SONY WH-1000XM5をレビュー。音質とノイズキャンセリング機能を試してみる

ケースのでかさは気になるけど、得られる体験と満足度は最高クラス。
2022年5月27日に発売されたSONYの新型ノイキャンヘッドフォン「WH-1000XM5」ですが、僕も発売日に購入。価格は49,500円と高いし、折りたためなくなったデザインも少し気になるし…悩んだ結果購入したのですが、もうめっちゃ良くて。音質とノイキャンは本当に素敵でした。
モダンでスタイリッシュなデザインは所有欲も満たしてくれますし、無段階調整になったヘッドバンドと快適になった装着感もGood。操作のレスポンスも良くなっていますが、一方で、やっぱり気になるのは"ケースのでかさ"かなぁと。
折りたためないデザインはなんだかんだ慣れるけど、でかいケースは邪魔に感じるシチュエーションがあるかもしれません。
とにもかくにも、SONYの新型ノイキャンヘッドフォン「WH-1000XM5」については語りたいことがありすぎるので、ダダっとレビューいきましょう。
※Update 2023/4/1, WH-1000XM5の発売から1年近く経過したので、改めて現在の評価を加筆&修正しました。WH-1000XM5は比較的フラットな周波数特性になっていて、音質もノイキャンもトップクラスの性能。ほんと良いヘッドフォンです。
SONY WH-1000XM5をレビュー。最高峰のノイキャンと音質を誇るヘッドフォンの実力は?

WH-1000XM5のパッケージ。でかい。
それでは、早速ソニーのフラグシップノイズキャンセリングヘッドフォン「SONY WH-1000XM5」のレビューの前に、まずはスペックや機能など、知っておきたいトピックをダダっとおさらいです。
WH-1000XM5について知っておきたいことは、
- カーボン複合材を使用した30mmドライバーユニット
- ソニー独自の高音質ノイキャンプロセッサー"QN1″に統合プロセッサー"V1″が組み合わされたことで精度が向上したノイキャン。
- AIアルゴリズムで精度が向上した通話時のノイズリダクション(風ノイズもさらに低減)
- ボタンの名称がNC/AMBボタンに変更(操作方法に変わりなし)
- 最大2台までのマルチポイント接続対応
- ANCオフ時40時間、ANCオン時30時間の音楽再生時間、3分の充電で3時間使用できる急速充電(USB PD)
- Bluetooth 5.2
- コーデックはSBS/AAC/LDAC
- 360° Reality AudioやDSEE Extreme、Speek to Chatは引き続き対応
- NFCは非搭載
こんなところ。
特に大きなトピックは、カーボンファイバーコンポジット素材を採用した30mmドライバーユニットを搭載したこと、ソニー独自の高音質ノイキャンプロセッサー「QN1」に統合プロセッサー「V1」が組み合わされたことでノイキャンの精度がさらに向上したってところですね。
具体的には、WH-1000XM5は中高音域の騒音に対してのキャンセル性能が向上しているとのこと。
ドライバーユニットはWH-1000XM4の40mmから30mmに小型化した一方で、WHシリーズらしい音質はそのままに、Speek to ChatやDSEE Extreme、クイックアテンションモード、最大2台までのマルチポイント接続などの機能は前モデルから踏襲していますよ。
SONY WH-1000XM5の詳細なスペックについては以下の記事も参考にどうぞ。
▶WH-1000XM5のデザインとスペックおさらいしとく?(発売日は5月27日、価格は49,500円)
WH-1000XM5のデザインを写真多めで眺めつつレビュー

まずはSONY WH-1000XM5のデザインから。
デザインは前モデルWH-1000XM4から大きく変化していて、WHシリーズらしいデザインは引き継ぎつつも、全体的にシュッとした感じですね。

ヘッドバンドも細くなっており、丸いステムで繋がったデザインに変更。

スライダーは無段階調整になったほか、ヘッドバンドとイヤーパッドにはソフトフィットレザーが採用されています。

少し見る角度を変えてみましょう。WH-1000XM5は折りたためなくなり、装着時は自分側にハウジングが来るスタイルになりました。

WH-1000XM4と比べ、ソフトフィットレザーはボディーに馴染むマットな色合いに。

ヘッドバンドにはWHシリーズお馴染みのR/Lの印字。無段階調整スライダーの丸いステムにはブラッシュ加工が施されています。細かいところも手が込んでて素敵。

ヘッドバンドの丸いステムはググっと伸びる。

SONY WH-1000XM5はこの無段階スライダーがめっちゃ良い感じで。ものすごくスムーズに動作してくれますよ。

ソニーさんによれば、SONY WH-1000XM5は「デバイスを極限まで凝縮し無駄をそぎ落してできたジオメトリックなハウジングデザインになっている」とのことで、ハウジングのフィッティング(装着)調整機構は内臓化。

タッチセンサーコントロールパネルを搭載する右側ハウジング。WH-1000XM5から"NFC"は非搭載になりました。僕はWH-1000XM4でNFC使うことなかったですし…ナーフされたのも納得。

左側ハウジングには3.5mmオーディオジャック、電源ボタン、NC/AMBボタンが搭載。

右側ハウジングにはUSB-C端子のみ。

WH-1000XM5には左右に4つずつマイクが搭載されているというのも大きなトピックの1つです。これらのマイクのおかげでWH-1000XM5は収音精度が飛躍的に向上しており、ノイキャン性能の向上にも貢献しています。

それともうひとつ。WH-1000XM5はヘッドバンドが細くなりましたがとても柔軟でめっちゃ柔らかくて。グイングインしても全く問題ありませんでした。
開封してすぐの初見は「ステム細いなぁ、大丈夫?」と思ったけど、耐久性も剛性も問題なさそうです。
WH-1000XM5の操作方法は?

SONY WH-1000XM5の右側ハウジングにはタッチセンサーコントロールパネルが搭載されていて、タップで再生/停止、スワイプ操作で曲送りや音量調整ができます。
Spotifyを一発起動できる「QuickAccess」が追加されたくらいで、基本操作はWH-1000XM4と全く同じ。操作方法については以下の通りなので参考にどうぞ。
再生/停止/応答 | 2回タップ |
次の曲へ | 前にスワイプ |
スワイプ前の曲へ | 後ろにスワイプ |
ボリュームアップ | 上にスワイプ |
ボリュームダウン | 下にスワイプ |
ノイキャン/外音取り込み切り替え | NC/AMBボタン |
ペアリング | 電源ボタン長押し |
音声アシスタント起動/着信拒否 | 長押し |
Quick Access(Spotify起動) | NC/AMBボタン2回押しまたは3回押し ※アプリで設定可能 |
WH-1000XM4と比べ、WH-1000XM5はレスポンスが良くなっている印象で、特に、ノイキャンと外音取り込みの切り替えは早くなっているかなぁと。
もしかしたら、新機能の「Quick Access」は対応するサービスがほかにも追加されるかもですね。(今はSpotifyだけですが…)
自分の声に反応して音楽を停止し、周囲の音を聴きとりやすくする「Speek to Chat」や、右ハウジングを手で覆うことで周囲の音を聴きとりやすくする「クイックアテンションモード」にも対応しているので、とっさに会話したい時などはとても便利。
高級感のあるケースはモダンでクール。ただ、かさばるし使いにくいかも

僕がWH-1000XM5で唯一気になったのがこれ。
WH-1000XM5は折りたためないデザインに変更されましたが、それはまぁ慣れでどうにかなるとして……ケースが思ったいたよりもデカい。
…めっちゃデカい。


ケース自体はとてもよくできていて、質感も良好。WH-1000XM5をしっかり保護してくれますし、内部も丁寧に作りこまれているのですが、いかんせん取り回しにくいのです。

パッと収納しようとするとヘッドフォンを保護するためのヒダ?的な部分がひっかかるし……。(丁寧に入れれば問題ないですが)

WH-1000XM5のケースがどれくらい大きいのかというと、でかくてかさばるヘッドフォンの筆頭「AirPods Max」を軽く超えちゃうレベル。

僕のお気に入りのカメラバッグにも全然収まらないのです。詳細は後述しますが、WH-1000XM4と比べても大幅サイズアップでこれはちょっと惜しいかなぁと。
元々収納スペースの少ないバックパックとはいえ、シンプルに悲しい。


それと、WH-1000XM5のケースは「本体が収納されていない時は畳んで小さくできる」って言われていたので期待してましたが、ちょこっと薄くなるくらい。
劇的にコンパクトになるわけではありません。

僕はしばらく気づかなかった(有線ケーブルが付属しないと勘違いしてたくらい)のですが、WH-1000XM5はケースの中心部が収納スペースになっており、USB-Cケーブルと3.5mmオーディオケーブルはここに収納されています。

ちなみに、WH-1000XM5のパッケージには、WF-1000XM4から採用された、竹、さとうきび、市場で回収したリサイクル紙を由来とするソニー独自開発のオリジナルブレンドマテリアルが採用されています。
(WF-1000XM4のものよりは開封後に元通りに戻しやすい)
3分で3時間音楽再生できる急速充電
前モデルのWH-1000XM4にはなくて、WH-1000XM5が対応した素敵な機能がUSB PDによる3分で3時間再生できる急速充電。
3分の充電で3時間も使用できるようになったのは言うまでもなく便利ですよね。朝の忙しい時間に充電ない!って時も大丈夫です。
ANC:オン | 30時間 |
ANC:オフ | 40時間 |
急速充電 | 10分で5時間 3分で3時間(USB PD) |
WH-1000XM5のバッテリーライフについては上記の通りでANC:ON時の再生時間はWH-1000XM4から変化無しですが、ANC:OFF時の再生時間は2時間伸びました。
WH-1000XM5の音質と装着感

お待たせしました。ここからはWH-1000XM5の音質と装着感についてのレビューをお届けです。(書きたいことありすぎて長くなってしまいました。申し訳ない)
初めに、WH-1000XM5の音質について僕が感じたことをダダっとまとめてみると……
- ノイキャン性能はWH-100XM4より格段に向上したため、音楽への没入感が高くなった。
- ボーカルが明瞭になり、空間的な広がりもより感じられるようになった。(ボーカルのブレスの音までめっちゃリアル)
- 比較的フラットな傾向の音質で、高音域の音がよりすっきりした印象。ギターの音やピアノの音、ボーカルの声もクリア。低音域の音は深く、豊かに響く。
- 対応コーデックはSBC/AAC/LDAC。
こんな感じ。WH-1000XM4から全体的に"明瞭で豊かな音"になっていますが、ドライバーユニットが40mm → 30mmと小型化したため、やはり迫力というか、ダイナミックさは若干、ほんの少ーし控えめになっている印象です。
視聴するのはいつものレビュープレイリスト。SONY WH-1000XM5の音質を試していきます。※デバイスはGalaxy Z Fold3 5Gでコーデックは"LDAC"。DSEE Extreme:ONです。
- 乃木坂46 – 猫舌カモミールティー
- Janne Da Arc – シルビア
- Maroon5 – Payphone feet.ウィズカリファ
- ビリーアイリッシュ – bad guy
- 宇多田ヒカル – traveling
- スパークス – This Town Ain’t Big Enough for Both of Us
- ダディー・ヤンキー – Limbo
- Hurts – Better Than Love
- Reol – 第六感 feet.東京ゲゲゲイ
- ルイ・プリマ – Just a Gigoro/I Ain’t Got Nobody
- スティーヴ・アオキ – Kult feet.Jasiah
- 布袋寅泰 – バンビーナ
- Yolanda Be Cool & Dcup – We No Speek Americano
ヘッドフォンやイヤフォンをレビューするときに絶対に聞く宇多田ヒカル – travelingとビリーアイリッシュ – bad guyですが、travelingはギターのカッティングや後ろで流れるシンセ、コーラスが明確に分離してリアルに感じられますし、bad guyは唸るようなベースの音がくっきりはっきり。それでいてひとつひとつの音をしっかり感じ取ることもできます。
スパークス – This Town Ain’t Big Enough for Both of Usでは、ヘビーなディストーションが効いたギターの音がつぶれることなく再現されているほか、迫力のあるベースラインも豊かで明瞭。
WH-1000XM4と比べて迫力が控えめになったと先ほど言いましたが、それはあくまでもWH-1000XM4と比べてというだけ。ダディーヤンキー – Limboのようなラテン・アーバンミュージックも低音をズンズン頭の中で響かせてくれるので、気持ちよく聴くことができますよ。
どの楽曲でも共通しているのは、しっかりボーカルが前に出ていてひとつひとつの音がお互いを邪魔せず分離しているということ。
WH-1000XM5は音の解像感も高いですし、Yolanda Be Cool & Dcup – We No Speek Americanoのようなエレクトロスウィングもめっちゃ良い感じで楽しめます。
WH-1000XM5の周波数特性を計測してみる
ソニーのフラグシップノイキャンヘッドフォン「SONY WH-1000XM5」の音質を客観的に知るために、周波数特性も計測しておきましょう。
「どんな傾向の音質なのか?」を"見る"ためにダダっと計測しただけですし、周波数特性の測定は環境や機器にも左右されるため、あくまでも客観的なデータの指標としてどうぞ。※周波数測定の計測環境についてはこちら。
オーディオサンプルは60秒のスイープ波(96000Hz/24bit)。スイープする周波数は20Hz~40000Hzにしています。

SONY WH-1000XM5の周波数特性
SONY WH-1000XM5の周波数特性はこんな感じ。若干中高音域で落ち込みがありますが、比較的フラット。低音から高音域に向かって全体的に明瞭な音質です。
聴き疲れのしない、誰でも心地よく聴ける音。
#Tips |
周波数特性グラフの見方としては、ざっくり200Hz以下が低音域、200Hz~700Hzが中低音域、700Hz~3KHzが中高音域、3KHz~7KHzが高音域、7KHz以上が超高音域です。200Hz以下が強すぎるとほかの音を邪魔してしまうし、弱すぎるとベースやドラムの音が軽く感じてしまいます。700Hz~3KHzの帯域が適度に目立っていると多くの人が心地よく感じられるかも。 |

Apple AirPods Maxの周波数特性
参考までに、AirPods Maxの周波数特性はこんな感じ。
SONY WH-1000XM5と比較した場合、低/中/高音域が強調されていて、原音を忠実に再現してくれているのはWH-1000XM5かなぁと。音質のクリアさと分離感ではAirPods Maxが優れている印象です。
ノイキャン性能は至高。外音取り込みもめっちゃ進化した

WHシリーズのヘッドフォンといったら、外せないのが「アクティブノイズキャンセリング(ANC)」ですね。
これはもうね……すごい。圧倒的静寂。ひたすらにレベルアップしています。
ヘッドホンの外側と内側に配置した左右4つずつのセンサー(マイク)を使用することにより、収音精度が飛躍的に向上。また比較的高い周波数帯域の日常生活でのノイズキャンセル性能の向上に伴い、街中でより静寂を感じられるようになりました。
SONY公式HP
空調の音はもちろん、PCの動作音や水槽の流れる水の音なんかも全然聞こえないようになりました。
SONY WH-1000XM5のノイキャン性能を試すべく、踏切の近くで音楽を聴かずに立ってみましたが、30mも離れればめっちゃ遠くで鳴ってるなぁくらいまで雑音をシャットアウトしてくれます。すごい。

WH-1000XM5の美しいフォルム。
次に、WH-1000XM5の「外音取り込み(アンビエントサウンド)モード」についてですが、こちらもWH-1000XM4と比べると大幅に進化していまして。
例えるなら、WH-1000XM4の外音取り込みは数枚のフィルターを隔てているかのように曇って聞こえていましたが、WH-1000XM5はフィルターがものすごく薄くなったイメージ。
外音取り込みモードONで音楽を聴きながら歩いていても、車や人が来る気配がばっちり分かります。会話も自然。外音取り込みモードはWH-1000XM4 → WH-1000XM5でめっちゃ進化しています。
(AirPods Maxの外音取り込みも自然な聴こえ方で驚きましたが、WH-1000XM5もタメを張れるレベル)
SONY WH-1000XM5の装着感について

SONY WH-1000XM5の装着感についてですが、こちらも前モデルのWH-1000XM4から大幅にブラッシュアップされていまして。
新たに採用された"ソフトフィットレザー"がめっちゃ快適。

イヤーパッドはふわっふわで、高い遮音性があるのに装着感はびっくりするほど軽くなりました。合皮特有のモタっとへばりつく感じもかなり軽減されてます。

ヘッドバンドも同じソフトフィットレザーが採用されており、こちらはイヤーパッドよりも少しだけ固めで反発力あり。
WH-1000XM5の装着感はWH-1000XM4よりも確実に良きです。
ちなみに、僕はヘッドフォンを長時間装着していると頭頂部から痛みが来るタイプなのですが、いくらかマシになったとはいえ……WH-1000XM5でも長時間付けてると少し痛みが出てきます。AirPods Maxのほうが頭頂部の痛みは少ないかも。
スペックと仕様
重さ | 250g |
ドライバーユニット | 密閉,ダイナミック型 30mm カーボンファイバー素材 ネオジウムマグネット |
再生周波数帯域 | 4 Hz – 40,000 Hz(JEITA) |
インピーダンス(1kHz) | 48 Ω(有線接続時、POWER ON時) 16 Ω(有線接続時、POWER OFF時) |
連続音楽再生 | 最大30時間(ANC:ON) 最大40時間(ANC:OFF) |
充電時間 | フル充電まで3.5時間 3分の充電で3時間再生できる急速充電対応(USB PD) |
通信 | Bluetooth 5.2 最大通信距離:10m 2.4GHz帯 |
対応Bluetoothプロファイル | A2DP, AVRCP, HFP, HSP |
対応コーデック | SBC, AAC, LDAC |
付属品 | ヘッドフォン本体 3.5mmイヤフォンケーブル USB A to Cケーブル 保証書 スタートガイド |
その他 | コード長さ:1.2m、USB-C 最大2台のマルチポイント接続 Spotify Tap、装着検出 |
▶WH-1000XM5のスペックと仕様を見る – SONY公式HP
WH-1000XM4とWH-1000XM5のサイズや音質、デザインを比較

手前:WH-1000XM5、奥:WH-1000XM4
せっかくなので、前モデル「SONY WH-1000XM4」と新型モデル「SONY WH-1000XM5」を写真で眺めつつ、ダダっと比較しておきましょう。
WH-1000XM4は無骨でガジェット感あるデザイン、WH-1000XMはモダンでスマートなデザイン。

横から見てみると、WH-1000XM5はパーツごとの"つなぎ目"が減っているのが分かるかと思います。1つのデバイスとしての完成度が増してますね。

WHシリーズらしさは残しつつも、WH-1000XM5はどこか未来的。ハウジングの厚みには大きな違いはありません。

カスタムボタンの名称が"NC/AMBボタン"に変更されてはいるものの、ボタン類の配置も変化無し。

ヘッドバンドはそもそもの形状から変化。WH-1000XM5は無段階で調整できるようになりました。

WH-1000XM4の時点でイヤーパッドは柔らかく、装着感も良かったのですが、WH-1000XM5はさらにブラッシュアップ。全体的にマットな質感とカラーが採用されてます。
WH-1000XM4とWH-1000XM5の装着感は、前のが圧迫感を感じるほどにもう全然違います。
▶至高の音質と静寂のノイキャン「WH-1000XM4」をレビュー
ケースのサイズを比較

すでに触れているとおり、SONY WH-1000XM5はケースがでかい。とてもデカい。
WH-1000XM4とWH-1000XM5のケースを並べてみると一目瞭然で、折りたためなくなったぶんそのまま大型化しています。さすがに1年以上使ってると気にならなくなりましたが、ひと回り以上サイズアップしてるので、不意に邪魔だなぁと感じることもあります。

厚みはそれほど違い無し。WH-1000XM5はヘッドフォン未収納時はもう少し薄くなりますよ。

ケース内部はWH-1000XM5のほうが凝った作りになっていて保護力もUP。
ケースはWH-1000XM4くらいのサイズがよかったかも。これは切に…ほんと切に思う。サイズ感は前のが良かったって人も多そう。
WH-1000XM4と1000XM5の音質の違い

せっかくなので、WH-1000XM4とWH-1000XM5の音質の違いについてもチェックしておきましょう。新旧2つのモデルを比較してダダっとまとめておきますね。
- XM4のほうが大口径ドライバーな分、音の迫力は感じやすい。
- XM5は全体的なボリュームが控えめで、ひとつひとつの音がスカッと分かれているので聴きやすいかも。がやがやしない音。
- ノイキャンと外音取り込み(アンビエントサウンド)は確実にWH-1000XM4 < WH-1000XM5。めっちゃよくなった。
- ANC/外音取り込みの切り替えなどのレスポンスが速くなった。
個人的な印象ですが、WH-1000XM4は迫力があるけど細かい音の再現までは苦手。WH-1000XM5は迫力は控えめになったけど、すべての音が明瞭で細かい音のフィーリングまで感じられるといった感じ。
WH-1000XM4とWH-1000XM5はしばらく併売されるようなので、迷った時は好みとお財布に相談することになるのかなぁと。
もし、予算が問題なくて、ケースのデカさを許容できるならSONY WH-1000XM5がおすすめです。
レビューまとめ!素敵な音質と装着感で素晴らしい体験ができるヘッドフォン、それがWH-1000XM5

SONY WH-1000XM5 レビュー&評価
最高のノイキャンと音質。これは間違いなし。
✓good!
- 最高峰のノイズキャンセリング
- 自然に聞ける外音取り込みモード
- 明瞭でフィーリングまで感じられる音質
- モダンでクールなデザイン
- 軽くて快適な装着感
✓not good
- 価格が49,500円と高め
- 折りたためなくなって取り回しが悪い
- ケースがでかい
✓Rate
音質 | 装着感 | 解像度 | 定位感 | コスパ |
S+ | S | S | S | S |
デザイン | ノイキャン | 外音取り込み | 持ち運びやすさ |
A | S+ | S | C |
総合評価 | S+ |
※レビューの評価基準についてはこちら。
語りたいことがありすぎて詰め込んじゃったので、少し長くなってしまいましたが……最後に「SONY WH-1000XM5」の僕のレビューと評価をまとめるとこんな感じ。
WH-1000XMは、ケースがでかすぎて取り回しが悪いってところ以外は、音質も、装着感も、デザインも、もうすべてが最高です。AirPods Maxが最強かもって思ってたけど、2万円以上安いSONY WH-1000XM5もタメ張れるくらいに素敵な音質とノイズキャンセリング。フィーリングまで感じられる音質も素敵ですし、装着感もGood。
外音取り込みモードも改善されたほか、ノイキャンは誰もが満足できるさすがの性能です。

何度も言っていますが、気になる点があるとすれば、ケースの大きさと取り回しの悪さくらい。持ち運ぶには少々場所を取りすぎます。
WH-1000XM5は2022年5月27日より発売中で、価格は49,500円。2023年4月現在、Amazonでの価格は42,000円~47,000円あたりで推移していることが多いようです。
いろいろと思うところはありますが、サイズの大きさと取り回しの悪さを許容できて、予算が許すなら、WH-1000XM5は素晴らしい音楽体験を提供してくれるヘッドフォンですよ、ブラザー。