ノイキャン性能の高さはガチ。
2022年9月23日に発売された新型AirPods「AirPods Pro(第2世代)」ですが、僕もノイキャンが気になり過ぎて発売日に購入。音質だったり、使用感だったり、じっくり試すことができたので、そろそろレビューをお届けです。
AirPods Pro(第2世代)の知っておきたいトピックとしては、ノイキャンの進化とちょこっと良くなった音質、ステムで音量調整ができるようになったこと。
そのほかには、Apple Watch充電器に対応したり、電池持ちがよくなったり、適応型環境音除去機能を搭載したり、使用感や音質もにしっかりコミットしていて、順当に進化しています。
それじゃ、ダダっとレビューいきましょう。AirPods Pro(第2世代)の価格は39,800円(税込)。Apple公式HPのほか、Amazonや楽天でも購入可能です。
※Update 2023/4/1, 購入してから半年以上経過したので、AirPods Pro(第2世代)のレビューを少しだけ加筆&修正。音質とノイキャン性能、そしてカジュアルに使えるという点でAirPods Proはやっぱり強い。
AirPods Pro2をレビュー。音質やノイキャン性能、使い勝手を試す
それじゃ、まずはAirPods Pro(第2世代)について簡単におさらいしておきましょう。
AirPods Pro2はデザインこそ前モデルから大きな変化は無いですが、性能で見てみるといろんなところが進化しています。
性能や機能についてダダっとまとめると......
- 価格は39,800円(税込)
- H2チップ搭載
- デザインは前モデルと同じ
- ノイキャン性能爆上げで音質もちょこっと向上
- 外音取り込みモードも強化
- 新たに"適応型環境音除去"機能を搭載
- パーソナライズされた空間オーディオ
- バッテリーライフは単体6時間、ケース込みで30時間
- MagSafe、AppleWatch充電器に対応
- ストラップホールが付いた(アンテナの役割もあり?)
こんなところ。現在AirPods Proを使っている人に買い替えをおすすめできるほどではないけれど、確実に、着実に良くなりました。
じっくり試してみて変わったなぁと思うのは、やっぱり「ノイキャン性能」。詳細は後述しますが、AirPodsPro2は8万円のAirPods Maxに迫るレベルでしっかりシャットアウトしてくれます。
AirPods Pro2にはスタートガイドにLightning to USB-Cケーブルとシリコン製イヤーチップが付属しています。
イヤーチップの梱包はそのまま収納ケースとして使えるのもGood。
デフォルトで装着されている"Mサイズ"に加え、AirPods Pro(第2世代)にはXS/S/M/Lサイズのイヤーチップが付属しています。
デザインや外観を写真多めでチェック
それじゃ、ここからAirPods Pro(第2世代)のデザインを一緒に眺めていきましょう。ケースのデザインはこんな感じ。
- AirPods Pro(第1世代)
- 45.2×60.6×21.7mm
- 45.6g
- AirPods Pro(第2世代)
- 45.2×60.6×21.7mm
- 50.8g
AirPods Pro2のデザインとサイズは前モデルから変化なしですが、少ーしだけ重くなりました。
ケース背面も前モデルから変化無し。LEDインジケーターやペアリングボタン、ヒンジの形状も全く同じですね。
AirPods Pro2の底面には、Lightning端子と「探す」アプリで音を鳴らせるスピーカーを搭載しています。
ケースのスピーカーのほか、このストラップホールも初代AirPods Proにはなかった大きな変化。
それもストラップを付けられるただの穴じゃなくてですね。lumafieldによれば、AirPods Pro(第2世代)のストラップホールはケース内部でLightning端子と接続されていたようです。(lumafield曰く、探すのトラッキング用アンテナではないか?とのこと)
ケースをパカッと。
サイズや形状が初代AirPods Proと同じなので、イヤフォンに互換性があるのかと思いきや......これは普通のAirPodsと同じで世代を跨いだ互換性は無し。
世代の違うケース×イヤフォンの組み合わせだと「AirPods Proの不一致」 という警告が表示されて使用できません。
AirPods Pro2のイヤーバッズはこんな感じ。センサー類の位置が若干変わっていますが、基本的なデザインは初代AirPods Proと同じですね。
- AirPods Pro(第1世代)
- 30.9×21.8×24mm
- 5.4g
- AirPods Pro(第2世代)
- 30.9×21.8×24mm
- 5.3g
イヤフォン単体のサイズは同じですが、AirPods Pro(第2世代)は0.1gだけ軽くなりました。(実際につけた時の違いは全く分からない誤差レベル)
もう少し違う角度からも見てみましょう。初代モデルだと真ん中と底部あたりにあったセンサーが移動していますが、それ以外のデザインは全く同じ。ステムの長さにも違いはないですね。
イヤーチップを取り外してみるとこんな感じ。Appleによれば、イヤーチップは第1世代と第2世代とで互換性が無いとのことですが、物理的には装着可能です。(互換性が無いと表現している理由はイヤーチップのメッシュの密度が第1世代のほうが明らかに高いかららしい)
サードパーティのイヤーチップとか使ってる人はそのまま使うこともできますよ。
AppleWatch用充電器が使えるようになり、電池持ちも伸びた
お次はAirPods Pro2の電池持ちについて。こちらも確実にブラッシュアップされており、単体で6時間、ケース込みで30時間の電池持ちになりました。
実際に使ってみた感じでも電池持ちは大体一致していて、4.5時間 → 6時間は少ないように見えて確かに長く使えるようになっていますよ。
もちろん、MagSafe充電も引き続き対応。
AirPods Pro | AirPods Pro2 | |
イヤフォン単体 (音楽再生) | 4.5時間 | 6時間 |
ケース込み (音楽再生) | 24時間 | 30時間 |
AirPods Pro(第2世代)と初代AirPods Proの電池持ちを比較してみるとこんな感じ。
空間オーディオとヘッドトラッキングを有効にした場合、AirPods Pro(第2世代)単体の電池持ちは最大5.5時間になりますが、前モデルと比べてバッテリー容量は前モデルから33%増加しました。
地味だけど、AppleWatchの充電器が使えるようになったのも大きなトピックです。
ステムで音量調整できるのが素敵過ぎる
AirPods Pro2の新機能でシンプルに嬉しかったのがステムで音量調整できるようになったこと。感圧センサーのスペースが小さめなので、若干操作しづらい感はありますが......普通に便利。
再生/停止や曲のスキップ、長押し時の操作などは初代AirPods Proと同じです。
AirPods Pro2の操作方法
1回押し | 再生/停止/電話の応答 |
2回押し | 次の曲にスキップ |
3回押し | 前の曲にスキップ |
長押し | ノイキャンと適応型環境音除去を切り替え |
上下にスワイプ | 音量調節 |
その他 | 「Hey Siri」と話しかけてSiriを起動 曲の再生や電話の発信が可能 |
ゲームや動画視聴の使用感
さて、AirPods Pro2の遅延についてですが、こちらはAirPods Pro(第1世代)の時から"ほぼ"感じられないレベルだったので問題なし。
違和感なくゲームも遊べますし、音ゲー(Deemo)も問題なくプレイ可能でした。遅延に関してAirPodsシリーズは優秀です。
AirPods Pro2の音質をじっくり試す
おまたせしました。ここからはAirPods Pro2の音質についてです。前モデルと比べて音質は"ちょこっとだけ"良くなった印象で、どちらかというと中高音域より上がさらにクリアになったイメージ。
全体的に"クリアな音質"になっていますが、ボーカルの声やピアノの音はよりクリアに聞こえるようになり、低音も適度に強め。低音については、強くなったというよりは......深く豊かになったとも言えます。(ノイキャン性能が強いので、より低音が際立つといったほうが近いかも)
AirPods Pro(第2世代)の音質の印象もダダっとまとめておきますね。
※視聴するのはいつものプレイリスト。デバイスはiPhone 13 miniでコーデックはAAC(ロスレス)。ノイキャンONでヘッドトラッキングは固定。基本Apple Digital Master楽曲です。
- traveling - 宇多田ヒカル
- Love in the First Degree - Bananarama
- bad guy - ビリー・アイリッシュ
- Don't Stop Believi'n - Glee
- DOLLS - Janne Da Arc
- サヨナラの意味 - 乃木坂46
- Rain On Me - Lady Gaga
- Bad Romance - Lady Gaga
- バンドエイド剥がすような別れ方 - 乃木坂46
いつものプレイリストに加えて、ちょこちょこ最近聴いてる楽曲を試してみましたが、やっぱり空間的な広がりは全体的にUP。ぶっちゃけ、前モデルから劇的に音質が良くなったわけではありません。でも、音はさらにクリアになった。
例えば、ビリー・アイリッシュのbad guyみたいな深い低音が特徴的な楽曲は、ボーカルの声はクリアなのにコーラスも際立ちばっちり分離。ベースの低音もしっかり前に出てきていて埋もれてしまうようなこともないですが、低音は少しこもったように聞こえるかなぁと。
鬼ハマりしている乃木坂の"バンドエイド剥がすような別れ方"は、シンセのキラキラした雰囲気もしっかり出つつ、ギターのカッティング音もちゃんと分離して聴き分けられるほか、曲が転調するタイミングで入るコーラスも際立ってます。ナチュラルに聴きやすい。
イヤフォンやヘッドフォンを試す時に絶対に聴いている宇多田ヒカルの"tlaveling"とJanne Da Arcの"DOOLS"も試してみましたが、空間的な広がりを確かに感じられるので......やっぱりAppleの空間オーディオは強い。ただ、39,800円(税込)という価格を考えると、音質はもう少し頑張ってほしいところです。(十分すぎるほどに高音質だけども)
AirPods Pro2の音質を周波数特性で見る
Appleのノイキャンワイヤレスイヤホン「AirPods Pro(第2世代) の音質を客観的に知るために、周波数特性も計測しておきましょう。
「どんな傾向の音質なのか?」を"見る"ためにダダっと計測しただけですし、周波数特性の測定は環境や機器にも左右されるため、あくまでも客観的なデータの指標としてどうぞ。※周波数測定の計測環境についてはこちら。
オーディオサンプルは60秒のスイープ波(96000Hz/24bit)。スイープする周波数は20Hz~40000Hzにしています。
AirPods Pro(第2世代)の周波数特性
AirPods Pro2の周波数特性はこんな感じ。低音域は適度に強く、広く。中高音域~高音域にかけてググっと立ち上がりがあります。
AirPod系統のイヤホンは良く"フラットな音質"と言われていますが、AirPods Proは初代モデルも含めて全然そんなことはなくて。周波数特性を見ても分かる通り、どちらかというと"ドンシャリ系"の音質。特に高音域の音(女性ボーカルやバイオリン、ハイハットなど)が際立つ周波数特性です。全体的にバランスの良い音。
周波数特性の傾向は初代AirPods Proとほぼ同じです。
音質の傾向はAirPods Maxに近い
AirPods Maxの周波数特性。AirPods Proと波形は似ているけど、ふり幅が大きい。
それともうひとつ補足。AirPods Pro(第2世代)は音質の傾向がAirPods Maxにさらに近づいたかなぁというのが僕の初見の感想です。なんというか、"音のクリア感"がかなり近い。
価格が倍ほども違うので、当然AirPods Maxのほうがよりリアルな音で、クリアで、低音も出ていますが、AirPods Pro(第2世代)はトータルの使いやすさで選ぶ人も多いと思うので、音質と性能、機能のバランスは良いんじゃないかなぁと思います。
AirPods Pro2はBluetooth 5.3になったので、ハイレゾロスレス音源の対応も今後に期待!
AirPods Pro2のノイキャン性能をレビュー
このあたりで、AirPods Pro2の「アクティブノイズキャンセリング(ANC)」と「外音取り込みモード」についてもダダっとレビューしておきます。
まずはノイズキャンセリングですが......もうめっちゃ秀逸。AirPods Pro(第1世代)の時からかなりの実力を発揮していたのに、AirPods Pro(第2世代)でさらに強力になりました。がちつよ。
これはH2チップと新しい音響アルゴリズムにより実現されているのですが、前モデルと比べて最大2倍の雑音をシャットアウトできるようになっていまして。装着した瞬間に空調の音、水槽の音、パソコンのファンの音など、余計なノイズが消えて静寂に包まれます。
ただ、キーボードのタイピング音や人の話声といった比較的高い帯域の音は普通に聞こえてくるので、すべてが無音になるわけではないですが......それでも、前モデルと比べると格段に強くなってます。
AirPods Pro2を外した時に「この部屋こんなうるさかったのか...」ってなるレベル。
外音取り込みモードは相変わらず聞きやすい。適応型環境音除去はあまり効果が分からない
AirPods Pro2の「外音取り込みモード」についてですが、こちらも確実にブラッシュアップされていて、よりナチュラルに周囲の音が聞こえてきます。
AirPods Pro(第1世代)の時から外音取り込みモードは高評価だったのですが、AirPods Pro(第2世代)はよりリアルに、近くに感じられるようになった感じ。自分の声は少しこもったように聞こえてしまうけど、こちらも確実に進化したかなぁと。
適応型環境音除去を試してみようと思って、近くで工事していたのでフラッと歩いてみましたが......いまいち効果は実感できませんでした。
#Tips |
適応型環境音除去とは、外部音取り込みモードをさらに発展させたような新機能のこと。工事現場などの騒音を最小限に抑えて、周囲の音をより聞きやすくしてくれます。記事公開時点で対応しているのはAirPods Pro(第2世代)だけですが、iOS16.1で初代AirPods Proも使用可能になる...かも。 |
スペックと仕様をAirPods Pro(初代)と比較
AirPods Pro | AirPods Pro2 | |
チップ | H1チップ | H2チップ |
ドライバ | 高偏位Appleドライバ | 改良された高偏位Appleドライバ |
ノイキャン | 〇 | 〇 (性能最大2倍) |
ステムの音量調整 | × | 〇 |
ケースのスピーカー | × | 〇 |
ストラップホール | × | 〇 |
バッテリー | 最大4.5時間 ケース込みで最大24時間以上 | 最大6時間 ケース込みで最大30時間 |
MagSafe充電機 | 〇 | 〇 |
Apple Watch充電器 | × | 〇 |
防水性能 | IPX4 | IPX4 |
充電端子 | Lightning | Lightning |
AirPods ProとAirPods Pro2のスペックと仕様を比較するとこんな感じ。いずれも充電端子はLightningで防水性能はIPX4。(次のAirPods ProあたりでUSB-Cに期待...)
AirPods Pro2はApple独自開発のドライバーユニットが改良された恩恵で、音質が向上し、H2チップによりバッテリーライフも伸びました。
レビューまとめ!AirPod Pro2はカジュアルに使えて高音質でノイキャンを求める人におすすめ
AirPods Pro2 レビュー&評価
Appleフラグシップイヤホンの性能は伊達じゃない。
✓good!
- さらに強くなったノイキャン
- 相変わらず使いやすいApple製品間のシームレスな接続/切り替え
- 自然に聞き取りやすくなった外音取り込みモード
- スピーカー搭載で失くしても見つけやすい
- AppleWatchの充電器が使えるようになった
- カジュアルな装着感で疲れにくい
✓not good
- 稀に再生中の音楽が途切れることがある
- 適応型環境音除去はちょっと効果が分かりにくかった
- 39,800円というちょい高めの価格
✓Rate
音質 | 装着感 | 解像度 | 定位感 | コスパ |
A | S | A | S | A |
デザイン | ノイキャン | 外音取り込み | 持ち運びやすさ |
A | S+ | S+ | S |
総合評価 | S+ |
※レビューの評価基準についてはこちら。
初代から世代を重ね、着実に、確実に進化したAppleの新型ワイヤレスイヤフォン「AirPods Pro(第2世代)」ですが、最後に僕のレビューと評価をダダっとまとめるとこんな感じ。
やっぱり、AirPods Proはカジュアルに使えるのに高音質で、トップクラスの性能を持つノイキャンが使えて、装着感が軽くて疲れにくいというのが大きなメリットですね。
39,800円(税込)という少々高めな価格が購入のハードルになりそうですが、Apple製品をヘビーユースしていて、ちょっとリッチなイヤフォン欲しいなぁって人におすすめです。iPhoneとiPad、Macをさくさく切り替えて使えるのはAirPods Proの強み。
逆に、今AirPods Pro(第1世代)を使っている人は急いで買い替える必要はないかも。いずれにしましても、App製品を愛用しているブラザーにとってAirpods Pro(第2世代)非常に魅力的なプロダクトであることは間違いなしです。