The Moneytizer(マネタイザー)のメリットは収益性。デメリットは広告の制御ができないこと
広告の制御が出来ないのが一番のデメリット。
非常に収益性が高い「The Moneytizer(マネタイザー)」ですが、広告の運用やユーザビリティについては思うところもあるので、今回はマネタイザーのメリットやデメリットについて簡単におさらい。ユーザビリティの悪い広告や確定申告の注意点も含め、ダダっと見ていこうかと思うので、マネタイザーの利用を検討しているブロガー/サイト運営者は参考にどうぞ。
マネタイザーとアドセンスの併用や登録方法、おすすめ広告については以下の記事もぜひ参考に。
#The Moneytizer(マネタイザー)の登録方法やおすすめの広告をおさらい。アドセンスと併用で収益を最大化
The Moneytizer(マネタイザー)のメリットは収益性。デメリットは広告の制御ができないこと
The Moneytizerはフランスで2014年に設立されたアドネットワーク。日本では2022年1月からサービスを開始しており、CPM型(インプレッション型)で広告が表示されるだけで収益が発生するというのが大きな特徴です。
2024年現在はAdsenseもインプレッション型に移行しましたが、依然としてマネタイザーは競合他社に比べてPVあたりの収益性が高く、他社(アドセンスやMicroAdなど)のプライバシーポリシーを遵守する必要はありますが、他の広告と併用可能…というのもThe Moneytizerのメリットかなと。
マネタイザーはアドセンスと併用することで収益を簡単に最大化できる点が魅力ですが、長く付き合っていくことを考えると気になるデメリットもちょこちょこあるので、僕が感じるメリット・デメリットについて見ていきましょう。
メリットは高い収益性
The Moneytizer(マネタイザー)の最大のメリットはインプレッション型で広告が表示されるだけで収益が発生すること。
特に、マネタイザーの広告の中で最も収益性が高い「FOOTER or SLIDE-IN」は常時表示でスマートリフレッシュ機能の恩恵を受けやすいため、2024年からインプレッション型に移行したアドセンスと比べても高い収益性を誇ります。ユーザビリティさえ問題が無ければ安定した収入源となってくれるポテンシャルを秘めているかなと。
※2024年現在はアドセンスもインプレッション型に移行しましたが、アンカー広告(マネタイザーは"FOOTER or SLIDE-IN")の収益性に関してはマネタイザーのほうが優れる印象です。ディスプレイ広告の収益性は圧倒的にアドセンスのほうが高い。
Googleアドセンスとの併用が可能なので、アクティブビュー視認率やクリック率の低い広告を入れ替えるなど、マネタイザーとアドセンスを併用することで収益の最大化が図れるのも大きなメリット。
#Tips |
The Moneytizerは短期間で広告を再表示するスマートリフレッシュ機能がありますが、広告が更新されるたびに位置や広告の大きさが変わるのは難点。FOOTER or SLIDE-INのように常時表示広告では何度も広告が表示され、収益は増えるものの…ユーザビリティを損なう可能性があります。 |
デメリットは微妙なユーザビリティと制御できない広告
次に、The Moneytizerのデメリットについてですが、僕が気になるのは決して優れているとは言えないユーザビリティと広告を制御できないこと。
リアルタイムでトラッキング出来ないのもかゆいところに手が届かない…って感じで、収益がダッシュボードに反映されるまで2日かかるので、Googleアドセンスのように"ほぼ"リアルタイムで収益を確認できないのも惜しいかなと。
広告を表示するために読み込むJavascript(prebid.js)もまぁまぁ重いので、ワードプレスであればFlying Scriptsで遅延させるなりしないとPageSpeed Insightsのパフォーマンスが落ちます。
#Tips |
The Moneytizerのスクリプトに組み込まれている技術は"非同期"でサイトのコンテンツを最初に読み込んだ後に広告が読み込まれます。広告は"Prebid.js"経由で表示されますが、Prebid.jsの仕様で事業者の数だけリクエストが発生するため、配置する広告は2-3個くらいがおすすめ。多すぎると広告の表示速度が遅くなります。 |
マネタイザーのメリットは「高い収益性」で間違いないとして、デメリットについてはもう少し思うところがあるので、ここからはもう少しデメリットを深堀りしていきます。
広告の制御が出来ない&動作が不安定
マネタイザーのデメリット1つめ。それは「広告の制御が出来ない&動作が不安定」なこと。
FOOTER or SLIDE-INやBOTTOM MEDIUM RECTANGLEなど、いくつか用意されたバナー(広告)から選択して、ブログやホームページに広告を表示することはできるものの…広告のブロックや位置の調整など、広告に関する調整は一切できません。
僕は「Google Adsense」「MicroAd」、「The Moneytizer」の広告を併用しているため、担当の方に相談して広告の表示を調整したり、なるべく邪魔にならないような配置を目標にしているのですが、The Moneytizerは広告の調整が出来ないため、他の広告で調整する必要があります。
The Moneytizerの広告の中で最も収益性の高い「FOOTER or SLIDE-IN」は、画面下部に表示されるだけでなく、小さいポップアップで表示されたり、右下に大きく表示されることもあるため、他の広告(特にワイプ型広告)と併用している場合はユーザービリティに影響を与えちゃうんですよね。
マネタイザーの担当の方に「画面下部だけに広告を固定したい」と相談したところ、出来ないとのことだったので…他社と併用して使っていたり、自分で広告の表示を最適化したい人には向かないかも。
#Tips |
収益性の高い「FOOTER or SLIDE-IN」ですが、個人的に"ガチで"嫌なのは、何の調整もできないのに画面右下に大きな広告が表示されること。これは僕たちではどうしようもありません。表示する広告タイプを選択可能にしたり、広告ユニットを分けるなりしてほしい。ほんとに。 |
広告をブロック出来ない
マネタイザーの広告の中には、稀に質の低い広告もあります。最近はいくらか改善されているとはいえ、アドセンスと比べるとユーザビリティの悪いものや低品質な広告が含まれるのは事実かなと。
アドセンスであれば、ユーザビリティに悪影響を与えたり、明らかに自分のブログやHP、ブランドにそぐわないような低品質の広告はブロックして管理することができますが、マネタイザーは何も出来ないため、表示したくない広告があっても諦めるしかない…というのは大きなデメリットです。
#Tips |
The Moneytizerにはいくつかの広告ユニットがありますが、「IN-IMAGE」「POP」「RECOMMENDED CONTENT」は使わないほうがいいかも。導入初期に試したところ、怪しいページに移動することを確認して速攻やめました。ガチで非推奨。 |
為替差益/為替差損で確定申告が複雑になる
The Moneytizerは海外からの取引なので、為替レートで変動した収益を「為替差益」「為替差損」で計上する必要があり、確定申告が複雑になる…というのも"ある意味"デメリット。
デメリットというよりは注意点ですね。
会計処理に慣れていればそんなに難しいことでは無いと思いますが、もし、初めて自分で確定申告するぜ!って人は特に注意が必要です。
The Moneytizer 3月 入金 | The Moneytizer | |||
普通預金 | **銀行 | 30000 | 売掛金 | 29900 |
為替差益 | 100 |
僕も会計処理についてそんなに詳しいわけじゃないので、ざっくり説明すると…例えば、マネタイザーの3月分の売り上げを29,900円で計上した場合は、3月分の入金金額と一致させる必要がありますよね。
国内取引であれば、特に気にせずとも一致しないことは稀かと思いますが、海外取引の場合、売り上げを計上した時と入金された時では為替レートが異なるため、入金された金額を計上する時に為替差益/為替差損を用いて売り上げ金額と一致させる必要があります。
※売上と入金はその時の実際の為替レートで為替差益/為替差損を算出する必要があるのも要注意ポイント。
The Moneytizerをこれから利用しようと考えている人は、確定申告の時にどうするか?も考えておくといいかも。
#Tips |
海外取引が絡むと確定申告は複雑になるため、可能であれば税理士に相談するのがベター。それでも自分でやるぜ!って人は…少なくとも会計処理の本を2冊ほど読む勢いで勉強しましょう。税金に関することはきっちりやっといたほうがいい。ガチで。税理士さんにお願いするのが手っ取り早くておすすめですが…お金がかかるのが悩みどころ。 |
PayPalが利用できなくなった ※2024年現在は利用可能
これは前回の記事でもお話していたのですが、The Moneytizerでは、2023年10月以降の支払いでPayPalが利用できなくなりました。
PayPalのポリシー変更に伴い、大半のパブリッシャーに対して、PayPalを通じて支払いを行うことが難しくなったとのことで、もし、銀行を登録していない場合には支払いを受け取れない可能性があります。
#Tips |
2023年11月18日に改めてPayPalの支払いが可能になりました。海外口座の作成がハードルに感じていた人もひとまず収益はPayPalで受け取れるので安心です。2024年現在もマネタイザーの収益はPayPalで受け取ることができます。 |
為替レートに手数料(隠れコスト)が乗って少々割高になるとはいえ、The Moneytizerの収益はPayPalで受け取るのが手っ取り早くて簡単だったので、海外口座の作成にハードルを感じる人も少なからず出てくるんじゃないかなぁと。
Wiseで海外口座を作成してThe Moneytizerの収益を受け取る方法について気になるブラザーは以下の記事も参考にどうぞ。
#Wiseで海外口座を作成してThe Moneytizerの収益を受け取る方法。PayPalの代替におすすめ
収益性は高いので、せめて広告の制御ができれば言うことなし
さてさて、僕がThe Moneytizerに感じているメリットやデメリットはこんなところ。
僕の場合、確定申告が少し複雑になったり、海外口座が必須になったことは全然気にしていなくて、やっぱり、ユーザビリティの微妙さや広告のブロック、管理が出来ないことは大きなデメリットかなと。
確定申告や海外口座については自分でどうとでも対処できますが、広告の表示やブロック、調整、管理についてはどうしようも無いので、せめてもう少し広告の制御ができればな…というのが本音です。
これ、思ってるの絶対僕だけじゃないと思うんですけど、「FOOTER or SLIDE-IN」と「TOP MEDIUM RECTANGLE」「BOTTOM MEDIUM RECTANGLE」に関しては自動で配置場所を変えるんじゃなくて、位置を固定するとか、位置に合わせて広告ユニットを分けるとか、ほんと選ばせてほしい。
マネタイザーとアドセンスの併用や登録方法、おすすめ広告については以下の記事もぜひ参考に。収益性が高いのは間違いなしです。