僕が一番弾き倒しているFender Japanのテレキャスター「TLG80-60」のハイパスコンデンサをセラミックからオレンジドロップに交換したので、交換方法や音の変化についてシェア。
コンデンサが与える音質の変化はそこまで大きくないと言われていますが、セラミック → オレンジドロップは思いのほか音質に変化があるかも。
テレキャスのハイパスコンデンサをオレンジドロップに交換したら結構音質が変わった
ここ最近の僕は、Googleコアアップデートの影響でブログのPVが壊滅状態になり、収益も3分の1へと激減。
いい機会だし、一旦更新ペースを落としてやりたいことをやろうと思って、ゲームしたり、アニメや映画を見たり、「2012年製 ギブソン フライングV」のリペアをしていたのですが、フライングV用のコンデンサーを買うついでに…ってことでテレキャス用のハイパスコンデンサもあわせて購入しました。
僕のテレキャスター「Fender Japan TLG80-60」は1984年のフジゲン製で、Eシリアルのいわゆるジャパンヴィンテージ。
TLG80-60の純正品はブリッジからペグ、ピックアップカバー、ストリングガイド、コントロールプレートやノブ、ネジ、ジャックプレートまですべてゴールドパーツ。ジャパンヴィンテージだから良い!ってわけでは無いですが、このギターは”鳴り”が良い。
購入時すでに”ほぼ”すべてのパーツにガタが来てて、ペグとブリッジ、フロントピックアップはGotoh、リアピックアップはセイモアダンカン、ポットやスイッチ類もすべて交換しており、プルスイッチでフロントとリアのピックアップをシリーズ(直列)できるように配線も変えているため、ネックとボディ以外にTLG80-60の名残は残っていないと言っていいほどのフルカスタム。
ハイパスコンデンサには日本製のセラミックコンデンサを搭載していたのですが、オレンジドロップに交換してみたので、交換方法や手順、音の変化について簡単にシェアです。
テレキャスターのハイパスコンデンサを交換する方法とHowTo
ハイパスコンデンサの交換で最低限必要なものは以下の通り。※リンクからおすすめ商品のページに飛べます。
- はんだごて (Goot PX-401がおすすめ)
- おすすめはこて先が斜めになっている”C型”
- 先端が尖っているタイプは熱を伝えにくいのでコツがいる
- 温度固定なら推奨は30W~40Wくらい
- 僕のおすすめは温度調節機能のあるタイプ
- はんだごて台もあわせて購入しておくといいかも
- 音響部品用はんだ
- はんだ 吸い取り線
- 精密ピンセット
- Goot社製のピンセットが使いやすい
- 僕は逆作用ピンセットやヒートクリップも使ってます
- クロスワイヤー(布製スリーブの配線材)
- 僕が使っているのはMONTREUX製クロスワイヤー
テレキャスのハイパスコンデンサを交換するために最低限必要なものは上記のとおり。ここからは実際に写真を眺めつつ、ハイパスコンデンサーを交換する方法について見ていきましょう。
Step1:交換するコンデンサを取り外す
まずはStep1。あらかじめ”はんだごて”を温めておき、テレキャスのコントロールプレートを開いたら、交換するコンデンサを取り外す。
配線はギターごとに微妙に異なるので、取り外す前に写真を撮っておくのがおすすめ。配線図の全体が分かるように撮影しておくと失敗しにくくなりますよ。どこに配線すりゃいいんだ…って見失うこともなくて安心。
今回は、丸くて小さいオレンジ色のセラミックコンデンサを取り外しますが、Blackcandy(黒い大きいコンデンサ)とジャックのホット線(白いケーブル)が邪魔になるので、はんだ吸い取り線を使って先に取り外しました。
これでハイパスコンデンサにアクセスしやすくなったので、はんだ吸い取り線を使用して取り外す。
Xboxワイヤレスコントローラーの基盤を修理した時の動画ですが、はんだ吸い取り線の使い方はこんな感じ。
はんだ吸い取り線は、取り除きたい”はんだ”に当てて、はんだごてで温めると吸い取ってくれるエジソンもびっくりの便利アイテム。(はんだ吸い取り器なんかもあるけど、ギターの半田に関しては吸い取り線のほうが使いやすい)
はんだ吸い取り線ではんだを取り除いたら、ハイパスコンデンサは簡単に外れます。
ちなみに、左が今回取り外した国産セラミックコンデンサ。右がフェンダーやスクワイヤーの純正で見かけることが多いコンデンサ。
ギターの部品(特にポット)は熱に弱いので、はんだごてを長く当てすぎないようにご注意を。はんだごてを当てる時間は3秒~4秒くらいがベストですが、はんだが溶けない時は追加ではんだを足すと溶かしやすくなります。
Step2:コンデンサにクロスワイヤーのスリーブを被せる
古いハイパスコンデンサを取り外したら、次は新しいコンデンサ(今回はオレンジドロップ)の足にクロスワイヤーのスリーブを被せる。※口径が小さい絶縁チューブでもOK。
コンデンサの足と同じ長さでクロスワイヤーをカットして…
あとは、芯線を抜き出して、布製のスリーブをコンデンサに被せるだけ。めっちゃ簡単ですね。スリーブから抜いた”より線”のワイヤーは細かい配線の時に超絶役に立つので、捨てずに残しておくのがおすすめ。
クロスワイヤー(布製の配線材)は、ギターの配線でとにかく役に立つアイテム。指で剥いて芯線を出せるし、焦げこそすれど、はんだごてを当てても溶けないので、見た目もGoodです。
Step3:ハイパスコンデンサを取り付ける
コンデンサの足にクロスワイヤーのスリーブを被せて保護したら、次はハイパスコンデンサの取り付け。
取り付けるのは上画像赤丸の場所で、ボリュームポットに3つある端子の”真ん中”と”手前側”に取り付けます。あらかじめ”はんだ吸い取り線”ではんだを取り除いておくと作業が楽ちん。
コンデンサの足をポットの端子にある穴に通して、ついでにBlackcandyの足にもクロスワイヤーのスリーブを被せたので、一緒に仮組みしました。
最後に、ハイパスコンデンサをはんだ付けすれば交換は完了。はんだごてを長い時間当てすぎないことと、配線さえ間違えなければ、失敗することなく簡単に交換できるかなと。
※コンデンサの足は案外脆くて、ポキッと折れやすいので、あまりグイグイ動かさないようにするといいかも。
僕のFender Japan TLG80-60の配線の全体像はこんな感じ。
スイッチポットを採用していて、トーンノブを引っ張ればシリーズ接続(直列)してハムバッカー的な音を出せるようになっているので、配線が多めでごちゃごちゃしていますが…テレキャスターの通常の配線であれば、シンプルで分かりやすい。
ハイパスにオレンジドロップを付けた時の音質の変化について
さてさて、テレキャスのハイパスコンデンサに「Montorux Sprague OrangeDrop 0.001㎌」を取り付けた時の音質の変化についてですが…これが結構違いがあって。
セラミックコンデンサの時は「ザ・テレキャス」なジャキッとしたアタック感と高音が良く出ていたのですが、オレンジドロップは倍音が増し、中音域が少し厚くなった感じかなと。(あくまでも僕の印象。悪く言えば少しこもったようにも聴こえるかも)
コンデンサが音質に与える影響はそんなに大きくないと言われていますが、セラミック → オレンジドロップの変化は間違いなく”分かる”レベルの変化で、明らかに音の傾向が変わる印象です。
セラミックはトーンをフル10でも、少し絞った時もアタック感が強く、ジャキッとしたサウンドで、オレンジドロップはトーンを絞っていくにつれて徐々に変化が明確になっていく感じですが、音の厚みは増すので、がっつり好みが分かれそうな変化かもしれません。
TLG80-60のスペック(所有ギター)
メーカー | Fender Japan |
型番 | TLG80-60 Eシリアル |
製造 | フジゲン |
年代 | 1984年 |
カラー | オールブラック マッチングヘッド |
ボディ | 木材:バスウッド |
ネック | 木材:メイプル 指版:ローズウッド 指版R:9.5インチ |
ネックプレート | Freedom Custom Guiter Research SP-JP-03 Tone Shift Plate 3mm |
フレット | 22 |
ペグ | Gotoh SD91-05M/L6 Nickel |
ストリングガイド | Gotoh RG15&RG30 Nickel |
ブリッジ | Gotoh GTC201 Cosmo Black |
コントロールプレート | Gotoh CP-10 Cosmo Black |
ピックアップ | ネック:Gotoh TL-Classic α ブリッジ:Saymour Duncan APTL-1 AlnicoⅡ Pro Tele |
ナット | GraphTech BLACK TUSQ XL |
エレクトロニクス | DEL RITMO Black candy 0.047㎌ Montorux Sprague Orange Drop 0.001㎌ Volume:CTS-B250MM Tone:SCUD PUSH-250A 3wayスイッチ:DM-30 ジャック:SwitchCraft 配線:Montreux USA ClothWire |
弦 | ERNIE BALL REGULAR SLINKY(10-46) |
僕の所有ギター「Fender Japan TLG80-60」のスペックはこんな感じ。ネックとボディ以外はフルカスタムで、純正品の名残は金色のフェンダーロゴくらい。ほとんどのパーツはサウンドハウスで購入してます。
もしかしたら、今回交換したフィルムコンデンサ「Montorex Sprague OrangeDrop 0.001㎌」は元のセラミックコンデンサに戻すかもですが、結構いい感じの音で気に入っているのでしばらくはこのままの予定。
結論:テレキャスのハイパスはセラミックが合うかも
音質に与える影響は大きくないとはいえ、結構重要なギターのコンデンサ。
今回は突然の思い付きで記事を書くことにしたので、細かい検証まではしていないですが、セラミック → オレンジドロップは音質…というよりも音の傾向が変わるため、もう少しテレキャスの音を追求したいってブラザーは試してみるといいかもですね。
もちろん、ギターはピックアップやその他の部品、ギターアンプ、ネックプレートなんかでも音質は大きく変わるので、そのギター次第なところもあるものの、コンデンサは比較的安く購入できるパーツでもあるので、カジュアルな気持ちで試してみるのもありかなと。(気に入らない音なら元に戻せばいいだけってのも嬉しい)
僕はオレンジドロップの音が結構好きだったので、しばらくはこのまま使っていこうかと思っていますが、テレキャスらしい音質が好きな人はセラミックコンデンサのほうがいいかもです。