プラグが回転するのは予想外。
デルタ電子より”One For All急速充電器シリーズ“の個性が爆発しまくった急速充電器「Innergie(イナジー) 45H」をご提供いただいたので、使用感や充電速度をチェックしつつ、レビューをお届けです。
PD3.0(PPS)やQC4.0にも対応し、USB-C単ポート使用時の最大出力は45W。
2ポート同時充電時の出力は最大30W+12Wと多くのデバイスを最大出力で充電できるポテンシャルを秘めているほか、最も大きなトピックは「360°回転するプラグでスペースにあった向きで使える」ってところですね。
Innergie 45Hの価格は4,390円です。
プラグが回転する2ポート搭載45W急速充電器「Innergie 45H」をレビュー
付属品は電源アダプタと説明書のみ。
それじゃ、まずは「Innergie 45H」のデザインや使用感をチェックしつつレビューをお届けです。
Innergie 45Hはデルタ電子ブランド”Innergie(イナジー)”のOne For All 急速充電器シリーズにラインナップされる2ポート搭載急速充電器。
C6(Fold)やC6 Duo、C3 DuoといったほかのOne For Allシリーズの急速充電器と異なり、360°回転するプラグを搭載しているのが大きな特徴です。
#Tips |
本社を台湾に置く”デルタ電子”は、設立50年以上の歴史を持つ世界No.1電源メーカー。電源や電子部品など様々な分野で数多くの実績を積み上げ、世界で圧倒的なシェアを誇ります。Appleにテスラ、Dellや任天堂、HPなどの主要メーカーで数多く採用されてるため、みんな一度は使ったことあるはず。 |
デルタ電子は世界でも高いシェア率を誇る電源メーカーなのですが、分かりやすいところで言うとNintendo Switchの充電器もデルタ電子製。
デルタブランドの1つというだけあり、「Innergie(イナジー)」の急速充電器”One For Allシリーズ” は品質の高さも折り紙付きですよ。
グッドデザイン賞を受賞したInnergie 45Hのデザインを眺める
それじゃ、ここからはグッドデザイン賞を受賞した「Innergie 45H」のデザインをチェックしていきましょう。
(色々と補足を入れつつレビューしていこうかと思いますが、Innergie 45Hのデザインはほんとに秀逸)
サイズは56×56×28mm、重さは96g。45HもほかのOne For All急速充電器シリーズと共通した”シンプルで真っ白なデザイン”が特徴です。
変換プラグにはグレーのキャップ。持ち運ぶときの保護カバーになってくれるので、捨てないで残しておきましょう。
キャップを外すとこんな感じ。これがInnergieの独自技術による特許取得済み変換プラグですね。
Innergie 45HとInnergie 60C Proは共通のプラグが採用されているため、変換プラグは流用可能です。PSEマークも取得済み。
詳細は後述しますが、360°回転可能な変換プラグの正体がこいつ。
Innergie 45Hのパッケージには日本のコンセント用プラグが付属し、背面には”デルタ電子”のロゴが記載されてます。
前面にはPD3.0(PPS)に対応したUSB-CポートとUSB-Aポートが1つずつ。
USB-C単ポート使用時の最大出力は45W。USB-CとUSB-Aの同時充電時は最大30W+12W。PD3.0(PPS)やQC4.0による急速充電にも対応しています。
#Tips |
PPS(Programmable Power Supply)とは、PDの規格のこと。PDでは一定の電圧帯のみでの給電が可能でしたが、PPSは電流と電圧を調節して超効率よく充電できます。つまり、PDと比べて電力の無駄がないので発熱も少なめ。 |
Innergie 45Hは向きを変えられる変換プラグが秀逸
変換プラグをガッチャンコ。
Innergie 45Hがほかの充電器と全く違うのは360°回転するプラグを搭載しているところ。
(すでにちらっと触れていますが、変換プラグの技術はInnergie 60C Proと同じです。変換プラグは60C Proから流用可能)
さすがグッドデザイン賞を受賞しているだけあり、この変換プラグの使いやすさはなかなかのもの。
緩くなく、固くもなく、絶妙な力加減で回転させることができます。
スペースに合わせてプラグの向きは自由自在。
プラグを回転させてほかの充電器と干渉しないようにしたり、ケーブルのねじれを防いだり。これはほかの充電器にはないInnergie 45Hの大きなメリットかなぁと。
ただし、45Wクラスの充電器としてはサイズが大きめで、重さもあるので、持ち運ぶよりは定位置で使うスタイルのほうが向いています。
変換プラグの単品販売は無し
それと変換プラグに関してもうひとつ。
Innergie 45HはInnergie 60C Proと同じ変換プラグ特許技術が採用されているため、プラグは60C Proのものが流用できるほか、変更することで海外のコンセントでも利用できます。
ただし……変換プラグは単体で購入することができません。
めっちゃ探してみたけど、変換プラグのみの単体販売は見つけられませんでした。
単ポートの最大出力は45W、同時充電時の最大出力は30W+12W
Innergie 45HはUSB-CポートとUSB-Aポートの2つのポートを搭載していますが、単ポート充電時の出力は最大45W。
同時充電時の出力については以下の通り。
- USB-C 単ポート充電
- 最大45W
- USB-C+USB-Aの同時充電
- USB-C : 最大30W
- USB-A : 最大12W
USB-CとUSB-Aの2つのポートを使用して同時充電する際の最大出力は30W+12Wです。
USB-CポートでiPhoneやiPad、Macbook Airを充電して、USB-AポートでイヤフォンやApple Watchを充電する……みたいな使い方がよさそう。
C6(Fold)やC6 Duoとサイズ感をダダっと比較
左からC6(Fold)、C6 Duo、45H
せっかくなので、ほかのInnergie One For Allシリーズの急速充電器とサイズ感やスペックもダダっと比較しておきましょう。
Innergie 45HはOne For Allシリーズの中でも大きめなサイズで、折り畳み式プラグを搭載していないため持ち運びには不向き。
変換プラグを取り外せばもう少しスマートになりますが、そうなると変換プラグを失くしてしまうリスクもありますし……やっぱり、45Hは定位置に収まってもらうスタイルが最適かも。
45H、C6(Fold)、C6 Duoのスペック比較
45H | C6(Fold) | C6 Duo | |
サイズ | 56×56×28mm | 60×30.4×30.4mm | 30.4×47×56mm |
重さ | 96g | 85g | 140g |
最大出力 | 45W | 60W | 60W |
同時充電 | 30W+12W | – | 45W+18W 30W+30W |
ポート | USB-C×1 USB-A×1 | USB-C×1 | USB-C×2 |
価格 | 4,390円 | 4,990円 | 5,990円 |
Innergie 45HとC6(Fold)、C6 Duoのスペックを比較してみるとこんな感じ。
持ち運びを想定しているならC6(Fold)やC6 Duo。固定の場所で利用するなら自由な向きで使えてスペースに悩まない45Hがおすすめです。
スペックと仕様
名称 | One For Allシリーズ Innergie 45H |
サイズ | 56×56×28mm 96g |
AC入力 | 100-240V AC 1.3A 50-60 Hz |
USB-C出力 | 5V DC/3A ; 9V DC/3A 12V DC/3A; 15V DC/3A 20V DC/ 2.25A; PPS 5V-11V/3A (合計出力 45W) |
USB-A出力 | 5V DC/ 2.4A (合計出力 12W) |
端子 | USB Type-C ×1 USB Type-A ×1 |
その他 | PD3.0(PPS)対応 QC4.0対応 変換プラグ特許技術 シームレスデザイン 過電流/過電蓄保護 過熱保護/過載保護/短絡保護 2年製品保証 |
価格 | 4,390円 |
Innergie 45Hの充電性能を試す
それじゃ、Innergie 45Hの充電速度を計測しつつ、どれくらいのい速度で充電できるのか?も見ていきましょう。
公称値では、Macbook Air 13″が1.8時間で0-100%、iPhone 13 Proが50分で0-70%まで充電できるとのことですが、まずは単ポート使用時の充電速度と定格出力(平均)を見ていきましょう。
充電速度の簡易テスト
時間の都合上、計測時間はバラバラであくまでも簡易的なテストですが……Innergie 45Hの充電時間の目安としてどうぞ。
1ポート使用時(USB-C)
充電時間 | バッテリー | 定格平均 | |
iPhone 13 mini | 23:30 ↓ 23:40 ↓ 23:50 ↓ 0:00 ↓ 0:10 | 18% ↓ 38% ↓ 56% ↓ 70% ↓ 79% | 9.02V 1.78A 16.05W |
Pixel 7 | 16:27 ↓ 16:37 ↓ 16:47 ↓ 16:57 ↓ 17:07 | 14% ↓ 30% ↓ 45% ↓ 61% ↓ 72% | 8.72V 2.14A 18.66W |
12.9 iPad Pro (M1 Pro) | 22:34 ↓ 22:44 ↓ 22:54 ↓ 23:04 ↓ 23:14 | 36% ↓ 47% ↓ 59% ↓ 69% ↓ 77% | 15V 2.34A 35.14W |
Nintendo Switch (有機EL) | 13:27 ↓ 13:37 ↓ 13:47 ↓ 13:57 | 65% ↓ 72% ↓ 78% ↓ 83% | 14.9V 1.01A 15.09W |
iPhone 13 miniは30分間の充電で約50%。Pixel 7も30分間の充電で約50%。
12.9インチiPad Proは30分間の充電で約30%充電できました。
いずれのデバイスも定格平均値は安定しており、デバイスの対応するほぼ最大出力で充電できているので、Innergie 45Hは充電性能もばっちりです。
#Tips |
デバイスの対応W数は、iPhone 13 miniが最大18W、iPhone 13 Proが最大23W、12.9インチiPad Pro(M1)は最大36Wです。M1搭載Macbook Airは最大45Wなので、45HならMacbook Airまで対応してます。Apple製品の対応W数はInnergie公式HPも参考にどうぞ。 |
2ポート使用時(USB-C:定格平均)
iPad mini6 + Pixel 7 | 14.9V – 1.06A = 15.82W + 8.86V – 2.14A=18.96W |
Macbook Pro M1Pro + iPad mini6 | 19.8V – 1.45A = 28.81W + 14.9V – 1.08A = 16.88W |
Pixel 7 + Nintendo Switch (有機EL) | 8.88V-2.15A=19.09W + 14.9V-0.74A=11.07W |
2ポート同時充電時の定格平均はこんな感じ。同時充電時はUSB-Cポートが最大30W、USB-Aポートは最大12Wです。
※いずれもUSB-Cポート使用時の定格平均値です。USB-CポートとUSB-Aポートで同時充電した際の数値ではありません。
PPSに対応するスマホ
参考までに、PPSに対応するAndroidスマホ(一部)は以下のとおり。
- PPS 45W
- Glaxy Note10+
- Galaxy S21/S22 Ultra
- PPS 30W
- Google Pixel 6/6 Pro
- Google Pixel 7/7 Pro
- Xperia 1Ⅲ
- Xperia 5Ⅲ
- Xperia1Ⅳ
- PPS 25W
- Galaxy Z Fold3 5G
- Galaxy Z Fold 2
- Galaxy S20/S20+/S20 Ultra
- Galaxy Note20/Note20 Ultra
- Galaxy Note10
GalaxyでPPSに対応する製品は「Super Fast Charging 」と呼ばれる機能を搭載しています。PPS=Super Fast Charging。
比較的新しいXperiaやGoogle PixelもPPSに対応しています。
レビューまとめ!Innergie 45Hはスペースを有効活用したい人におすすめ
充電速度を検証しつつのレビューだったので、少々長くなってしまいましたが、回転プラグのおかげでスペースを有効に使える45W急速充電器「Innergie 45H」のレビューをまとめておきます。
360°回転する変換プラグは合理的で納得のいく使いやすさです。
Good!
- 最大45Wで2ポート搭載
- 360°回転プラグで向きを調整できるため、スペースを有効活用できる
- 6段階の電圧を自動で検出して調整し、デバイスに最適な電力で充電できる
- 4,390円の買いやすい価格
Bad
- ゴツイので持ち運びには向かないかも
- 45Wクラスの急速充電器なら他にも選択肢がある
Innergie 45Hのレビュー&評価まとめ
デザイン | ★★★★★+ |
サイズと重さ | ★★★☆☆ |
充電性能 | ★★★★☆ |
対応デバイス | ★★★★★ |
価格(コスパ) | ★★★★★ |
総合評価 | 8/10 |
Innergie 45Hの僕のレビューと評価をまとめるとこんな感じ。
変換プラグを搭載する形状で、ごつめなデザインとなっているため、持ち運びに適しているとは言えないですが……最大出力45Wで2ポート搭載。さらにはPD3.0(PPS)やQC4.0にも対応しているため、同じ場所で固定して使うにはおすすめの急速充電器かなぁと。
なにより、やっぱり回転プラグでほかの充電器と干渉することなく使えるのは大きなメリットですね。気になるブラザーはお試しあれ。