不意に弦アースが全く取れなくなる問題。
今回は、ブリッジアンカーから弦アースが伸びているタイプの「フェンダー ジャガー」について、あまりにも弦アースが不安定すぎて、弦に触れてもノイズが全く消えなくなったので、対処したってお話です。
最近のものだとテールピースから弦アースを取っていて、安定しているものが多いみたいですが…ブリッジアンカーから取っているタイプは何かしら対処しないと不安定かも。
フェンダー ジャガーの弦アースを改善する方法とHowTo。弦アースを直接はんだづけしてしまえばいい
それじゃ、早速フェンダー ジャガーの弦アースを改善する方法とHowToについて見ていきましょう。
ジャガーと言えば、ショートスケールで低めのテンションとサドルが原因で弦落ちしやすかったり、歪めるとフィードバックしやすかったり、欠点も目立つ無骨で素敵なギターですが、割と問題なのが”弦アース”の不安定さ。
最近のものだと弦アースはテールピース(フローティングトレモロのところ)から取られているタイプが多く、弦アースも安定しているのですが、古いものだったり、古い仕様を復刻したモデルだったりすると、弦アースはブリッジアンカー(弦高を調整できるところの穴)から取られていることが多く、非常に不安定。
ブリッジの足とブリッジアンカーには僅かな遊びがあり、ちゃんと接していれば弦アースは取れるのですが…接していないとちょっと激しくストロークしたり、アーミングでズレて、すぐ弦アースが取れなくなり、弦に触れてもノイズが減らないことがちょこちょこあります。
今回は、フェンダー ジャガーの弦アースをブリッジアンカーからテールピースに変更していこうかと思うので、ジャガーの弦アースが不安定で困ってるって人は参考にどうぞ。
- コントロールパネルとフローティングトレモロユニットを外す
- トレモロユニットのザグリに配線用の穴を開ける
- トレモロユニットに弦アースのリード線をはんだ付け
- 弦アースのリード線をコントロールパネルのザグリへ引き込み、ポット(コールド)にはんだ付け
- 導通を確認して完了
Fender Jaguarの弦アース変更の流れは上記のとおり。はんだごてとはんだ、アース用のリード線、穴あけ用のドリル、長めのドリルピット、アナログテスターなんかがあると簡単に作業できるかなと。(慣れていない人はKester44よりgootの音響部品用はんだが使いやすくておすすめ)
弦アースをトレモロユニットに直接はんだづけせず、そのまま芯線むき出しでボディとユニットのプレートの間に嚙ませたり、弦アースにアースラグを取り付けてプレートと一緒にネジ止めしたり、導電塗料で繋げたり、色々な方法が考えられますが、僕は安定させることが目的なのでストラトみたいにハンダ付けした。
Step1:コントロールプレートとフローティングトレモロユニットを取り外す
まずはStep1。弦を外し、コントロールプレートとフローティングトレモロユニットを取り外します。※配線の長さに余裕がない場合はピックガードも外しておくと取り回しが楽。
フローティングトレモロユニットを取り外すとこんな感じ。高確率で”木クズ”などがあると思うので、軽く掃除しておくといいかも。
Step2:トレモロユニットのザグリに配線用の穴を開ける
ブリッジアンカーから弦アースが伸びているタイプのジャガーはザグリ(キャビティ)にコントロールプレートと繋がる穴が無いので…ドリルで穴開けです。
なるべく角度を付けずに穴開けしたいので、長めのドリルピットは必須ですが、長さは15cmほどあれば十分。僕は正面から見て右上の角に穴開けしました。
コントロールキャビティとトレモロユニットのキャビティが繋がったら、適度な長さに切ったリード線を通しておきます。リード線は少し余裕を持って長めに切っておくと取り回ししやすい。
Step3:トレモロユニットにリード線をはんだ付けする
お次はトレモロユニットに直接はんだ付け。フローティングトレモロユニットのプレートの”はんだ付けしたい位置”にピンセットなどで傷をつけ、はんだが乗りやすいようにしておきましょう。HOZAN H-722(フラックス)があるとさらに良き。
そしたら、リード線をトレモロユニットにはんだ付け。僕は直接フローティングトレモロユニットにはんだ付けしましたが、ジャガーのトレモロユニットはプレートの面積が大きく、はんだごての熱がすぐ逃げるので…はんだ付けの難易度はなかなかに高め。(いい感じで”はんだ”が広がらない、乗らない)
上手くはんだ付けできるか不安な場合はアースラグにリード線をはんだ付けしてトレモロユニットのネジと一緒に締めるか、導電塗料でプレートとアースラグを繋ぐといいかもです。
フローティングトレモロユニットはいわば金属の塊。ポットやスイッチのようにはんだごてで熱し過ぎて壊れてしまうことはないため、多少失敗したとしても…直接はんだ付けしたほうが弦アースが安定するしおすすめです。
Step4:リード線をポットにはんだ付けする
トレモロユニットにリード線をはんだ付けしたら、最後にポットの「-(コールド)」にはんだ付け。
ジャガーは配線がゴチャゴチャしがちですが…ポットの空いている場所に直接はんだ付けすればOKです。僕はトーンポットにはんだ付けしました。
ちなみに、リード線をはんだ付けするのは、ピックアップのコールド線がはんだ付けされている場所。ポット同士がリード線で繋がっている場合はどちらのポットも「-(コールド)」になっているので、ボリュームポットでも、トーンポットでも、どちらでもOKです。
Step5:テスターで導通を確認する
アース線のはんだ付けが終わったら、ネジ止めする前に導通を確認。アナログテスターでコントロールプレートやトレモロユニット、導電塗料を塗っている場合はキャビティ内の導通も確認しておき、目盛りが動けば作業は完了です。お疲れさまでした。
ブリッジアンカーから伸びている”元々の弦アース”はそのままでもいいですし、切っちゃってもOK。
Fender Jaguarはテールピースから直接弦アースを取ると安定する
さてさて、穴あけが若干手間ではあるものの、ものすごく簡単に出来ちゃうフェンダー ジャガーの弦アースの引き直し。
ブリッジアンカーから弦アースが伸びていた時は、弦に触れてノイズが小さくなることもあれば、全く消えないこともあったり、ピックアップに触れた時に「ジジ…」という不快な音が混ざることもあったのですが、テールピースに弦アースを引き直してからは超絶安定。参考になれば。