少々遅くなってしまいましたが、Beatsブランドの新型完全ワイヤレスイヤフォン「Beats Studio Buds(ビーツスタジオバッズ」のレビューをお届けです。
この素晴らしくコンパクトでかっこいいBeatsイヤフォンは、17,800円(税込)という買いやすい価格ながら「ANC(アクティブノイズキャンセリング)」と「外部音取り込みモード」を搭載していまして。
最大8時間のバッテリーライフ、低音寄りのBeatsサウンド、IPX4相当の耐水性能を備えていてめっちゃ良い感じなのです。
性能も、ノイキャンも、音質も。価格以上のクオリティとポテンシャルを秘めており、得られる音楽体験は間違いなく同価格帯のAirPods以上。
(Beats Studio BudsはH1チップを搭載していないため、シームレスな接続と切り替えはできないですが…これは音質&性能とのトレードオフで納得)
Beats Studio Budsは2021年8月12日発売。価格は17,800円(税込)。Amazonでは16,182円で販売されているので、お得に購入するならこっちがいいかもですね。
Beats Studio Budsについては語りたいことがたくさんありますし、さくっとレビューいきましょう。
機能は?性能は?Beats Studio Budsをレビュー
それじゃ、まずはBeatsの新型イヤフォン”Beats Studio Buds(ビーツスタジオバッズ)“のレビューを織り交ぜつつ、機能や性能についておさらいしていきましょう。
パッケージはこんな感じで。カラーは「ブラック」「ホワイト」「レッド」の3色展開。僕はレッドのBeats Studio Budsを購入しました。
Beats Studio Budsの付属品は、
- 充電ケースとイヤフォン本体
- シリコン製イヤーチップ(S/M/L)
- USB-C to USB-Cケーブル(約15cm)
- クイックスタートガイドとApple Musicのトライアルオファー(無料体験期間あり)
- Beatsステッカー
上記の通り。Beats Studio Budsは電源アダプタが同梱されていないため、持っていない場合はあらかじめ用意しておきましょう。
iPhoneやiPad、Androidスマホの充電器が余っている場合はそちらでも併用できるため問題ありません。
イヤーチップはS/M/Lの3サイズが付属。
イヤーチップはあらかじめMサイズがBeats Studio Budsに装着されていますが、自分に合うサイズ以外はパッケージに収納しておけるというのもGood。
Beats Studio Budsのデザインを眺める
ここからはBeats Studio Budsのデザインについて。充電ケースのサイズは非常にコンパクトで重さはわずか48g。
グッと主張するBeatsのロゴが良い感じで、ケースの前面にはイヤフォンやケースの状態を表すLEDインジケータが搭載されています。
充電ケースのサイズ | 高さ2.55cm×長さ7.2cm×幅5.1cm |
重さ | 48g |
サイズ感としては、AirPods Proの充電ケースと比べて一回りほど大きいくらいですね。
ケースを開いてみるとBeats Studio Budsがお披露目。
ケースのヒンジはがっつり固定されるタイプではなく、強く力を入れると逆パカしてしまいそうな強度ですが、おそらく、日常使用で壊れることはなさそう。
ちなみに、ケースの質感はするっとさらさら。ケース内部にはデバイスとのペアリングで使用するボタンが搭載されています。
ケース背面はこんな感じ。AirPods Proのようにヒンジ部分を補強する金属パーツはありません。
Beats Studio Budsに搭載される充電端子は”USB Type-C”。(Lighrning端子じゃなくなったのはすっごく嬉しい)
次はイヤーバッドのデザインについてもじっくりみていきましょう。
左右のイヤーバッドには物理ボタンが搭載されており、1回押して再生/停止、2回押して次の曲へ、3回押して前の曲へ、長押しでノイキャン&外部音取り込みモードの切り替え、音声アシスタントの起動…といった感じで様々な操作に対応しています。
別の角度からも見てみましょう。イヤーバッドの側面にはノイズキャンセリング用のマイクが搭載されているのがわかりますね。
イヤーバッドの背面には充電用の端子が2つ。少し見にくいですが…L/Rを表す印字も。
イヤーチップを外してみるとこんな感じ。
Beats Studio Budsはイヤーバッド(イヤフォン本体)も非常にコンパクトになっており、サイズ感で言えば親指程度というのも大事なトピックの1つです。
イヤフォンのサイズ | 高さ1.5cm×長さ2.05cm×幅1.85cm |
重さ | 5g |
Beats Studio Budsはその小ささと形状から、手からこぼれ落ちやすいように感じたので、外出先で扱う際はご留意を。
操作方法について
このあたりで「Beats Studio Buds(ビーツスタジオバッズ)」の操作方法についてもおさらいしておきましょう。
Beats Studio Budsに搭載されるボタンは、左右のイヤーバッドに搭載される”再生/ノイズコントロールボタン”と、ケースに搭載される”ペアリングボタン”の3つ。
操作方法については以下の通りです。
1回押す | 再生/停止 通話の応答/終了 |
2回押す | 次の曲へ |
3回押す | 前の曲へ |
長押し | ノイズキャンセリング&外部音取り込みモードの切り替え 音声アシスタントの起動 |
ペアリングボタン長押し | ペアリング待機状態に移行 |
イヤーバッドの長押し動作はBluetooth設定(AndroidはBeatsアプリ)から変更できるほか、ペアリングボタンの長押しでペアリングモードに移行できるので、これも覚えておくと役立つかもですね。
ボタンにはカチッとしたクリック感があるので操作しやすいですが、イヤーバッドからの音量調整はできません。(音量調整はSiriにお願いするか、デバイスでどうぞ)
最近はイヤフォン本体で音量調整できるデバイスって多いので、デメリット…というほどではないかもしれませんね。
最大8時間のバッテリーライフ
次に、Beats Studio Budsのバッテリーライフについて。
Beats Studio Budsは最大8時間、ケースと合わせて24時間以上使用可能となっており、5分の急速充電で最大1時間再生できる「FastFurl機能」にも対応しています。
ノイキャンOFF時 | 最大8時間 |
ノイキャンON時 | 最大5時間 |
バッテリーケース込み | 最大24時間 |
参考までに、Beats Studio Budsが手元に届いた8月12日に100%まで充電し、仕事中や寝る前などに音楽を楽しんでがっつり検証…みたいな使い方でも3日間充電することなく使用することができましたが、ワイヤレス充電非対応なのは惜しいポイントかもしれません。
Beats Studio budsはW1/H1チップ非搭載
めっちゃ良い感じの新型ワイヤレスイヤフォン「Beats Studio Buds」ですが、注意点がひとつだけ。
残念なことに、Apple製品間のシームレスな接続と切り替えを実現してくれる“W1/H1チップ”は非搭載です。
大事なことなのでもう一度。W1/H1チップは非搭載です。
これがどういう風に影響するのかというと…AirPodsやAirPods Pro、Powerbeats Proのように自動で接続デバイスを切り替えてくれないのです。
例えば、W1チップ/H1チップを搭載するイヤフォンであれば、iPadで音楽を聴いていて、電話がかかってきたら自動でiPhoneに切り替えてくれるといった感じで最強に便利なのですが、Beats Studio Budsではできません。
音楽の自動停止機能も無いですが、デバイスとの接続時はAirPods Proなどと同様にポップアップが表示されるようになっているため、接続自体はものすごくシンプルで簡単です。
Android対応、ペアリングも簡単
Androidも近づけるだけでペアリング。
さて、iPhoneやiPadといったApple製品だけでなく、Androidスマホにも対応するBeats Studio Budsですが、ペアリングも非常に簡単になっていまして。
W1チップを搭載してはいないですが、独自チップによる恩恵でiPhone/iPadといったApple製品はもちろん、Androidデバイスまでも近づけるだけでペアリング可能です。
(Androidとのペアリングは”Google Fast Pair”機能によるもの)
Androidデバイスは”Beatsアプリ”をインストールすることでデバイスをコントロールしたり、バッテリー残量を確認したり、ファームウェアをアップデートすることもできるというのもGood。
Apple製品とペアリングした場合は、ノイズキャンセリングや各設定がOSにビルトインされているので、AirPodsやその他のBeats製品と同様にバッテリー状態を確認したり、設定を変更することができます。
ちなみに、シームレスな接続&切り替えこそ対応していないですがいくつかのデバイスとのペアリングは維持できるようになっており、デバイスのBluetooth設定から選択することでデバイスを切り替えることは可能です。
Beats Studio Budsの機能&性能まとめ
Beats Studio Budsの機能や性能、覚えておきたいトピックをまとめると以下の通り。
- 重さはイヤーバッドが5g、充電ケースが48g。
- フックやステムのない完全ワイヤレスイヤフォン。
- カラーは「ブラック」「ホワイト」「レッド」の3色展開。
- IPX4相当の耐水性能。
- 最大8時間のバッテリーライフ。バッテリーケース込みで最大24時間。
- 5分の急速充電で最大1時間再生できる「FastFurl機能」。
- ANCまたは外部音取り込みモードオン時は最大5時間。充電ケース込みで最大15時間。
- ANC(アクティブノイズキャンセリング)と外部音取り込みモードを搭載。
- 充電端子はUSB-C。
IPX4相当の耐水性能を備えているので、ジムやワークアウトでがっつり利用できるほか、充電端子がUSB-CというのもGood。
ノイズ除去機能を搭載する”デュアルビームフォーミングマイク”のおかげで通話の音質も非常にクリアです。
Beats Buds Studioの音質に浸る
装着するとこんな感じ。
お待たせしました。ここからはBeats Studio Buds(ビーツスタジオバッズ)の”音質”についてのレビューです。
僕はBeatsブランドの音質が好きなのですが、Beats Studio Budsはしっかり”音質”にもコミットしていまして。
独自のアコースティックプラットフォームにより、パワフルでバランスに優れたサウンドを実現しているほか、独自開発の”8.2mmドライバーユニット”は2枚の振動版を採用し、硬質なピストン軸を柔軟なハウジング内に搭載。
Appleのオーディオ製品ではたびたび聴く”デュアルチャンバー機構”により、優れたステレオセパレーションを実現し、音質もクリアになっています。
僕が試したBeats Studio Budsの音質の印象としては…
- 中音域が控えめで、ズン…と脳の海馬あたりに響く低音重視の音質。高音域は少しばらけたように感じ、伸びに欠けるかも。
- ボーカルの声はとてもクリア。
- ストリングスやシンセといったメロディーラインを担当する音がパキッとしているものの、バスドラム、ベースの音が気持ちいい。
こんな感じ。上記はノイキャン:ON、音量約50%、iPad Proで試したざっくりとした印象ですが、17,800円という価格以上の音質なのは間違いありません。※コーデックは”AAC”。
- 【Beats Studio Budsで聴き込んだ楽曲のプレイリスト】
僕がBeats Studio Budsの音質を試した楽曲のプレイリストは上記の通りですが、一部を抜粋してチェックしてみましょう。
例えば、ビリーアイリッシュの”Lost Cause”はベースラインが特徴的な楽曲ですが、低音に特性のあるBeats Studio Budsとの相性はいい感じで。ビリーの吐息交じりな柔らかいボーカルと低音のベースのコントラストがくっきりはっきり。
セレーナゴメスの”Bad Lier”も上記と同じ理由で特徴的なベースラインをさらに引立て、ノイズキャンセリングの没入感のおかげで最高に気持ちよく聴くことができます。ラブカ?(Feet Ado)も唸るようなベースと炸裂するスネアドラムが最高。
(ラブカとBad Lierはほんと気持ちよく聴けるので、Beats Studio Budsを購入したらぜひ試してみて欲しい)
Anne-Marieの”Kiss My”はDolby Atmosによる空間オーディオも相まって立体感も十分。低音で刻まれるビートがずっしりと鳴り、ヴォーカルとコーラスの定位感も感じられたのですが、ジョン・レジェンドの”All of Me”やリアーナの”Love the Way You Lie(Piano Ver)”といったピアノがメインの楽曲は残響感が強めに感じてしまいます。いずれもボーカルの声はめっちゃクリアで心地よく聴けるんですけど…このあたりはAirPods Proのほうが優れているかなぁと。
これはあくまでも僕の印象ですが、エルビスプレスリーの”Can’t Help Falling In Love”はエレキギター、伴奏のピアノの音が若干ぼやけるものの、エルビスの響くような低い声がとても心地よく聴けたので、改めて低音寄りの調整が行われいているんだなぁと感じたほか、いつも音質を試す時に聞く宇多田ヒカルの”Traveling”は構成する音が際立っていないように感じたので、Beats Studio Budsは中音域の表現力が控えめと思っていいかもしれません。
いずれにしましても、17,800円(税込)という価格を考えると素敵すぎる音質だというのは間違いなし。Apple Musicの空間オーディオにもばっちり対応してます。
17,800円…。同価格帯のAirPodsよりもBeats Studio Budsのほうがよっぽど音質が良いというのは僕のお墨付きですよ、ブラザー。
ノイズキャンセリングと外部音取り込みモードの性能
Beats Studio Budsの忘れてはいけない最も大きなトピックは”ANC(アクティブノイズキャンセリング)“を搭載したこと。
周囲のノイズをシャットアウトして静寂な空間を作り出し、リアルタイムゲインコントロールにより風切り音や周囲の雑音を消してくれるのですが、こちらはAirPods Proと比べて若干の違和感を感じるかなぁと。
空調の音や車の音など、低周波数の音はがっつりシャットアウトしてくれるのですが、サーーッというホワイトノイズが静かな場所だと目立ちます。
付属のイヤーチップの遮音性がいまいちというのもありますが、これは内部的な問題ですね。
あと、ノイキャン用マイクの位置が悪いのか…位置調整の時に「ジュビビーン…ギュワーン」という不快な音がすることがあるというのは僕が地味に気になっているポイントです。
周囲の音を聞くことができる”外部音取り込みモード”は価格相応といった感じで、フィルターを重ねたように曇って聞こえてしまいます。聞いている音との距離感も掴みにくい。
優秀なノイキャンと外部音取り込みモードを備えるBeats Studio Budsですが、AirPods Proには及びませんでした。
(幾度も言ってる気がしますが、価格を考えればめっちゃ優秀です)
WF-1000X4の「ノイズアイソレーションイヤーピース」との組み合わせが至高
ちょっとしたおまけ情報なのですが、Beats Studio BudsはSONYの完全ワイヤレスイヤフォン”WF-1000XM4″のイヤーチップ「ノイズアイソレーションイヤーピース」との相性が抜群で。
Beats Studio Budsの遮音性の低さが改善され、ノイキャン性能や音質がグッと向上します。(SONYさんの技術力のおかげ)
これはAirPodsにも、AirPods Proにも無いBeats Studio Budsの大きなメリットの1つで。AirPodsはイヤーチップがそもそも無いですし、AirPods Proは特殊な形状になのでアイソレーションイヤーピースを使用することはできません。
残念ながら、Lサイズのイヤーピースはケースに入れるとギチギチ。サイズはS/M推奨ですがBeats Studio Budsを購入した人は「ノイズアイソレーションイヤーピース」との組み合わせもお試しあれ。
(Lサイズも使えないことは無いですが…正しく充電できないこともあるのでおすすめはしない)
ノイズアイソレーションイヤーピースの価格は1,980円。Amazonや楽天でも購入可能です。
レビューまとめ!Beats Studio Budsはカジュアルに音楽を楽しむ人におすすめ
さて、思っていた以上のクオリティでお気に入りイヤフォンになってしまった「Beats Studio Buds(ビーツスタジオバッズ)」。
Beatsブランドのイヤフォンで、純粋な完全ワイヤレスで、ノイキャン対応。コンパクトなデザインも素敵ですし、なによりも17,800円という価格が魅力的です。
最後に、Beats Studio Budsの僕のレビューと評価をまとめて締めといきましょう。
Good!!
- 17,800円(税込)という買いやすい価格ながら、ノイズキャンセリングと外部音取り込みモードを搭載。
- コンパクトなサイズとおしゃれなデザイン。
- 低音に強い優れた音質。
- IPX4の防水性能。
- Androidでも快適に使える!
- 赤色のBeats Studio Budsは赤いiPhone&Apple Watchとよく合う。
Bad…
- 外音取り込みモードはいまいち。
- イヤフォンの位置調整時に不快な音が聞こえることがある。
- W1/H1チップを搭載しないため、iPhoneやiPadとのシームレスな接続&切り替えができない。
レビュー&評価まとめ
デザイン | ★★★★★ |
音質 | ★★★★☆ |
機能 | ★★★★☆ |
ノイキャン性能 | ★★★☆☆ |
外部音取り込み | ★★☆☆☆ |
コスパ(価格) | ★★★★★+ |
「Beats Studio Buds」の僕のレビューと評価をまとめると上記の通りですが、高音質で、コンパクトで、お洒落なデザインで、ノイキャン搭載で17,800円という価格がとにかく魅力的。
実は、発売時のPowerbeats Proの価格27,800円より1万円もお安くなっているので、最新のBeats製ワイヤレスイヤフォンがこの価格で手に入ることを考えると…お釣りがきちゃうくらいにコスパにも優れているんじゃないかなぁと思うのです。
性能的に、Beats Studio Budsはどちらかというと入門向け。
防水性能を備えているので日常使いにも最適ですし、カジュアルに音楽を楽しむならこいつで幸せになれること間違いなしですよ、ブラザー。