GaN(窒化ガリウム)のメリットが効いてる。
デルタ電子から”Innergie(イナジー)”の急速充電器「One For Allシリーズ」をご提供いただき、C3 Duo、C6 Duoと続けてレビューをお届けしてきましたが、今回は超コンパクトなボディでGaN採用、最大出力60Wの急速充電器「Innergie C6(Fold)」のレビューをお届けです。
Innergie C6(Fold)はほかのOne For Allシリーズが対応する”PPS”には非対応ですがPD3.0にはしっかり対応。最も大きなトピックはGaNを採用しているというところかなぁと。
折り畳み式プラグで小さいので持ち運びにも最適です。(この充電器はほんと外出用におすすめ)
Innergie C6(Fold)の価格は4,990円。使用感や充電速度をチェックしつつ、ダダっとレビューいきましょう。
最大60WのコンパクトなGaN急速充電器「Innergie C6(Fold)」をレビュー
付属品は電源アダプタと説明書のみ。
それじゃ、まずは「Innergie C6(Fold)」のデザインや使用感をチェックしつつレビューをお届けです。
Innergie C6(Fold)はデルタ電子ブランド”Innergie(イナジー)”のOne For All 急速充電器シリーズにラインナップされるGaN採用で軽量&小型な急速充電器。
前回レビューをお届けしたInnergie C6 Duoは2ポートのUSB-Cを搭載していましたが、こちらは単ポートのUSB-Cを搭載し最大出力60W。2ポート同時充電とPPSを失った変わりに小型&軽量ボディかつハイパワーを手に入れました。
#Tips |
本社を台湾に置く”デルタ電子”は、設立50年以上の歴史を持つ世界No.1電源メーカー。電源や電子部品など様々な分野で数多くの実績を積み上げ、世界で圧倒的なシェア率を誇ります。Appleにテスラ、Dellや任天堂、HPなどの主要メーカーで数多く採用されてるため、みんな一度は使ったことあるはず。 |
デルタ電子は世界でも高いシェア率を誇る電源メーカーなのですが、分かりやすいところで言うとNintendo Switchの充電器もデルタ電子製ですね。
デルタブランドの1つというだけあり、Innergie(イナジー)の急速充電器”One For Allシリーズ” は品質の高さも折り紙付きです。
次はInnergie C6(Fold)の真っ白でシンプルなボディを眺めていきましょう。
デザインを眺める
「Innergie C6(Fold)」のデザインはこんな感じ。
ほかのOne For All急速充電器シリーズと共通の”シンプルで真っ白なデザイン”が特徴で、サイズは60.0×30.4×30.4mm、重さは85g。
充電ケーブルは付属しないため、必要な人はInnergieの耐久性に優れるUSB C to Lihtningケーブル or USB C to Cケーブルも併せて購入しておきましょう。
搭載するUSB-Cポートは1つですが、60Wの最大出力を備えつつ非常にコンパクトなので、持ち運びに最適なサイズ感です。
60W急速充電器の中でもトップクラスに小さくて軽い。
詳細は後述しますが、Innergie C6(Fold)は電力効率に無駄があるシリコンではなく、電力効率に優れ、発熱も少ない”GaN(ガリウム窒素)“を採用しているというのも大きなトピックです。
PSE認証もばっちり取得。
Innergie C6 Foldのコンセントは”折りたたみ式プラグ”が採用されており、周囲はへこんでいるので取り出し&収納もしやすくていい感じです。
GaN(窒化ガリウム)の恩恵にあやかれる
小さいので他の充電器と場所の取り合いもなし。
Innergie C6(Fold)は半導体に”GaN(窒化ガリウム)”を採用しており、電力効率に優れ、発熱が少ないというのも大きなメリット。
コンパクトで高性能な立体基盤設計により、充電時に発生する熱を効率的に発散してくれるのですが、フルパワーで充電していてもアチアチになることはありません。
デルタ電子によれば、従来機と比べて充電効率は3倍、60W充電時の動作温度は約5°C低下しているとのこと。
#Tips |
「GaN」とは、窒化ガリウムとして知られるガリウムと窒素の化合物のこと。Ge(ゲルマニウム) → Si(シリコン)と進化してきた半導体ですが、GaNは半導体に使われる次世代の素材です。色々なメリットがあるのですが、1行でまとめると「シリコンより低コストで、電力効率が良くて、発熱が少なくて、コンパクト」。 |
GaNの恩恵にがっつりあやかれるというのもInnergie C6(Fold)を購入する理由になりますね。
シリコンを半導体に採用する充電器は100V(日本の場合)の電力をスマホやPCに適した電圧に下げる……というのが主な役割になりますが、実は、この時に20%くらいの電力は”熱”となって本体の発熱に繋がってしまいます。
それに比べ、GaNは同じことを1,000倍以上の効率で出来ちゃうっていう。
僕が今まで使ってきた急速充電器の中でも「Innergie C6(Fold)」は圧倒的にコンパクトでパワフルです。
「Innergie C6」は、電気回路を最適化し、電力効率を高めるために、従来のSi-MOSFETコンポーネントの代わりにGaN(窒化ガリウム)を採用。
充電効率を最大約91.5%以上に包括的に向上させるとともに、従来モデル(Innergie 60C Pro)と比較して、60W全負荷充電時での動作温度を約5°C下げることが可能となりました。
また、「Innergie C6」は、さまざまなPD(パワーデリバリー)対応デバイスの出力電圧を自動的に検出し、高効率な急速充電を提供します。
デルタ電子
C6(Fold)とC6 Duoのサイズを比較
左からC6 Duo、C3 Duo、C6(Fold)
せっかくなので、Innergie One For Allシリーズの急速充電器「Innergie C6(Fold)」と「Innergie C6 Duo」のサイズ感やスペックもダダっと比較しておきましょう。
そもそも、他社製充電器と比べても小さめなボディが特徴的な”Innergie One For Allシリーズ”ですが、ほかのモデルと比べてもC6(Fold)はかなり小型で、C6 Duoと並べて比較してみると、そのコンパクトさが際立ちますね。
ポケットにも余裕で入るサイズ感。Innergie C6(Fold)は最大出力60-65Wを備える充電器の中でもトップクラスにコンパクトです。…強い。
C6(Fold)とC6 Duoのスペック比較
C6(Fold) | C6 Duo | |
サイズ | 60.0×30.4×30.4mm | 30.4×47×56mm |
重さ | 85g | 140g |
最大出力 | 60W | 60W |
同時充電 | – | 45W+18W 30W+30W |
ポート | USB-C×1 | USB-C×2 |
価格 | 4,990円 | 5,990円 |
Innergie C6(Fold)とInnergie C6 Duoのスペックを比較してみるとこんな感じ。
2つのデバイスを高出力で同時充電したい場合はC6 Duoを。単ポートで問題ないのであれば、C6(Fold)を選ぶのがおすすめです。C6(Fold)のほうが安くて軽くてコンパクト。
スペックと仕様
名称 | One For Allシリーズ Innergie C6(Fold) |
サイズ | 60.0×30.4×30.4mm 85g |
AC入力 | 100-240V AC 1.6A 50-60 Hz |
USB-C出力 | 5V DC/3A 9V DC/3A 12V DC/3A 15V DC/3A 20V DC/3A |
最大出力 | 最大60W |
端子 | USB Type-C ×1 |
その他 | DeltaGaN™ フラットパネルトランスデザイン PD3.0対応 折り畳み式プラグ 過電流/過電蓄保護 過熱保護/過載保護/短絡保護 2年製品保証 |
価格 | 4,999円 |
Innergie C6(Fold)の充電速度をテスト
公称値では、Macbook Air 13″が1.8時間で0-100%、iPhone 13 Proが50分で0-70%まで充電できるみたいですが、定格出力を計測しつつ、Innergie C6(Fold)はデバイスをどれくらいの速度で充電できるのか?も見ていきましょう。
いくつかのデバイスでの計測結果をダダっとご紹介していきますね。
充電速度の簡易テスト
時間の都合上、計測時間はバラバラであくまでも簡易的なテストですが……Innergie C6(Fold)の充電時間の目安としてどうぞ。
充電時間 | バッテリー | 定格平均 | |
iPhone 13 mini | 19:40 ↓ 20:10 ↓ 20:20 ↓ 20:30 ↓ 20:40 | 15% ↓ 69% ↓ 80% ↓ 85% ↓ 92% | 9.17V 1.64A 15.28W |
Pixel 7 | 12:37 ↓ 12:47 ↓ 12:57 ↓ 13:07 ↓ 13:17 | 42% ↓ 57% ↓ 68% ↓ 79% ↓ 87% | 8.97V 2.12A 19.21W |
AirPosds Pro | 21:45 ↓ 22:15 ↓ 22:46 | 16% ↓ 43% ↓ 75% | 5.12V 0.32A 1.63W |
iPad mini6 | 13:18 ↓ 13:28 ↓ 13:38 ↓ 13:48 ↓ 13:58 | 39% ↓ 49% ↓ 59% ↓ 69% ↓ 76% | 15.0V 1.25A 18.12W |
Macbook Pro (M1 Pro) | 0:03 ↓ 0:13 ↓ 0:23 ↓ 0:33 ↓ 0:43 | 38% ↓ 50% ↓ 62% ↓ 74% ↓ 83% | 19.5V 2.99A 58.39W |
iPhone 13 miniはざっくり30分で約30%、Pixel 7も30分で約30%、iPad mini6も30分間の充電で約30%充電できたので、充電速度は十分。
PPSには対応しないですが、Pixel 7も十分すぎるくらい速く充電することができたほか、定格出力の平均値はほぼデバイスの対応する上限近くまで出ていたため、Innergie C6(Fold)の充電性能はばっちりです。
Macbook Pro M1 Pro(10コア)の最大出力96Wには少々届かないですが……それでも十分な充電速度で充電できます。
レビューまとめ!1つしか選べないなら迷わずInnergie C6(Fold) を選ぶくらいお気に入り
コンパクト&軽量でGaN採用の60W急速充電器「Innergie C6(Fold)」のレビューをダダダッとお届けしてきましたが、最後に僕の評価とレビューをまとめておきますね。
Innergie C6(Fold)は高品質で作りも良いし、発熱も少なくてハイパワー。コンパクトボディなので常に持ち歩きたくなる充電器です。
iPhoneも、iPadも、Nintendo Switchも余裕で急速充電できますし、Macbook Air(M1)や13インチMacbook Pro(M1)もこれ1つでOK。まじで素敵すぎる。
Good!
- 60Wのハイパワー
- 軽くて小さいので持ち運び用に最適
- シンプルなデザインと高品質な作り
- GaN採用で余計な熱を持ちにくい
- PD対応デバイスの電圧を自動で検出し、高効率で急速充電できる
- 4,999円という買いやすい価格(セール時は4,000円を切ることも…!)
Bad
- 忖度無しに悪いところなし
- 強いてあげるとすれば…ほかのOne For Allシリーズは”PPS”に対応しているのに、C6(Fold)は対応していないところ
Innergie C6(Fold)のレビュー&評価まとめ
デザイン | ★★★★★ |
サイズと重さ | ★★★★★+ |
充電性能 | ★★★★★+ |
対応デバイス | ★★★★☆ |
価格(コスパ) | ★★★★★ |
総合評価 | 10/10 |
PPSに対応しないため、GalaxyやXperiaといった一部のPPS対応デバイスが持つポテンシャルをフルに引き出せないのが惜しいところではありますが、最大60Wという出力を維持しつつ、このサイズ感はシンプルに素敵。
PPSに対応しないという点で対応デバイスの項目を-★1していますが、そこを差し引いても、総合評価は文句なしの満点です。
GaN採用で発熱が少なくて、小さくて軽いのに最大出力60W。1つしか充電器を選べないなら迷わずInnergie C6(Fold) を選ぶくらい気に入ったので、どこか出かける時はこいつを持ち歩きます。
色々な充電器を試してきましたが……Innergie C6 Duoはほんとおすすめの急速充電器。気になるブラザーは迷わずポチっとどうぞ。