エピフォン レスポール ジュニアを綺麗に配線する方法とHowTo #ギター小噺

レスポールジュニア 綺麗に配線する方法とHowTo

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配線を整えるだけで音が良くなる。

ガジェットブログを運営する僕が、趣味のギターに関するカスタムやリペアのお話をSEO/起承転結/需要、全無視でブラザー(読者)にお届けする不定期連載「ギター小噺」。

今回は、少し前に購入した「エピフォン レスポールジュニア」の配線を綺麗に整えたので、配線方法や注意点なんかをシェア。

基本的にグレードの低いギターほど配線材やコンデンサーがしょぼかったり、配線が汚かったりでギターが本来持つポテンシャルを引き出せていないことがちらほらあります。

僕が購入したレスポールジュニアは"Inspired by Gibson"で比較的配線は綺麗で、ポットもCTS製が採用されていたのですが、より綺麗な配線を目指してみたので参考にどうぞ。

趣味のギターに関するカスタムや修理、エピフォンレスポールジュニアについては以下の記事もぜひ参考に。

#ギターの修理や配線で役立つかもしれない記事のまとめ

#エピフォン レスポールジュニアのフレットやテールピースを掃除しつつ簡単にレビュー

レスポール ジュニアの配線を綺麗に整える方法とHowTo

エピフォン レスポールジュニア クリーニング

僕のエピフォン レスポール ジュニアは、50年代のギブソン レスポール ジュニアの仕様を廉価で再現した"Inspired by Gibson"モデル。

エピフォンレスポールジュニア カプラー ピックアップ
エピフォンレスポールジュニア ジャックのハンダ付け

配線なんかも50年代のギブソンの仕様が"ある程度"再現されていて、コンデンサーは現行モデルに多い「ピックアップの出力に直付け」ではなく、ボリュームの後…つまり"アウトプットの端子"に繋がっている状態。

現行モデルの配線はハイパスがよく効き、ボリュームとトーンの独立性が高いと言われているのに対して、50年代の配線はハイパスが効きにくく、ボリュームとトーンが相互に影響しあうことで音質にも影響を与える…と言われています。(要するに好みの問題だけど、ヴィンテージが好きな人は50年代の"オールド配線"を好むみたい)

僕のエピフォンのレスポールジュニアは比較的配線は綺麗なほうでしたが、もう少し綺麗に整えていこうかと思うので、レスポールジュニアの配線を綺麗にする方法やHowToについておさらいです。

配線を整えるためにあると良いものや必要なものは上記のとおり。

レスポールジュニアの一般的な配線図は「P-90(ソープバー・ドッグイヤー)」としてギターワークスが公開してくれているので、こちらもぜひ参考に。僕の配線はちょこっとだけ異なります。

Step1:アース線やピックアップのカプラーを外す

エピフォンレスポールジュニア 純正の配線

今回は導電塗料を塗らないので、弦はそのままで作業しましたが、ボディを傷付けないようにクロスや布で保護しておくことはお忘れなくです。

背面のキャビティカバーを外して内部にアクセスしたら「ピックアップのカプラー」と「ボリュームにハンダ付けされている弦アース」「アウトプットジャックの配線」を外していきます。

エピフォンレスポールジュニア ノブ
エピフォンレスポールジュニア アッセンブリを固定する

アースやピックアップ、ジャックと繋がっている配線を外したら、アッセンブリ(ポットやケーブルを配線した状態のもの)を取り出せるようになるので、ノブを外し、ポットを止めている"ナット"も外してキャビティから取り出しておきましょう。

#Tips
レスポールジュニアのアッセンブリは"穴の開けたダンボール"があると作業しやすくておすすめ。ポットの"軸"にマッキーで色を付けて、ダンボールを押し付けるとマーキングできるので、その位置に穴を開けるだけでOKです。僕はiPhoneが入っていた箱をそのまま使ってる。

Step2:レスポールJrの配線を全部外す

エピフォンレスポールジュニア 純正アッセンブリ 見た目
純正アッセンブリ

エピフォン レスポールジュニアに搭載されているパーツは「CTS B500K」が2つと「フィルムコンデンサ 2A223J(0.022㎌)」。ピックアップ以外はブレイデッドシールド線ではなく、ビニール線。

個人的にレスポールジュニアのP90には500kのポットと0.022㎌のコンデンサが合うと思うので…これは嬉しい。

#Tips
ブレイデッドシールド線とは、クロスワイヤーの上に"メッシュシールド線"が被さったタイプの配線材。クロスワイヤーはホット。メッシュシールド線はコールドでポットに直付けしたり、よじって端子と繋ぐこともあるギブソン系ギターでよく使う配線。

今回は配線を整えるついでにコンデンサーを「SPRAGUE オレンジドロップ 715P 223J(0.022㎌)」に交換していきますが、まずはレスポールジュニアのすべての配線を取り外しておきます。

エピフォンレスポールジュニア 元の状態の配線
エピフォンレスポールジュニア はんだ吸い取り線 ポット

配線はフラックスやはんだ吸い取り線を良い感じに活用しつつ、取り外していきましょう。

エピフォンレスポールジュニア ポットを綺麗にした状態
エピフォンレスポールジュニア ジャックプレート

今回はレスポールジュニアの配線を整えることが目的なので、すべての配線を外しましたが、はんだ付けに慣れていなかったり、コンデンサーを交換するだけであればここまでしなくてOK。

ジャックも先に取り外しておくと、後々作業しやすいです。

Step3:ポットやコンデンサー、ジャックを配線する

エピフォンレスポールジュニア アッセンブリ

さて、ここからはレスポールジュニアの配線です。僕の配線はボリュームとトーンの"コールド線の接続先(画像の裸線)“がちょっと異なりますが、レスポールジュニア一般的な配線図は「P-90(ソープバー・ドッグイヤー)」としてギターワークスが公開してくれているのでこちらも参考に。

エピフォンレスポールジュニア コンデンサー オレンジドロップ
脚にクロスを被せたコンデンサー
エピフォンレスポールジュニア アースで繋いだポット
アース線で繋いだポット

僕のレスポールジュニアの配線手順は以下の通り。

  1. コンデンサーの足を適度な長さにカットして、クロスワイヤーの布部分を被せておく
    • 布部分を外して裸になった線はボリュームとトーンの接続にちょうどいい長さになるので、僕はそのままアース線に使う
  2. ボリュームとトーンのコールドを"裸線(アース線)"で繋ぐ
    • 自分から見て「ボリュームの一番奥」と「トーンの真ん中」の端子に通してポットに直付けする ※僕の場合。
    • 専用のアース線がある場合はそれを使うといいかも
  3. コンデンサーの足を自分から見て「ボリュームの真ん中」と「トーンの一番手前」に通しておく
    • コンデンサーの"右足"を先にはんだ付けする
  4. ジャックのインプットを「ボリュームの真ん中」の端子に通し、コンデンサーの"左足"と一緒にはんだ付けする

レスポールジュニアの「ジャックの配線」はブレイデッドシールド線を使用する場合と2本線を使用する場合で配線方法が異なるので、このあたりもちょこっと補足しておきます。

ジャックにブレイデッドシールド線を使用する場合

エピフォンレスポールジュニア ブレイデッドシールドクロスワイヤー
メッシュのジャック側は捩って少しだけ伸ばすのがコツ。

レスポールジュニアのジャックに「ブレイデッドシールド線(メッシュ線)」を使用する場合は、メッシュ線をトーンポット側面に直付けしますが、その前にブレイデッドシールド線の“メッシュ"をよじってジャックにはんだ付けできるようにしておく

メッシュ線は簡単に裂けるので、2-3cmほど裂いてからメッシュを指でよじり、そのあとに適切な長さにカットするのがおすすめです。

エピフォンレスポールジュニア ジャックのはんだ付け 固定
メッシュ線を収縮チューブで保護するもお忘れなく。

メッシュ線の準備が整ったら、トーンの端子に接触してしまうのを防ぐためにブレイデッドシールド線(メッシュ線)を「絶縁収縮チューブ」などで保護。先にポットにはんだを馴染ませておき、テープで止めて動かないように固定します。

エピフォンレスポールジュニア ジャックのハンダ付け コールド

そしたら、トーンポットの側面にメッシュ線をはんだ付けです。あまり多くはんだを乗せないように注意しつつ、メッシュ線とポットにはんだがしっかり馴染んで固定されればOK。

エピフォンレスポールジュニアは画像の位置だとキャビティが狭くて取り回しがきつかったので、ジャックのブレイデッドシールドワイヤーはもう少し端子側に近いところにはんだ付けするのがおすすめかも。僕は後ではんだ付けし直しました。

エピフォンレスポールジュニア ブレイデッドシールドを用いた配線
メッシュ線を用いたアッセンブリの完成図。

最後に、ブレイデッドシールド線のクロスワイヤーをジャックのホット、捩ったメッシュ線をジャックのコールドにはんだ付けして完成。

今回、僕の手持ちのシールド線が短いのしかなくて…ジャックプレートまで届かず。とてつもなく悔しいですが今回は元々付いていたジャックの配線を使用しました。(Amazonで買って時間があるときに配線し直す予定)

ジャックに2本線や元の配線を使用する場合

エピフォンレスポールジュニア ジャックのハンダづけ メッシュ
エピフォンレスポールジュニア ジャックのはんだ付け

お次はジャックに「2本の線」や「元の配線」を使用する場合の配線について。エピフォン レスポール ジュニアの配線をそのまま使用する場合は、長すぎるので適切な長さにカットしたあと、灰色の被膜を外しましょう。

そしたら、こちらもブレイデッドシールド線のように外側にメッシュ線、内側に白い配線が出てくると思うので…メッシュ線を指でよじってちょうどいい長さにカットしたら、ジャックの端子にはんだ付けしておく。(ジャックの端子は白い線がホット、メッシュ線がコールド)

エピフォンレスポールジュニア 2本線を使用した配線
元々のケーブルを使った配線の完成図

そしたら、白い線をボリュームポットの真ん中の端子、捩ったメッシュ線をボリュームポットに直付けして完成。ジャックの白い線にも絶縁チューブを被せておくとさらに良きです。

ホットとコールドそれぞれで独立した線(合計2本)を使用する場合も"熱収縮チューブ"でまとめておくと綺麗になりますよ。

Step4:ピックアップのカプラーを外すか否か問題に対処する

エピフォンレスポールジュニア カプラーを外すか否か問題

エピフォン レスポール ジュニアのアッセンブリが完成したところで立ちはだかるのが「ピックアップのカプラーを外すか否か」問題。

カプラーはピックアップの取付&取り外しが抜群にしやすいし、音質にもそこまで大きな影響はないかと思うのですが…僕はキャビティがゴチャゴチャするし、見た目的にも好きじゃないので取り外しました。

カプラーを取り外す場合はカットしちゃいましょう。

#Tips
50年代のギブソンレスポールジュニアにカプラーは付いていないし、ピックアップも一度取り付けたらそんなに外すことはないと思うので…カプラーは外してしまったほうがいいかも。音質に変化があったとしても、それはきっと良い変化になるはずです。

Step5:ピックアップやアースをはんだ付けして完成

エピフォンレスポールジュニア 完成後のアッセンブリ

お次はボディ側から出ている「ピックアップ」と「弦アース(テールピースのスタッドに繋がる)」の配線です。

ピックアップのクロスワイヤー(ホット)はボリュームポットの自分から見て一番手前。メッシュ線(コールド)はボリュームポットに直付けですが、こちらもほかのホット端子に接触しないように絶縁収縮チューブで保護しておくのがおすすめ。

アース線はトーンポットに直付けしました。

エピフォンレスポールジュニア 綺麗に配線した状態

最後に、レスポールジュニアのキャビティにアッセンブリを収めて綺麗に整え、ジャックをプレートに固定すれば完成。

ピックアップとアース線はもう少し短くてよかったかもですが、少し余裕のある長さだとキャビティから持ち上げるだけで色々と触れるようになるので、これくらいがちょうどいいかも。

追記:後日ブレイデッドワイヤーを購入して配線した

レスポールジュニアの基本配線
レスポールジュニア 配線後 綺麗

後日ブレイデッドシールド線を購入し、綺麗に配線した様子がこちら。

前回より丁寧に"絶縁チューブ"でコールド線を保護し、ホット線や端子と接触しないようにしています。ブレイデッドシールド線を扱う場合は絶縁チューブもセットで考えておくといいかも。

#Tips
ブレイデッドシールド線をジャックに使用する場合、必ずジャック側の端子と線を絶縁チューブで保護しておかないと接触不良で音が鳴らなくなったり、途切れることがあります。必ず絶縁チューブで保護しておきましょう。

レスポールジュニアの配線は超簡単。廉価モデルは配線を変えれば音もよくなる

エピフォンレスポールジュニア 純正の配線 しょぼいコンデンサ
エピフォン純正の配線
エピフォンレスポールジュニア 綺麗にした後の配線
綺麗に配線した後

今回は余裕で余ってると思っていた"ブレイデッドシールド線"が全然なくて、急遽配線を変更しましたが…それでも元の状態と比べると圧倒的にすっきりさっぱり。

レスポールジュニアはピックアップが「P-90」1基だけでスイッチも何もないので、配線は非常にシンプル。初心者でもグイグイ自分で配線してカスタムしやすいギターかなと。特に、今回のエピフォン レスポール ジュニアみたいな廉価モデルは配線を整えてやるだけで音圧が増し、レスポンスもよくなり、音質の変化も実感できるはずです。

今回はシールド線が足りなくて、元々付いていた配線材でジャックを繋ぎましたが…どうしてもブレイデッドシールドワイヤーで繋ぎたいのでそのうち変更したいなと。なにかしらの参考になれば!

ギターに関するカスタムや修理についてお届けする不定期連載"ギター小噺"については以下の記事もぜひ。

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