AirPods Maxをレビュー。原音に忠実な音質と最高のノイズキャンセリング。空間オーディオでプレミアムな体験を

広告またはアフィリエイトを含みます
AirPods Max レビュー

お値段61,800円。税込み+AppleCare込みで74,360円という紛うこと無き高級ヘッドフォンとして登場したAirPods Maxですが、じっくり聴きこんで、愛用してみて、このヘッドフォンの良いところや悪いところが見えてきたので…やっとこさレビューです。

僕の元にAirPods Maxが届いたのは2020年12月20日。発売日の2日後に届いたのですが、記事公開時点で少なくとも40時間くらいはこいつで音楽を聴いていると思うので、AirPods Maxについて感じたことを素直にシェアしていこうかなと。

(ちなみに、僕はエージングしてません。理由はじっくり時間をかけてエージングしてもそこまで違いは感じられないですし、普通に使っていれば”時”とともに音質もこなれてくるかなと)

AirPods Maxの価格は6,1800円+税。価格だけを見てみるとどうしても高く感じてしまうのですが…実際に使ってみるとその価格にも納得。ぶっちゃけ、多くの人にとって必要なのか? って聞かれると「うーん」って感じですし、大抵の人はAirPods Proで十分ってのも事実ですが、AirPods Maxでプレミアムな体験をできるというのも間違いなしですよ、ブラザー。

とにもかくにも、このヘッドフォンについては語りたいことがありすぎるので、さくっとレビューいっちゃいましょう。

※Update 2021/4/3, AirPods Maxの接続がぶつぶつと途切れる問題に遭遇しているので追記。Macbook Proとの接続が突然切れてしまう問題はMacbook ProのBluetooth接続からAirPods Maxをペアリングすることで解決できるのですが…iPhoneの定期的に途切れる問題は改善できず。なぜだ。AirPods Max。

目次

Apple純正ヘッドフォン「AirPods Max」をレビュー。原音に忠実な音質で素敵過ぎる音楽体験が得られる

さてさて、こいつのレビューに入る前に、まずは”AirPods Max”がどういったヘッドフォンなのか? についても簡単に触れておかないとですね。

AirPods Maxは、2020年12月18日から順次発売されたApple純正のヘッドフォン。モダンでクールでレトロな印象を受ける独特なデザインは発表後話題になり、6,1800円という価格で物議をかもしたってのは記憶に新しいですね。

AirPods Maxについて抑えておきたいトピックは…

  • 61,800円+税で発売されたApple純正ヘッドフォン。
    • 税込み+Apple Care込みで74,360円。
  • 優れたノイズキャンセリングと外音取り込みモードを搭載。
  • 重さは384.8gと一般的なヘッドフォンと比べると100g以上重い。
    • SmartCase込みだと重さは519.3g。
  • マグネット式で簡単に取り外しできるイヤークッション(イヤーパッド)
  • 充電端子はiPhoneと同じ”Lightning端子”。
  • 収納することで小電力モードに移行する”SmartCase”が付属しますが、有線接続用のケーブルは別売り。
  • Apple Watchでおなじみ”デジタルクラウン”が搭載。音量調整などが感覚的にできて操作性は良き。
  • 3.5mmイヤフォンジャックは無し。
  • Appleらしさの極まった”音質”。

上記の通り。AirPods MaxはH1チップを搭載するため、Apple製品との連携や接続の切り替えは”最強”ですね。

AirPods Maxは耳を覆う”オーバーイヤー型”のヘッドフォンとなっており、フィット感も重要なファクターになるんですけど、384.8gという重さにしては疲労感を感じにくい優れたデザインと装着感になっています。

僕が購入したカラーは真っ白なSmartCaseが付属する”シルバー”モデル。AirPods Maxには純正のケースが付属するのですが、僕の感覚的にケースというよりはカバー。

AirPods Maxはこのケースに収納することで自動で”超低電力モード”に切り替わります。SmartCaseの使用感は悪くないですが、保護性能は「?」って感じかなぁと。(一番重要な部分は守ってくれてるので良しとするかは…あなた次第)

というのも、詳細は後述しますが、SmartCaseにAirPods Maxを収納してもイヤーカップ以外はむき出しなんですよね…。見た目的には意外と悪くないと思うんですけど、ちょっとこれは思うところがあるというか。

6万円強のヘッドフォンなのに有線ケーブルは付属しないですし、大きなトピックである“空間オーディオ”はApple TVのみが対応といった感じで、AirPods Maxには結構気になる点もあるのですが、ひとまずAirPods Maxについてのおさらいはこのへんにしておきまして。

語りたいことも山ほどありますし、さくっとレビューいっちゃいましょう。

AirPods Maxをリセットする方法と超低電力モードの仕様について – iyusuke

AppleらしいAirPods Maxのデザインを眺める

さてさて、ここからはAirPods Maxのデザインについて。僕が購入したのは”シルバー”のAirPods Maxなのですが、見た目的な印象はモダンでレトロ。

シルバーのAirPods Maxは特にレトロなイメージが強いですね。(僕はこのデザインがダサいとは思ってません)

それと、実際に手に持つとよく分かるのですがAirPods Maxはけっこうずっしり。重さは384.8gと一般的なヘッドフォンと比べて100g以上重いってのは見過ごせない重要なポイントです。

イヤーカップ左側

イヤーカップはApple製品で馴染みのある人も多い”酸化皮膜処理が施されたアルミニウム”が採用されていまして。

艶消し塗装でひんやりといた金属質な手触りはGood。ただ…アルミですし、擦り傷には弱いかもしれませんね。

イヤーカップ右側

右側のイヤーカップには、ノイズキャンセリングと外音取り込みモードをワンクリックで切り替えられる”ノイズコントロールボタン”とApple Watchで馴染みのある”デジタルクラウン”が搭載されています。

デジタルクラウンでは、電話の応答や音楽の再生/停止、音量調整などが簡単に出来るようになってます。

もうすこし別の角度からノイズコントロールボタンとデジタルクラウンを見てみましょう。

AirPods Maxを装着した状態で、自分から見て手前側にノイズコントロールボタン、後ろ側にデジタルクラウンが来るのですが、初見こそ”位置”に戸惑いこそはすれど、使ってみると操作感が非常に優れていることに気付くはずです。

AirPods Maxを下から見てみるとこんな感じ。

イヤーカップ左側。通話用のマイクと内圧調整用の通気孔がありますね。

イヤーカップ右側にはマイクと通気口のほか、”Lightning充電端子”と充電状態を表すLEDが搭載。

「なんでUSB-Cやないねん…」的な意見も見られましたが、iPhoneの充電端子がLightingですしこれは大きなデメリットではないかなぁと。

(強いて言えば、僕はMagSafeを常用していてLightningケーブルはケーブル収納ポーチに収納しているため、充電のたびに取り出すのが手間ってくらい)

AirPods Max LEDライティング

AirPods Maxはジャイロセンサーやポジションセンサー、加速度センサーが各イヤーカップに搭載されているためこんな芸当も。AirPods Maxを持ちあげると、充電状態を表すLEDインジケータが点灯するようになってます。

(充電が十分にある状態では緑色に点灯。充電が少なくなるとオレンジ色に点灯し、装着したときに『ポッポロン』って教えてくれます)

AirPods Maxのイヤークッション(イヤーパッド)もチェックしておきましょう。

ファブリックのメッシュ生地が最小されたイヤークッションはマグネットで着脱できるようになっていまして。内部にはL/Rが縫い目で記されているため、向きを間違えることもないですね。

AirPods Maxのイヤークッションにググっと酔ってみるとこんな感じ。通気性の高いメッシュ生地は非常に手触りと感触が良くて。形状記憶フォームのイヤークッションはふわっふわ。(手触り的な意味でめっちゃ軽い)

僕の耳には結構な数のピアスが付いているため、WH-1000XM4やBeats Studio3なんかの一般的なヘッドフォンでは若干の違和感を感じながら使用することになるのがデフォなんですけど、AirPods Maxはイヤーカップの内側がかなり広くスペースが取られていて。

そんな違和感を感じることもありませんでした。最高。

次にステンレススチールで作られたバンド部分についてなんですけど、アームは自分好みに収縮させてサイズ調整ができるようになっていまして。

AirPods Max アーム

非常にスムーズに伸縮するので、自分の頭のサイズに合わせることができます。ステンレススチールなので強度もばっちり。

ヘッドバンドも非常に細かい網目のメッシュ生地が採用されており、ヒタッと頭を覆ってくれるのですが、これがほんと感激で。(Appleさんは”キャノピー”って呼んでます)

こいつのおかげで384.8gと決して軽くないAirPods Maxの重さを感じることはありませんでした。

ちなみに、ここまでのAirPods Maxの写真で気づいたことありません? そうなんです。AirPods MaxってAppleロゴが全く無いのです。

これ、Apple製品としてはかなり珍しくて。AirPods MaxのAppleロゴは意外なところにありますよ。

着脱可能なイヤークッション

AirPods Maxは”マグネットで着脱できるイヤークッション”も大きなトピックのひとつで。

一般的にヘッドフォンは定期的にイヤーパッドを取り換えるのが基本なんですけど、AirPods Maxはこの仕組みのおかげでめちゃ簡単に取り換えできるようになっているんですよね。

AirPods Max マグネットで着脱できるイヤークッション

マグネットは結構強めの力でくっついてくれるので、普通に使っていて取れてしまうようなことは無くて。(階段から落としちゃった時はすぽーんっと吹っ飛んでいきましたが)

汚れたり、気分を変えたくなっても簡単に新しいものと付け替えることができますよ。

イヤークッションはこんな感じで。こちらもファブリックのメッシュ生地が素材に採用されているのですが、手触りは抜群。レザーや合革ではなくて”装着感を重視したファブリック素材”ってのが良いですよね。

L/Rが記されていますし、近接センサーにあたる部分は切り抜かれているため、向きや左右を間違える心配もありません。Good。

イヤーカップ内部はこんな感じ。内部にもR/Lが記されているほか、近接センサーも搭載されています。ドライバーユニットもうっすら見えてますね。こういった内部に目をやってみると作りの細かさがグッときます。

こんなところにひっそりと隠れてました。Appleロゴ。

イヤークッションを別売りの”AirPods Max イヤークッション – ブラック”と交換してみるとこんな感じ。別売りのイヤークッションはシルバー、ブラック、グリーン、スカイブルー、ピンクが用意されていますが、自分好みの組み合わせで使用できるというのもGoodです。

重さを感じさせないAirPods Maxの装着感

次に、AirPods Maxの装着感についてなんですけど、まず初めに確かなことをひとつ。「AirPods Maxはこれまで数々のヘッドフォンを試してきた僕の中でも最高の装着感」これだけは間違いなし。

ファブリックメッシュのイヤークッションは通気性も高くムレにくいですし、キャノピー(ヘッドバンド)はヒタッと頭を覆うため、頭頂部も痛くなりません。

384.8gという重さを全く感じさせない装着感にはAppleのデザインが勝ったなと。”10,000いいね”くらいあげたい気分です。

AirPods Max イヤークッションの柔らかさ

イヤークッションは軽い手触りながらフォームの柔らかさは絶妙で。ふわっふわとまではいかないまでも…とにかくちょうどいい柔らかさ。

すでにちょろっと触れているのですが、AirPods Maxはイヤーカップ内部のスペースが広く取られているため、ピアスを大量に付けている僕の耳でもノーストレスで音楽に没頭できるんですよね。

AirPods Max ヘッドバンド

そして、装着感の良さに大きく貢献しているのがこのキャノピー。

ニットメッシュとステンレス(外側はシリコン)のフレームで構成されているんですけど、長時間装着していても頭頂部が痛くならないのです。

これまで、僕の中でWH-1000XM4の装着感が最高だったんですけど、やっぱり1時間を超えて音楽を聴いていると頭頂部から痛みがきてたのですが、AirPods Maxが頭頂部に与えるダメージは”0″。限りなく”0″です。

僕はヘッドフォンで音楽を聴いていると頭頂部からダメージが来るタイプなので…AirPods Maxの装着感には冗談抜きで感動しました。

(個人差はあるかもなんですけど、ほんと、僕は1日中付けていても頭頂部が痛くなりません)

AirPods Max イヤーカフの可動域

イヤーカップにはほどほどの可動域と少しの締め付けがあるため、多少頭を動かした程度ではズレないというのもGood。

デジタルクラウンの操作がめちゃ快適

さてさて、Apple Watchから”デジタルクラン”を引き抜きしてきたAirPods Maxですが、使用感はどうなの? って気になるブラザーもいるのでは?

これがまためちゃ使いやすくて。音量調整でデジタルクラウンを動かしたときに「クリクリッ」としたクリック音が聞こえるのですが、妙にしっくりくるんですよね。

これまでヘッドフォンとしては触れたことの無いインターフェースのはずなのですが、Apple Watchで慣れ親しんでいるためか、付けてすぐ手に馴染む操作感になってます。

AirPods Maxの操作方法については以下の通りです。

音楽の再生/停止、電話の応答デジタルクランを1回押す
音量調整デジタルクランを回す
※アプリで右回り/左周りを調整可能です。
次の曲へデジタルクラウンを2回押す
前の曲へデジタルクラウンを3回押す
着信拒否デジタルクラウンを2回押す
ノイキャン/外音取り込みモードの切り替えノイズコントロールボタンを押す
ペアリングモードノイズコントロールボタンを長押し
Siriの起動デジタルクラウンを長押し

AirPods Maxを装着中に電話に出ても、頭から外せばiPhoneで電話ができるほか、デジタルクランを2回押して音声出力をiPhoneに切り替えて電話することも可能です。

地味に、曲の早送り/巻き戻しの操作ができないのは惜しいポイントかもなんですけど、操作性自体は非常に良好。シンプルで間違えようもないですね。分かりやすくて良い感じです。

Apple製品との連携・切り替えが神

AirPodsファミリーの最強の新入り「AirPods Max」ですが、当然H1チップを搭載しているので、iPhoneやiPad、Macとの連携/接続の切り替えやすさは神。

ペアリングも非常に簡単で。AirPods Maxを装着するとポップアップが表示され、接続してセットアップすればApple IDに紐づけられているすべてのデバイスを認識し、デバイスの切り替えもコンテンツを再生しているデバイスへと自動で切り替えてくれます。

(Macの場合はクリックする操作が必要ですが…iPhone/iPad間の切り替えは驚くほどにシームレス)

AirPods Maxの設定は、Bluetoothのデバイス一覧からAirPods Maxの名前の横に表示されている”(i)”から。ノイズキャンセリングやデジタルクラウンの向き、自動頭部検出、空間オーディオなどが設定できます。

そうそう、「アクセシビリティ>オーディオ/ビジュアル>ヘッドフォン調整」からAirPods Maxの”聞こえ方”を自分好みに調整することもできるので、興味がある人はこちらもぜひ。

(僕はあまり味付けが行われた音は好みじゃないのでヘッドフォン調整機能は利用していないですが…人によってはより”好みの音”に近づくかもしれません)

Apple製品以外のデバイスとはノイズコントロールボタンの長押しで接続できるといことも覚えておくといいかもですね。

AirPods Maxのスペック・仕様

チップApple H1チップ(各イヤーカップに搭載。合計2基)
カラーシルバー、スペースグレイ、スカイブルー、ピンク、グリーン
ドライバ独自設計の40mmダイナミックドライバ
オーディオ機能アクティブノイズキャンセリング
外音取り込みモード
アダプティブイコライゼーション
空間オーディオ
センサー光学センサー
ポジションセンサー
ケース検知センサー
加速度センサー
ジャイロスコープ
マイク合計9つのマイク
ビームフォーミングマイク搭載
Digital Crown回して音量調節
1回押して再生/停止/電話に応答
2回押して次の曲に
3回押して前の曲に
長押しでSiriを起動
ノイズコントロールボタン押してノイキャンと外音取り込みを切り替え

付属のSmartCaseは汚れやすいし、かさばる

AirPods Maxについて一通りチェックしたところで、次はいろいろと物議を醸したAirPods MaxのSmartCaseについても見ておきましょう。

(漂う”未来のブラ”はひとまず触れないで)

デザインと造形はともかくとして…SmartCaseの質感はとても良くて。肌触りの良いビロードのような手触り。表面は一切抵抗感のないツルツル、サラサラです。

SmartCaseの裏面はこんな感じ。AirPods Maxには電源ボタンが搭載されていないのですが、このSmartCaseに収納することで”超低電力モード”に切り替わり、非常に長い時間バッテリーが持つというわけ。

収納ケースに収納されている間は生きてるか不安になるくらいバッテリーを消費しません。

SmartCaseの裏地はiPhone純正ケースなんかと同様にマイクロファイバーの起毛がケースを保護してくれるようになっており、こちらも上質な質感で手触りは抜群。

AirPods Maxをケースに収納しても、ヘッドバンド(Appleさんは”キャノピー”って呼んでるけど)は剥き出し。個性の強さがものすごいですが、気づいたらここに腕を通して持ち運ぶようになってたっていう。

充電端子の部分はしっかり切り抜かれているため、ケースに収納していても充電は可能です。

AirPods Max SmartCaseのマグネット

収納ケースの開閉ももちろんマグネット。最近のAppleさんはなにかとマグネット推しです。

持ち運びやすいとは言えないかも

ところで、肝心の”持ち運びやすさ”なんですけど、正直、AirPods Maxが持ち運びに適しているとはとても思えません。

というのも、折りたためないから結構幅を取るんですよね。カバンにしても、バックパックにしても。

ケースに入れていてもキャノピーは全く保護されない状態ですし、ニットメッシュ素材ってのも地味に気になるポイント。おそらく、なにかで引っ掛けたら破けてアウト。

SmartCaseは取り出しやすいし収納もしやすいのですが、もうちょっとどうにかならなかったものかと。好きなんですけどねぇ…この感じも。

それと、僕はシルバーのAirPods Maxを購入したのですが、白いSmartCaseはとても汚れが目立つので…気になる人は他のカラー(スペースグレイ/スカイブルー/ピンク/グリーン)がおすすめです。

AirPods Maxの音質は?

お待たせしました。お待たせし過ぎたかもしれません。ここからはAirPods Maxの音質について。

良くも悪くも、AirPods Maxは”Appleの音”になっていまして。言い方を変えれば非常にフラットな印象を受けるのですが、そこは最新のテクノロジーを総動員したAppleのハイエンドヘッドフォン。音質はめちゃ良い

AirPods Maxには”アダプティブイコライゼーション”という音響特性をモニタリングしつつ、最適な状態に補正をかける処理アルゴリズムが載っているのですが、合計2つのH1チップによる高い処理能力のおかげでものすごく賢くて。

ノイズキャンセリング能力も非常に高く、音質の変化は感じないレベルに抑えつつ、ほぼほぼ無音。とても音の解像度が高く、耳当たりの良い音質になっている印象です。

(AirPods Proで感激した外音取り込みモードも2つのH1チップによる処理能力と3つのマイクによりさらに進化していて。広い範囲の音を拾えるようになっていると感じました。同機能を搭載するヘッドフォンよりも優れているってのも間違いなし)

AirPods Maxの音質についてもう少し簡潔にまとめてみましょう。

  • 【高音域】
    • 非常にクリアで伸びを感じる高音域。特に、女性ボーカルのホイッスルボイスなんかは思わずニヤけてしまうほどレンジが広い。
  • 【中音域】
    • 中音域のバランスに最も優れ、高音域と低音域を際立たせるようなチューニングがされている印象。(だから低音域が強調されていないように感じるのかも)
  • 【低音域】
    • おそらく、チューニングで強調されているわけではないのに、深みがあって広がりが豊か。バスドラムやシンセベースの音がリアルにはっきりと聴こえる。

AirPods Maxの音質に対する僕の印象をさくっとまとめると上記の通りになるんですけど、Appleさんが「原音に忠実なサウンド」って謡うのも納得の音質。

というのも、非常に音の粒感がくっきりはっきりしているんですよね。(低音域が強くシャリシャリした高音域の傾向を”ドンシャリ”と言いますが、AirPods Maxをこれに寄せて例えるなら”ツブダチ”って感じ)

僕がAirPods Maxの音質を試したプレイリストは以下の通りです。※AirPods Maxがリリースされてから以下のアルバム・楽曲をひたすら聴き込みました。

上記プレイリストは僕がヘッドフォンやイヤフォンの音質を試すのに定番なアーティストの楽曲たちなのですが、ここからいくつかの曲をピックアップしてみると…Siaの楽曲”Chandelier”の特徴的なプツプツとした音も明確に分離して聞こえますし、オペラ歌手アンドレア・ボチェッリの”Conte Pariro”では残響すら明確に感じ取れるほど。

Coldplayの”Viva la Vida”では、バンドミュージックならではの音の感じというか。ストリングスやギター、ドラムスや時折りなるベルの鳴る音など、どれも明確に分離していて。バックコーラスのリバーブも非常に心地よく広がっていました。

僕の好きなLady Gagaやビリー・アイリッシュなど、低音域の再現度が高いヘッドフォン/イヤフォンでないと聞いた時の印象が変わるようなアーティストの楽曲は特にAirPods Maxが力を発揮する印象で。”BudGuy”の唸るようなベース音も潰れることなく、左右で分けられたボーカルのパンも驚くほどにくっきり。

乃木坂の”シンクロニシティ”は好きすぎて、もう数えられにくらい聴いているはずなのですが「ここにもピアノの伴奏入ってたのか!」みたいな。音の再現度と解像度、分離の高いAirPods Maxなら新しい”音”の発見もあるかもしれないですね。

そうそう、中森明菜のDESIRE-情熱-なんかはあの時代の音楽を2020年の最新ヘッドフォンで聞くとこんな感じになるのかぁと感動しました。(まぁ僕はこの時代に生まれてすらないんだけども)

ツインリング型ネオジムマグネット方式の40mmドライバユニット、そして、ホワイトノイズが”僅かに聞こえる程度”で、WH-1000XM4やBose700と同等か、もしくはそれよりも高いレベルのノイズキャンセリング。H1チップ×2の高い処理能力による”アダプティブイコライゼーション”により、AirPods Maxの音質がプレミアムな音楽体験を提供してくれます。

※ちなみに、ツインリング型ネオジムマグネット方式とは、サイズの異なるリングマグネットの間に、音声信号を振動に替えるボイスコイルを配置したもの。一般的にヘッドフォンは磁器回路で音質が向上するのですが、これは強い磁器回路といえますね。

空間オーディオが凄まじいけど、惜しい

それともうひとつ、AirPods Maxの特徴的な機能として”空間オーディオ“という機能があります。(AirPods Maxのほか、AirPods Proも対応)

僕はこいつの驚きがすごくて。現状AppleTV+のみでしか体験できないというのが大きすぎるデメリットなんですけど、映画館で聴いているかのような音をAirPods Maxがあれば体験できるのです。

試しにAirPods MaxでAppleTV+で徳ハンクス主演の”グレイハウンド”を視聴したのですが、はじめは冒頭の30分くらい体験できればいいや程度だったのが空間的な音の広がりをフルに再現した音質に惹き込まれまして。結局最後まで観たっていう。

空間オーディオとは、5.1chや7.1ch、Dolby Atmosなどの立体音響に対応した音源を聴く際に、音の位置や動きを正確に反映できるAirPods Pro/AirPods Max特有の機能なのですが、ただ立体音響をリアルに再現できるってだけではなくて。

“ダイナミック・ヘッド・トラッキング”と呼ばれる技術のおかげでiPhoneやiPadに対して頭の動きを動かしても”音の出どころ”は変わらないんですよ。例えば、正面にナレーションがあったとして、頭を右に振ったら左の耳から音が聞える感じ。これがほんと新体験。

現在はAppleTV+でしか体験できない非常に限定的な機能なんですけど…将来的にNetflixやその他コンテンツに対応が広がればエンターテインメント業界が変わりそうな、それくらいに画期的でした。

空間オーディオの体験を鑑みるに、AirPods Maxは音楽を聴くだけのヘッドフォンというよりは、エンターテインメントコンテンツを余すことなく体験するためのヘッドフォンなのかなぁと。

この記事で幾度も登場している”プレミアムな体験”ってのはまさにそういうことです。

追記:AirPods Maxの接続がぶつぶつと途切れる問題に遭遇中

AirPods Maxを使い始めてからそろそろ4か月。結構な頻度で使っているのですが、俄然音質は満足で。気に入っているってのは間違いないのですが…最近iPhoneとの接続がぶつぶつと途切れるようになってしまいました。

症状としては、音楽を聴いている最中にSafariを開いたり、Appスイッチャー(アプリを終了させるやつ)を起動したり、TwitterなんかのSNSを開いたタイミングで「ぶつっぶつ…」といった感じで切れるのですが、まぁまぁ頻繁に発生しているのです。

Macbook Proとの接続ががっつり途切れる問題はMacbook ProのBluetooth設定からペアリングすることで解消されるのですが、iPhoneの接続が途切れる原因は謎。

※現在はiPhoneのBluetooth設定からAirPods Maxを接続して使ってます。

僕の周りで電波が飛びまくっているせいなのか、それともiOSのせいなのか…。リセットしても、接続し直しても、iPhone本体を再起動しても治らなかったため、電波が干渉している可能性高めなんですけど、環境によっては同じ症状に見舞われる可能性大。このあたりは要注意です。

AirPods Maxのレビューまとめ!原音に忠実なサウンドは最高、現状唯一無二のプロダクト

さて、少々長くなってしまいましたが…AirPods Maxについて語りたいことは語れた気がするので、最後に僕のレビューをまとめて締めと行きましょう。

AirPods Maxの価格は61,800円(税込み+AppleCare+: 74,360円)。高い買い物になのは間違いないですが、音質や得られる体験、装着感、マグネット着脱式で長く利用できることを考えると決して高過ぎる価格というわけではないかなぁと。

AirPods Maxが僕のもとにやってきてから毎日愛用しているのですが、良くも悪くも”フラット”でAppleらしい音質はどんな楽曲を聴くにも適していますし、空間オーディオの広がりと定位感の素晴らしさはAirPods Maxでしか体験できません。(AppleTV+だけってのが惜しいですが、将来的に対応プラットフォームが広がることに期待)

ノイズキャンセリングも外音取り込みモードも素晴らしいですしね。AirPods Maxは明確にWH-1000XM4やBose700とは違うカテゴリ。現状唯一無二のプロダクトです。

メリット

  • 少なく感じる20時間の電池持ちもこれで十分。
  • 僕的には意外と”あり”なデザイン。
  • 解像感や分離感、深み。AirPods Proを極めたようなAppleらしい音質。
  • ホワイトノイズが僅かに聞こえる程度で、空調などの低周波数帯域の音をしっかりシャットアウトしてくれるノイズキャンセリング。
  • 聞き取りやすく、”音”的な違和感の少ない外音取り込みモード。
  • 装着を検知してくれる。(装着して再生、外して停止)

デメリット

  • 6万円を超える高価なヘッドフォンなのに有線ケーブルが付属しない。
  • 折りたためず、持ち運びにくいデザイン。しっかり守ってくれるとは言い難いケース。
  • 多くの人にとってAirPods Proで十分かも?

AirPods Maxのレビュー・評価まとめ

デザイン★★★★☆
音質★★★★★+
装着感★★★★★
機能★★★★★+
取り回しのしやすさ★★★☆☆
価格(コスパ)★★★★☆

僕のAirPods Maxのレビューと評価をさらっとまとめるとこんな感じ。

最初見た時は予想の3倍近く高かった価格に「まじか…」とはなったんですけど、それでも欲しかったし、試したかったので購入しちゃったわけなのですが「LightningじゃなくてUSB-Cが良かった」とか「ケースがダサい」とか「絶対思い。デカすぎる」とか、SNSで散見されていた意見は気になりませんでした。

とはいえ、やっぱり”折りたためない”ので取り回しは悪いんですけど、それもAirPods Maxの個性かなと。

AirPods Maxは無料で刻印もできる。

少なくとも、AirPods Maxの音質、装着感、空間オーディオ、ノイキャン、外音取り込みモード、デザインには満足しているので、購入して良かったってのは間違い無し。

Apple製品との組み合わせでは他社の製品を圧倒していますし、現状使える場面が少ないとはいえ、素晴らしい音質+空間オーディオを組み合わせた体験はAirPods Maxでしかできません。

もし、少し贅沢をして最高の音楽体験を求めるなら…AirPod Maxはおすすめよ、ブラザー。無料で刻印して愛着マシマシにして、長く使っていきましょう。

ポイントが付くことを考えると…Amazonでの購入もお得です。

シェアして応援よろしくです
目次