーカーの距離、音圧(レベル)、周波数特性を精密に補正する技術です。
STR-DH790に搭載の「アドバンストD.C.A.C.」はこの「D.C.A.C.」をベースに、31バンドのグラフィックイコライザーでより精密な周波数特性の補正を行います。同時に部屋の形が原因の不要な反射音も同時に除去することで、開放的でクセのない再生環境を作り出します。さらに、最新の音声フォーマット「Dolby Atmos(R)」「DTS:X(R)」に対応した自動位相マッチング機能「A.P.M.」を加えて、全てのチャンネルに同じスピーカーを使った時と同等のつながりの良い理想的なホームシアターの設置環境を構築します。
STR-DH790 特長 : 音質 | コンポーネントオーディオ | ソニー (sony.jp)
D.C.A.C.は僕が前に使っていたHT-SS380にもあった機能ですが、補正精度は遥かに高くなっており、設定しているのとしていないのとではびっくりするくらいに音の聞こえ方が変わるため、もしSTR-DH790/DH590を購入したら設定をお忘れなくです。
iPhone/AndroidとのBluetooth接続が秀逸
次に僕の推し機能「iPhone/AndroidスマホとのBluetooth接続」についてですが、これがもうかなりいい感じで。
僕のホームシアター環境は「STR-DH790 > PC > モニター」といった感じで構築していまして。普段は音楽を聴いたり、臨場感溢れる音響で映画を楽しんでいるのですが、iTunesだったり、NetflixやDisney+だったり、PCがコンテンツのハブとなっているため、PCの起動は必須。
ただ、STR-DH790は+αで”Bluetooth機能”を搭載しているため、PCの起動いらずでいつでもiPhone/Androidスマホから音楽を飛ばして再生できるのです。
例え電源が入っていなくとも、スマホから接続すれば自動で電源がONになってくれるので、控えめに言って…最高。このカジュアルさがかゆいところに手が届くというか、パッと接続して音楽を再生して、終わる時はスマホのBluetooth接続を切るだけ。素敵です。
Bluetooth接続でのプロファイルはA2DPおよびAVRCP、コーデックはSBCとAAC。ペアリングモード時は点滅。
初回のペアリングはリモコンの”PAIRINGボタン”から行う必要がありますが、一度接続してしまえばあとは自動でONになってくれます。
サウンドフィールド(音響)について
STR-DH790には「2CH/MOVIE」「MOVIE」「MUSIC」の3カテゴリに分かれて8種類のサウンドフィールド(音響)が用意されています。
それぞれ異なった特性を持っており、例えば、音楽を聴くために特化したサウンドフィールドや映画の臨場感を高めることに全振りしたサウンドフィールドなど、様々な音響を簡単に切り替えて楽しむことができる…というのも大きなトピック。
STR-DH790の”サウンドフィールド(音響)”についてさくっとまとめると以下の通りです。
- 2CH/MULTI
- 2ch Stereo(2chステレオ)
- 2チャンネル音声信号をサラウンド効果を加えずに再生。モノラル音声信号やマルチチャンネル音声信号は2チャンネルに変換して出力。
- 2本のフロントスピーカーのみで、バーチャルサラウンド効果を加えずに音声信号をそのまま再生したいときに適しています。
- フロントL/Rのスピーカーから音声が出力され、サブウーファーからは音が出ない。
- Multi Ch Stereo(マルチチャンネルステレオ)
- 接続されているすべてのスピーカーから音声を出力。2チャンネル音声信号やモノラル音声信号の場合はサラウンド効果を加えずにすべてのスピーカーから出力。
- マルチチャンネル音声信号の場合は、スピーカーの設定やコンテンツによって一部のスピーカーから音声が出力されない場合がある。
- Direct(ダイレクト)
- すべての音声信号をサラウンド効果を加えずに再生する。
- Auto Format Decording(A.F.D.)
- 入力された音声信号に応じて、適切な処理方法でデコードし、再生。
- 僕の場合、2ch/Multiは基本”A.F.D.”に設定してることが多い。
- 2ch Stereo(2chステレオ)
- MOVIE
- Dolby Surround
- Dolby Surroundアップミキサーが従来の音声コンテンツをマルチチャンネルに拡張し、ハイトスピーカーを含めたマルチチャンネルスピーカー構成で再生可能。
- 従来の映画や音楽コンテンツの再生時でも高さ方向への音像を作り出せるようになるため、これまで以上に高い臨場感が得られる。
- Neural-X
- 新しいアップミキサー技術で、ステレオ、5.1ch、7.1chの映画や音楽をスピーカー構成に合わせて再配置。
- これにより、従来の映画や音楽コンテンツの再生時でも高さ方向への音像を作り出せるようになるため、これまで以上に高い臨場感が得られる。
- Front Surround(フロントサラウンド)
- ソニーオリジナルのバーチャル信号処理技術により、2本のフロントスピーカーでも豊かなサラウンド効果が楽しめる。
- Dolby Surround
- MUSIC
- Audio Enhancer(オーディオエンハンサー)
- ポータブルオーディオ機器の音源をよりクリアな音像で再現。MP3やその他の圧縮された音源に適している。
- Audio Enhancer(オーディオエンハンサー)
大抵の場合は2CH/MULTIの「A.F.D.」に設定しておけば自動で適切な処理でデコードしてくれるので問題ないですが、映画を見るときはMOVIEの「Dolby Surround」や「Neural:X」、音楽を聴くときはMUSICの「Audio Enhancer」といった感じでコンテンツによって切り替えて楽しむのがおすすめです。
特に、映画に最適化されたサウンドフィールドは臨場感と迫力をがっつり感じることができるはずです。リモコンのボタンを押すだけで簡単に切り替えられますし、自分の好みに合わせて変更できるというのもGood。
古いSONY製AVアンプと異なり、用途が微妙で無駄なサウンドフィールドが無いというのも素敵。
オーディオケーブルは別売り
注意点として、STR-DH790にはスピーカーケーブルが付属していません。スピーカーにも付属していないため、スピーカーケーブルは別途用意しておきましょう。
おすすめはAmazon Basicsのスピーカーケーブルで、十分な長さと品質を備えていますよ。スピーカーケーブルに困ったらAmazon Basicsで間違いなし。
STR-DH790のスペックと仕様
サイズ | 430 x 133 x 297 mm 7.5kg |
最大出力 | フロント:145W×145W(6Ω) センター:145W(6Ω) サラウンド:145W×145W(6Ω) サラウンドバック/フロントB/ハイト/バイアンプ共用:145W×145W(6Ω) |
HDMI入力 | 4系統 |
HDMI出力 | 1系統 |
音声出力 | サブウーファー:2系統 ヘッドフォン:1系統 光デジタル:1系統 同軸デジタル:1系統 ライン系:4系統 |
ネットワーク接続/その他 | Bluetooth USBパワーサプライポート×1 |
FM/AMラジオ | 〇 (ワイドFM対応) |
周波数特性 | 10Hz-100KHz + 0.5/-2dB |
SN比 | LINE:105dB |
ヘッドフォン出力 | 60mW+60mW(32Ω) |
電源 | AC100V、50/60Hz |
消費電力 | 240W |
待機消費電力 | 0.3W ※HDMI機器制御、スタンバイスルー、Bluetooth®スタンバイモードをOFF時 |
その他 | 3D対応、ARC、4k HDCP 2.2 パススルー対応、HDR、4k 60p、ドルビーアトモス、DTS:X、最大7.1ch |
SONYのマルチチャンネルインテグレートアンプ「STR-DH790」のスペックと仕様は上記の通り。一部抜粋したものとなっているため、より詳しい詳細が気になるブラザーは公式HPもあわせてどうぞ。
▶STR-DH790 | コンポーネントオーディオ | ソニー (sony.jp)
ソニー製スピーカー(SS-CS5/SS-CS8/SA-CS9)をレビュー
僕はSTR-DH790と合わせてSONY”CSシリーズ”のスピーカー(SS-CS5/SS-CS8/SA-CS9)も購入したので、こいつらも簡単にレビューをお届けです。
(サイズを確認せずに買っちゃったので、でっかい箱が届いたのには驚いた。無事に置けたのですが…購入前のサイズ確認もお忘れなきよう)
センタースピーカー「SS-CS8」
まずは映画や動画コンテンツで重要になるセンタースピーカー「SS-CS8」について。
25mmのソフトドームツイーター×1と100mmのウーファーユニット×2、ソニー独自の「MRC(発砲マイカ)」を採用しており、サイズは430×146×220mm。
重さは約5.0kg。
メッシュは取り外し可能。
メッシュを外してみるとこんな感じになっていまして。SS-CS8は10,450円という買いやすい価格ながら高品位なオーディオパーツが採用されており、高級感もあります。
もう少しググっと寄って見てみましょう。あぁ、かっこいい。100mmのウーファーユニットに採用されているソニー独自の「MRC(発砲マイカ)」が良い味出してますね。
このMRCは異なる種類のMRCを組み合わせた2層構造となっており、ベース素材には発泡倍率が高く、軽量で剛性の高いMRCを。表層の素材には発泡倍率が低く、しなやかで素直な音質のMRCが使用されています。
この独自MRCにより、切れのある引き締まった低音と明瞭なセリフを実現しているとのこと。
背面はこんな感じ。センタースピーカー「SS-CS8」はSTR-DH790より大きめなサイズとなっているため、設置スペースはしっかり確保しておきましょう。
▶SS-CS8 | コンポーネントオーディオ | ソニー (sony.jp)
ブックシェルフスピーカー「SS-CS5」
お次はSONYの3ウェイスピーカー「SS-CS5」について。
公式ストアでの価格は20,350円となっており、SS-CS8と同様にソニー独自のMRC(発砲マイカ)が採用されているほか、25mmのソフトドームツイーター×1、19mm高指向性スーパーツイーター×1、130mmのウーファーユニット×1を搭載しています。
こちらもメッシュは取り外し可能。
サイズは178×335×220mm、重さは約4.5kg。エンクロージャー(筐体)の質感も素敵です。
詳細は後述しますがSS-CS8の音質はどちらかというと若干低音の深みに欠け、中音域がクリアな印象。後ろの壁などが近すぎると音がぼやけてしまうので、配置場所は後方に十分なスペースを確保するのがベターですね。
19mmの広指向性ツイーターのおかげで確かな音の広がりを感じることができるはずです。
SS-CS8の背面はこんな感じ。エントリークラスのスピーカーながら、ユニット配置の最適化、計算されつくしたエンクロージャー設計により、優れた音質を実現しています。
アンプから入力された音楽信号を損なわずに、ありのままの音楽表現を実現するために、SS-CS5ではエントリークラスでありながら高品位なオーディオパーツを採用しました。
クロスオーバーネットワークの素子にはトゥイーター用のコイルに空芯を、ウーファー用に珪素鋼板コアを採用し、さらに可能な限り太い巻線を採用。コンデンサーは全てフィルムコンデンサーとするなど低品位な素子では失われがちな音楽情報の欠損を最小限に留め、エネルギッシュでありながら繊細な感情の変化まで表現します。
SS-CS5 特長 | コンポーネントオーディオ | ソニー (sony.jp)
20,350円でこの音質と性能は素敵過ぎるので、STR-DH790でAVアンプデビューを飾るならSS-CS5もあわせてどうぞ。満足感も最強に満たされました。
▶SS-CS5 | コンポーネントオーディオ | ソニー (sony.jp)
サブウーファー「SA-CS9」
最後に、低音の要となるサブウーファー「SA-CS9」について。バスレフ型のエンクロージャーに250mmコーン型のドライバーユニットが搭載されており、価格は20,350円。
サイズは295x345x400mm。重さは11.5kgなので、エントリークラスとしては大きめサイズです。(ほんと、結構大きいのでスペースは取るかもしれません)
※バスレフ型とは、エンクロージャーに穴を開け、そこに筒をつけることで音の低音域部分をヘルムホルツ共鳴によって増幅する方式のこと。密閉型と比べて背圧の影響が少なく、空間的に広がる音が特徴です。
メッシュをぱかっと。こちらもソニー独自の「MRC(発砲マイカ)」が採用されており、力強く、クリアで豊かな低音域が特徴です。
背面はこんな感じで、電源用のコンセントと接続端子、レベルやカットオフを調整するつまみが搭載。「オートパワーオン機能」によりSTR-DH790でサブウーファーを使用する音声信号を検出すると自動で電源が入ります。
背面のスイッチ/つまみ類はこんな感じ。サブウーファー側でも音質を調整することができます。
スピーカーケーブルの接続はプッシュ式。STR-DH790の場合こちらは使用せず、付属のRCAケーブルで接続します。SA-CS9はエントリークラスのアクティブサブウーファーとしては大満足すぎる性能で、映画では大迫力な低音を響かせてくれますし、小さめな音で映画を見ていても弱々しくなることもありません。めっちゃいいですよ、SA-CS9。
▶SA-CS9 | コンポーネントオーディオ | ソニー (sony.jp)
Dolby Atmosでコンテンツを楽しむなら「SS-CSE」をどうぞ
サラウンドスピーカーはAurex SSV1W。
現在は40年以上前のスピーカー「Aurex SS-V1W」をサラウンドスピーカーとして使用していますが、こちらは後日いい感じのスピーカーに買い替え予定。
(Aurexはじいちゃんの家で40年以上眠っていたスピーカーのうちの1つですが、試してみたら想像以上に音が良くてそのまま使ってます。全然生まれてないけどエモいですし)
また、STR-DH790でDolby Atmosを楽しみたい場合はソニーのイネーブルドスピーカー「SS-CSE」がおすすめです。SS-CSEはフロントスピーカーの上に置くと天井反射を利用し、トップスピーカーのような高さ方向の音場を再現してくれます。
▶SS-CSE | コンポーネントオーディオ | ソニー (sony.jp)
STR-DH790とスピーカーを接続する
せっかくですし、初めてAVアンプとスピーカーを購入して音響環境を揃える…ってブラザーのためにSTR-DH790とスピーカーを接続する方法についてもさらっとおさらいです。
オーディオケーブルの被覆を剥がすのは10mm。基本的な接続方法はアンプ本体に記載されているので、接続自体はものすごく簡単ですよ。
まずは、オーディオケーブルの被覆を10mm剥がし、ちょこっとねじってやります。ケーブルの皮むきは慣れるとハサミやニッパーでも出来ますが、慣れないと銅線を傷つけてしまうので…初めての人はワイヤーストリッパーを使うと楽々。
僕の場合、最初に繋ぐのはスピーカーから。CSシリーズのスピーカーはネジ式になっているので、ネジを緩めてケーブルを差し込み固定すればOKです。(この時に位置キメをするとらくちん。黒い色の端子に黒いケーブルを合わせれば極性を間違えることもありません)
この作業をすべてのスピーカーで繰り返して…
あとはSTR-DH790の対応する端子に接続するだけ。簡単ですね。サブウーファー「SA-CS9」のみ付属のRCAケーブルで接続してやりましょう。
あとは、STR-DH790と接続するゲーム機(PS4やPS5、Xboxや任天堂スイッチ)や映像を出力するモニター、PCと繋ぐ光デジタルケーブル接続すればセットアップは完了。これは僕の環境の場合ですが、ぜひ参考にどうぞ。
Sony製サラウンドシステムフルセット「STR-DH790」の音質は?
お待たせしました。ここからはSTR-DH790のエンターテインメント体験。音質や映画の臨場感、迫力についてです。
実際のところ、使用するスピーカーや設定によってもかなり変わると思うので、客観的に、ざっくりとレビューしていきますね。これからSTR-DH790で音響システム、ホームシアターシステムを組もうと思っているブラザーはぜひ参考にどうぞ。
音楽を聴くときの音質
Mr. Sandmanも素敵過ぎた。 pic.twitter.com/SvLQpO6snK
— YusukeMiyamoto (@iyusukejp) September 20, 2021
まずはSTR-DH790で音楽を聴いた時の音質について。
STR-DH790のサウンドフィールド(音響)は「2CH/MULTI」「MOVIE」「MUSIC」の3カテゴリに分かれているのですが、最も音楽を聴くのに適しているのはフロントスピーカーから音声を出力する「MUSIC」ですね。
MUSICのサウンドフィールドは「Audio Enhancher」となっており、こちらかもしくは2CH/MULTIの「A.F.D.」で音楽を聴くことが多くなるかと思うのですが…音質は非常にクリアで繊細。高音域/中音域/低音域のバランスが良く、広域ツイーターの恩恵で音の広がりも感じることができます。
参考までに、Audio Enhancerはフロントスピーカーのみで音声を出力するので、もう少し低音は欲しかったっていうのも本音ですが、こちらはサウンドフィールドを「A.F.D.」に変更することでサブウーファーが稼働し、低音に深みを与えてくれます。STR-DH790…素敵すぎか。
STR-DH790はエントリークラスのAVアンプですが、得られる音楽体験は価格以上。映画だけじゃなく、音楽を聴くにも適していますよ。(ほぼ毎日STR-DH790で乃木坂とLady Gaga聴いてます。新型が出たらすぐ購入したいくらいにお気に入り)
5.1chで映画を堪能してみる
次に映画を視聴した時の音質について。臨場感マシマシ。グイグイ広がる音場。空間的に広がる音。これはもうベスト過ぎる体験を得ることができます。
アクション映画では飛び交う音が映画への没入感を底上げしてくれますし、ボヘミアンラプソディやザ・グレイテストショーマンのようなエンターテインメント性の高い作品では再現度の高い音で映画を楽しむことができます。
(なんなら、ホラー映画は音がリアル過ぎて怖いくらい。最近ミッドサマーとアフターマス:余波を見たのですが、僕は没入しすぎて。脅かされて本気で声を出してビビるくらいの没入が得られますよ)
ちなみに、MOVIEのサウンドフィールドは「Dolby Surround」と「Neural:X」が用意されていますが、より高い没入感が得られるのは「Dolby Surround」がかなぁと。(僕の好みもありますけどね)
- Dolby Surround
- Dolby Surroundアップミキサーが従来の音声コンテンツをマルチチャンネルに拡張し、ハイトスピーカーを含めたマルチチャンネルスピーカー構成で再生可能。
- 従来の映画や音楽コンテンツの再生時でも高さ方向への音像を作り出せるようになるため、これまで以上に高い臨場感が得られる。
- Neural-X
- 新しいアップミキサー技術で、ステレオ、5.1ch、7.1chの映画や音楽をスピーカー構成に合わせて再配置。
- これにより、従来の映画や音楽コンテンツの再生時でも高さ方向への音像を作り出せるようになるため、これまで以上に高い臨場感が得られる。
Neural XはDolby Surroundよりも空間的な広がりを感じられるように思うのですが、センタースピーカーの音声がボヤっとしたように感じてしまいます。”わずかに”ですが…。
いずれにしましても、STR-DH790とSONY CSシリーズのスピーカーを組み合わせた時の迫力と臨場感は相当なもの。乃木坂の配信ライブでもめっちゃ活躍してもらっていますが、もうノリノリになれます。
PS5やPCゲームの没入感&臨場感も最高
最後にSTR-DH790で得られるゲーム体験について。STR-DH790は4k/60fps、HDRに対応していますが、この恩恵を最も受けられるのはPS5/Xbox Series S|Xといった次世代ゲーム機ですね。
こちらも臨場感と迫力、没入感は素敵過ぎまして。PS5との相性も抜群です。同じSONY製だけに。
PS5は4k/60fpsに対応し、HDRにも対応していますが、AVアンプ側が対応していないとどちらも出力して楽しむことができないのですが、STR-DH790はこのどちらにも対応しているため、PS5でのゲーム体験をフルで楽しむことができます。
ゲームを楽しむ場合でもサウンドフィールドは好みで切り替えることが可能で、僕のおすすめは「A.F.D.」と「Neural:X」。A.F.D.であれば再現度の高い音。Neural:Xは高い臨場感で空間を飛び交う音に包まれ、リッチなゲームプレイを実現してくれます。
FPSやバトロワゲームではヘッドフォン/イヤフォンのほうが優れる点もありますが、オープンワールドやRPGといったゲームは5.1ch、もしくは7.1chで音響システムを揃えると最高に没入できるはずです。そういった面で見てみると…STR-DH790はゲームプレイにも最適。ほんといいお買い物しました。
レビューまとめ!STR-DH790は部屋でリッチな音響環境を求める人におすすめ
もうSTR-DH790への愛が溢れすぎて、長めの記事になっちゃいましたが…最後に、僕のレビューと評価をまとめて締めといきましょう。
STR-DH790はエントリークラスのAVアンプですが、得られる音楽体験/映画体験/ゲーム体験は”一般向け”としておそらく最高峰。オーディオルームやシアタールームを用意できない場合は、こいつ以上に最適なAVアンプは無いんじゃないかなぁと思います。
僕は10年以上前のSS-380からの買い替えだったので、STR-DH790とSONY CSシリーズのスピーカーでセットアップして、音を出した時の感動と言ったらもう…素敵過ぎました。すべてがリッチすぎる。
メリット
- 優れた音質と音響で映画やゲーム、音楽を楽しめる。
- 7.1ch(7.2ch)、4k/60fps、HDR、Dolby Atmos、DTS:X対応!
- シンプルで分かりやすい操作性。
- 自動音場補正+A.F.D.「アドバンスト D.C.A.C.」が便利過ぎる。
- 高い剛性と堅牢性を備えるシャーシ、強化された回路基板のおかげで長く愛用できそう。
- iPhone/AndroiスマホとのBluetooth接続機能。
- SONY製スピーカー&PS5との相性の良さ。
- 43,800円という買いやすい価格とコスパ。
デメリット
- 今のところ不満は一切無し。初めてAVアンプ&スピーカーを購入する人は設定がすこしだけややこしいかも。
レビュー&評価まとめ
デザイン | ★★★★☆ |
音質 | ★★★★★+ |
機能 | ★★★★★ |
音響 | ★★★★★ |
価格(コスパ) | ★★★★★+ |
SONYの7.1ch マルチチャンネルインテグレートアンプ「STR-DH790」の僕の評価をまとめるとこんな感じ。特に不満点もなく、音質も優れていますし、臨場感&迫力も素敵。
こいつが43,800円ほどで買えるとなると、コスパ良すぎでは? と感じるほどにすべてが非常に良い感じで仕上がっている印象です。
STR-DH790にはフロントスピーカーだけでも優れたサラウンドを実現してくれる機能「S-Force PRO フロントサラウンド」を搭載しているので、まずはSTR DH790もしくはSTR DH590とフロントスピーカーを揃え、少しずつスピーカーを追加して楽しんでいくのもいいかもしれませんね。
(STR-DH590はSTR-DH790と同時に登場した下位モデル。Dolby AtmosやDTS:Xに対応しておらず、最大5.1chですが、実はパワーアンプ周りはどちらも同じ仕様になっています。つまり、音質自体に大きな違いはありません。Dolby AtmosやDTS:X、7.1chが必要ない場合はこちらが1万円お安い)
リッチな音響環境を整えて映画や音楽を楽しみたいってブラザーはぜひ。2018年に発売されたモデルですがほんと最高です。STR-DH790。新型の情報は全然出ていないですがお気に入り過ぎるので…新型モデルが出たら絶対すぐ買うと決めました。
ありがとう、SONYさん。ありがとう、STR-DH790。